シアトルの「amazon goとホールフーズ」毎日体験記
私がアメリカにいるうちに、
月刊商人舎7月号発刊しました。
[CoverMessage]
「ポジショニングが必要とされる理由、それは私たちの社会が情報社会になったからだ」。アル・ライズとジャック・トラウトが書いた『ポジショニング戦略』の有名なフレーズだ。情報が氾濫するからこそ、メッセージはシンプルでなければいけない。小売業の店づくりにおいても、シンプルなメッセージが必須である。人々の頭脳はインターネットを通じて、店に関する情報の集中砲火を浴びているからだ。「amazon go」は「No Lines, No Checkout」。実にシンプルだ。だからこのフォーマットのポジショニングがきわめて有効なのである。イオンスタイル西風新都の「非日常」、ライフ蕨駅前店の「開放感」、そして高次安定同質化を呈する日本コンビニ業界におけるファミマ・ドンキの「ドギツい差異性」。店づくりにおけるポジショニング戦略の方法論をCase Studyによって考察しよう。
[店舗研究特集]
とんがり/らしさ/ユニークさ
店づくりのポジショニング戦略方法論
[Message of July]
Simpleを追求せよ!
[特集のまえがき]
「ストア・ポジショニング戦略」のススメ
結城義晴
アマゾン・ゴーのPositioningの全貌
模倣困難なファステストストアを志向したのだ!!
[Photo Report]結城義晴の「Amazon go」体験記
イオンスタイル西風新都
ジ アウトレット ヒロシマ出店で非日常MDを探求する
[Photo Report]
非定番商品・非日常型スーパーマーケットの実験
[結城義晴の述懐]
ライフ蕨駅前店
大スパン工法が生み出した店内の開放感とライフらしさの追求
[Photo Report]
蕨駅前店の「ライフらしさ」の完成度
ファミマ&ドンキ
ファミリーマート Produced by ドン・キホーテ
コンビニの「高次安定同質化」を抜け出せるか!?
[Photo Report]
ドンキらしさは発揮できたのか!?
[特集のあとがき]
シンプルな「とんがり/らしさ/ユニークさ」を!
結城義晴
頭からしっぽの先まで、
結城義晴の手が入った特集です。
さてシアトル一人暮らしの3日間。
ホテルのそばの公園は、
緑が美しい。
その公園を抜けて、
ホテルから歩いて5分ほどの交差点。
ホールフーズマーケットがある。
これから1週間ほど、
お世話になります。
変形の売場だが大繁盛。
ミートの対面売場の前のスペースに、
青果部門から商品が持ち込まれた平台。
当然ながらバーベキューのお薦め。
セルフデリは本当に美味しそうな香りを、
周辺にまき散らしている。
ワイン売場はピンク色。
そこにロゼワインの陳列が活きる。
ホテルから5分ほどのところには、
amazon goもある。
こちらに来て体験できない人は、
今月号の特集を読んでください。
一人なので自撮り。
入口ゲートを入ると、
即食の多段ケース。
売場変更して、
この下段にコーラが並ぶ。
やはりサンドイッチとコーラ。
それが世界で一番早く買える店。
相変わらず観光客が多い。
amazon goの隣は植物園。
10分ほど歩くと、
シアトルのメインストリート。
ノードストローム百貨店本店。
手前はノードストローム・ラック。
反対側にメイシーズ。
ノードストローム対メイシーズ。
勝負は完全についている。
メイシーズが大改革をするか、
あるいは撤退するか。
二つに一つだ。
レーニア銀行タワー。
「ビーバー・タワー」と呼ばれる40階建て。
1977年竣工で、設計はミノル・ヤマサキ。
高い木の根底部を切り取ったような形。
建物の地上階部分の面積を縮小して、
地上部分の植栽面積を増やす目的で造られた。
ミノル・ヤマサキは、
世界貿易センタービル設計者として著名。
さらに5分くらい歩くと、
ハンマーを打ち下ろす黒い大きな彫刻。
「ハマリング・マン(Hammering Man)」
シアトル美術館。
チケットを買ったら、
シニア割引された。
フロントには天井から大きな彫刻がぶら下がる。
2階に上がると、長いドレスの作品。
アンリ・マチスの冬景色。
キューピッド。
ピエトロ・フランカビラ。
アフリカンアートの部屋。
日本館もあって、茶室が再現されている。
浮世絵や屏風絵などが展示されている。
シアトルの海がきれいだ。
シアトル美術館から歩いて5分。
パイクプレースマーケット。
シアトルはコンパクトで歩きやすい街だ。
日が明けてシアトルは7月12日の今日。
またまたやってきました。
Go! Go! ポーズ。
髭をそっていないのでちょっと恐縮。
繁盛しているという感じではなくて、
見学者や物見遊山の客が多い。
出入り口のゲート。
入口のセンサー。
ここにスマホアプリのQRコードを当てる。
するとゲートに「go⇒」と出る。
数歩歩いて、商品を手に取る。
すぐにゲートに戻る。
無人店舗ではない。
ファステストストア。
Fastest Store。
一番早い店。
店内はこの景色。
天井も視野に入って、
未来の店か潜水艦の中の店か、
という感じだ。
天井は異様だ。
奥の長四角の店も。
amazon go――。
これから、どんな価値観を生み出すか。
大いに楽しみだ。
隣に、amazonのラーメン屋。
木造りですっきりしている。
外から食べているところを、
覗くことができる。
メニューは意外に多彩。
店内はカウンター席だけ。
amazon社員だけではなく、
一般の人々も利用できる。
隣はハンバーガーショップ。
顧客は誰もいなかった。
さらにアマゾンタウンに入っていく。
両サイドの高いビルがアマゾン本社。
サラダショップ。
カウンターで注文する。
席はこれしかないが、
外に持ち出して食べる。
さらにサンドイッチショップ。
POTBELLY。
角にはパブ。
そしてMAMNOON STREET。
エスニック料理?
アマゾンタウンのアマゾンビル。
そこから歩いて5分。
またまたやってきました。
ホールフーズ。
考えてみるまでもなく、
ホールフーズもアマゾンの一員だ。
店頭でプライム会員募集。
ここで毎日、
オーガニック果物を買って食べる。
今回はバルク商品は買わないけれど。
アマゾン・エコーも販売されている。
そしてレジはこの渋滞。
だからこそamazon goの価値は上がる。
その価値観を何度も、
体験することが大事だと思う。
私の前のお客さんがアマゾン・ペイを使っている。
NCRの開発だ。
ホールフーズで買物して、
アマゾンのアカウントから支払う。
こんな購買がどんどん増える。
銀行口座から金が落ちる。
キャッシュレス社会。
amazon goもホールフーズも、
毎日買うと高いと思うけれど、
キャッシュレスになると、
その感覚が麻痺してくる。
そんな気もするが、
このコンビニエンスを超えたスピード感。
新しい価値観を生み出すことは確かだ。
最後に月刊商人舎7月号[Message of July]
Simpleを追求せよ!
Simple is best,
but simple is difficult.
単純なのが一番いい。
しかし単純であることこそ難しい。
GM研究所長のチャールズ・ケタリング。
研究所の壁に言葉を掲げていた。
「解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ」
現代は情報社会だ。
消費者の頭の中は、
いつも「情報渋滞」にある。
だからSimpleさが強みとなる。
Simpleであることこそ、
「ポジショニング戦略」の要である。
そしてそのシンプルさの3つの特徴。
とんがり/らしさ/ユニークさ。
ドラッカーのイノベーション原理。
焦点を絞り、単純なものにする。
そのために小さくスタートする。
けれど最初からトップの座をねらう。
Simple is beautiful.
Simple is useful.
Simple is perfect.
Simple is best.
But simple is difficult.
単純であることこそ難しい。
しかしそれでも、解決されてしまえば、
どんな問題もシンプルだ。
〈結城義晴〉