結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年07月22日(日曜日)

[日曜漫歩]Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)

旧約聖書『創世記』の冒頭。

神は、はじめに、
天と地をつくった。
闇の中に光をつくって、
昼と夜ができた。
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二日目に神は、
空をつくった。

三日目に海と地をつくって、
そして植物を茂らせた。

今日は、この三日目の話である。

ちなみに四日目に、
神は太陽と月と星をつくり、
五日目に、魚と鳥をつくり、
六日目に、動物をつくった。
この日、神は自分に似せて、
男と女を創造した。

名前をアダムとイブといった。
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七日目に神は、休んだ。
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だから七日目の日曜日は、
安息日とされた。

今日のブログ[日曜漫歩]は、
先週のシアトルの日曜日のこと。
神が三日目につくった植物の世界を、
ひとりの人間が再構築した。

Amazon Spheres(アマゾン・スフィア)。
アマゾン本社スペースにできた植物園。

人間の名前は、ジェフ。
ほんとうはジェフリー。
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オープンしたのは、
日本時間の2018年1月31日(水)0時。

ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は、
アマゾン・コム創業者であり、
現在のCEO。

今年のForbes調査の世界長者番付で、
マイクロソフトのビル・ゲイツを抜いて、
トップになった。

つまり、世界一の金持ち。

そのジェフ・ベゾスが、
シアトル市のダウンタウンに、
約40億ドルを投資して、
ガラス張り球体型植物園をつくった。
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ドームの広さは3700㎡で、
3つの球体が連なっている。
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このスペースは、
6番アベニューと7番アベニューを横断。
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ベゾスが執務する本社ビル「Day 1」の前にある。
ベゾス自身もこのSpheresを楽しむ。
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設立の目的は、この空間で、
アマゾンの従業員たちが、
新鮮な空気を吸いながら、
仕事中に安息する。
つまり憩いの場所である。
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従業員が会議を開くこともできるし、
コーヒーなど飲んで、
リラックスすることもできる。

Spheresの中には緑の香りが漂う。
森の中を漫歩する疑似体験が味わえる。

シアトルのAmazonには、
4万人の従業員が働いている。
基本的に彼らのために開放されていて、
クリエイティブな発想を生み出すために、
この場所が活用される。

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この建物は4層の温室構造で、
昼間は室温22℃、湿度60%に保たれる。
夜間は室温12℃、湿度85%。
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植物の生育のため、
中央アメリカや東南アジアの、
森林の気候に似せてある。

しかし、冬は寒いシアトル。
街を歩いてきてもドームの中に入ると、
心地よい暖かさがある。

なお、室温を保つため、
近隣のデータセンターで発生した熱が、
上手に再利用される。

この熱はコンクリートの床から供給される。
上層階では手すりのパイプで暖められる。
見栄えを良くするため、
パイプは見えないように隠されている。

Amazon Spheresは、
2643枚のガラスパネルで構成されている。
各パネルは植物の光合成を促すため、
光を吸収する構造であると同時に、
熱を反射するコーティングが施されている。
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シアトルは冬の日照時間が短いため、
スタジアム用のライトで光を補う。
常に12時間分の光を一定量、
与えられるように自動的に調整される。

ドームの中には、
4万種の植物が栽培されている。
絶滅危惧種を含む植物が、
世界300カ国以上から集められた。
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6番アベニュー側のドームは、
「Old World garden」。
アフリカや東南アジアの植物がある。
絶滅危惧種の植物もあるし、
食虫植物もある。
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このOld World gardenの入口から入ると、
約18mの4階建ての巨大な緑の壁がある。
200種類の植物が所狭しと植えられている。
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これを外から見ると、
ドーム全体が緑色に見える。

7番アベニュー側のドームは、
「New World garden」。
中南米の植物が中心に植えられている。
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最も目を引くのは、
愛称”Rubi(ルビ)”。
17mのフランスゴムノキの大木で、
オーストラリア産。

スフィア内はWi-Fi完備。
空間にはミーティングスペースがある。
1つの球体には最大800人の収容が可能で、
ワークスペースの機能を果たしている。

ドーム内には、
15人用の大きな円形会議場がある。
ベンチ型の休憩スペースもある。
カフェスペースに行けば、
軽食をとることもできる。

最上階から7番アベニューの球体へ行くと
木で造られた会議スペースがある。
「鳥の巣」と呼ばれる。
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鳥の巣はルビの先端付近に隣接している。
鳥の巣にいる気分を味わえる。
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このAmazon Sphereは、
Amazon従業員だけが利用できる。DSCN0182.JPG8

一般向けには、
1階の展示エリアの無料ツアーを、
週2回で実施している。
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一般の人々に向けた展示室。
私もここにだけは入ることができた。
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神が三日目につくった植物。
もしかしたらジェフ・ベゾスは、
神の気分になっていたかもしれない。

〈結城義晴〉


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