「盆の入り」の線香の品揃えと肉体に入れられた「鍬」
Everybody! Good Monday!
[2018vol33]
今週は2018年第33週。
8月の第3週。
月曜日の今日13日は盆の入り。
木曜日の16日が盆の明け。
水曜日の15日は終戦の日。
「お盆」は、日本の、
祖先の霊を祀る一連の行事である。
日本古来の祖霊信仰と仏教とが、
うまく融合して生まれた行事。
盆には先祖の霊が帰ってくる、とされる。
だから盆の入りには迎え火を炊く。
亡くなった先祖の霊が、
迷わないように家に迎え入れる。
盆の明けには送り火を炊く。
この4日間、先祖の霊を迎えて、
供養するのがお盆だ。
私の場合、
この7月31日に母を亡くした。
4年前の2014年には父が逝った。
2年前には愛猫が死んだ。
霊を信じるか否かは別にして、
盆の間にこの世にいない肉親を思い出す。
逝ったばかりの母が、
帰ってくるのかと思うと、
それは生生しいけれど、
どこかうれしいものだ。
東横線横浜妙蓮寺駅周辺を歩いた。
駅前のFit Care Express。
線香の品揃えは3SKU。
しかし1680円の青雲だけが残っていた。
後は残念ながら欠品。
駅前立地のドラッグストアだから、
線香に関しては一番売れる店だろう。
だから品切れ。
一方、セブン-イレブン妙蓮寺駅前店。
「朝セブン」を盛んに打ち出す。
ありました2SKU。
毎日香小型バラ詰め400円(本体価格)。
黄色いパッケージで目立つ。
お墓参り用お線香2把入り100円。
こちらはプライベートブランド。
毎日香が1フェース、PBが3フェース。
隣にロウソクが2フェース。。
ブランドはカメヤマローソク灯火139円。
セブン-イレブンから歩いて1分。
イオンのまいばすけっと。
今やセブンの天敵。
ありました1SKU。
日本香堂山水香2束92円(本体)。
これは1フェース。
セブンが100円で、
まいばすけっとが92円。
隣にカメヤマ徳用豆だるま370円。
まいばすけっとは、
プライスカードが大きくて、
低価格を主張している。
三者三様。
安心した。
Fit Careの品切れが残念だった。
しかしそれだけよく売れた。
日本の祖霊信仰の一端を感じたものだ。
昨日の「折々のことば」
僕は自分の肉体に
鍬(くわ)を入れられたと
感じました。
(脚本家・中島丈博)
中島は82歳の脚本家。
橋本忍の「弟子」だ。
その橋本はこの7月18日に、
100歳で大往生。
橋本が手掛けたのは、
数多くの黒澤明作品、
さらに松本清張モノの映画脚本。
その橋本忍の口癖は、
「正確に書け」だった。
このあとの例えが実にいい。
「赤ん坊を背負った女が」ではなく、
「女が赤ん坊を背負って」が正しい。
「観客の目に入る順がそうだから」
「赤ん坊を背負った女」を見るときには、
まず女が見える。
そして次に目に入るのが、
その女が背負っている赤ん坊。
だから脚本の表現は、
「女が赤ん坊を背負って」となるのが、
正しい。
橋本忍は凄い。
黒澤明らに鍛えられたのだろう。
しかし線香やロウソクの売場も、
「顧客の目」に入る「順」が、
意図的に想定されていなければならない。
セブン-イレブンの場合、入口側から、
ロウソク⇒PB⇒毎日香の順だった。
まいばすけっとも客動線上から見ると、
ロウソク⇒日本香堂山水香だった。
仏壇での手順は、
まずロウソクを灯してから、
線香に火をつける。
売場もこれが手順だろう。
セブンもまいばすけっとも、
合格していて安心。
編著者の鷲田誠一さん。
「中島の脚本に手を入れる時のその姿は、
うまく書こうという弟子の邪念を
一つ一つ潰してゆくかのようだった」
それが中島の肉体に入れらた「鍬」である。
今週はお盆の真っただ中。
自分の体に「鍬」を入れてくれる、
親、上司、先輩。
ありがたい。
日本人のお盆の場合も、
先祖は私たちの「鍬」なのだろう。
ありがたい。
合掌。
では、みなさん。
今週も、Good Monday!
〈結城義晴〉