素人や凡人のイノベーションと様々な「異分野融合」
Everybody! Good Monday!
[2018vol36]
9月に入って、第36週。
2018年もあと4カ月。
しかし、非常に強い台風21号が、
勢力を維持したまま、明日昼ごろには、
近畿・四国付近に上陸する。
今日3日18時現在、四国の南海上にいて、
中心気圧945ヘクトパスカル、
中心付近の最大風速45m、
最大瞬間風速60m。
JR西日本は明日の朝10時を目途に、
京阪神地区の全ての在来線の運転休止。
関西の大手百貨店や工場も、
相次いで営業休止を決定。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
今日もこの言葉を書かねばならぬ。
ああ。
台風21号の今後の予想。
勢力は弱るが速度を上げながら、
東北の日本海沿岸を北上する見通し。
首都圏でも非常に強い風が吹く。
関東や東海では大雨が続く。
さて日経ビジネスオンライン、
「今日の名言」
凡人や素人であっても、
イノベーションは起こせます。
田中 耕一さん。
2002年ノーベル化学賞受賞者(島津製作所)
田中さん、いいなあ。
「重要なのは、
様々な視点を持つ人たちによる
“異分野融合”です」
「例えば今、家電メーカーなどが
介護サービス事業に進出しています」
この例で成功を収めたのは、
セブン銀行とイオン銀行。
小売業と金融の融合。
日経新聞の先月の「私の履歴書」は、
安斎隆さん。
㈱セブン銀行創業者。
日本銀行に入行して、
その話が一番長かった。
その後、日本長期信用銀行の頭取へ。
最後にセブン銀行の社長・会長。
それが全31話のうちの6話。
安斎さんにとっては日銀が人生の本命。
セブン&アイはそのあとの人生。
それでも両者の「融合」に尽力してくれた。
安斎さんは素人や凡人ではないが、
さまざまな視点を持つ人を集めて、
イノベーションを起こした。
そしてこの概念の生みの親は、
ヨーゼフ・シュンペーター。
オーストリア出身の学者。
最後はハーバード大学教授。
初期の著書『経済発展の理論』の中で、
「新結合」という言葉を使って、
イノベーションを説明した。
ドイツ語で「neue Kombination」
英語では「new combination」
この新しい結合は、
田中さんのいう「異分野融合」と同じだ。
その田中耕一さん。
「島津製作所もアルツハイマー病変の
早期検出法を確立しましたが、
介護業界の人たちと一緒になれば、
重度の要介護状態を防ぐためには
どんなことができるだろうか
といった課題に対しても、
意見が出てくるはずです」
島津製作所は京都市中京区に本社がある。
精密機器、計測器、医療機器、
そして航空機器の製造業。
その機械製造業が介護領域と、
異分野融合しなければ、
イノベーションは起こりにくい。
そのとき素人も凡人も躍動する。
朝日新聞「折々のことば」
今日は1217回。
職能がつながっていなければ、
私たちの魚食はなかった。
(漁業経済学者・濱田武士『魚と日本人』から)
「魚食」とは本来、
「魚を獲る、卸す、売る諸職の間、
さらに魚屋と、彼らから魚の見分け方、
捌(さば)き方を習う消費者の間の、
濃(こま)やかなネットワークの中にある」
濱田先生は憂う。
「巨大な流通システムが
そのネットワークを切断し、
数字だけの繋がりにした」
「『魚職』たちは、
牽制しあうばかり。
誇らしく魚を手渡す歓びも
目利きの矜持(きょうじ)も
持ち難くなっている」
魚の世界では、
生産者、流通業者、
そして小売業と消費者とが、
「細やかなネットワーク」という、
融合の次元を創り出していた。
この様々な機能のネットワークが、
異分野融合や新結合であろう。
それが切断されてしまった。
「巨大な流通システムが、
そのネットワークを、
数字だけの繋がり」にしてしまった。
これは濱田さんの見方だが、
それが正しいとすれば、
これまでのイノベーションが、
滞ってしまったのだ。
しかし「巨大な流通システム」が、
そのメリットを生むのは、
コモディティの領域だ。
だから濱田さんのいう「魚食」は、
ノンコモディティの領域のことになる。
私なりに、そのように納得。
今日は一日、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎9月号の最終責了日。
最後の原稿を執筆し、
校正もする。
ずっと座っていると、体がなまる。
そこでポーズ! 恐縮です。
いい雑誌ができました。
ご期待ください。
ではみなさん、今週も、
素人でも凡人でも、
小さなイノベーションを。
Good Monday!
〈結城義晴〉