岡田卓也の「Political Merchant」と震災被害の「艱難・忍耐・練達」
今日は午後から、東京・神田へ。
イオン㈱の東京オフィス。
幕張にイオンタワーを設ける前の本社。
1977年から、私、何度も何度も通った。
現在はイオンリテール㈱の、
北関東カンパニー事務所となっている。
このオフィスの応接室で、
岡田卓也名誉会長相談役。
今月の19日に93歳だとか。
イオン環境財団の植樹のポスター。
岡田さんの故郷・三重県での植樹。
嬉しそうだった。
小濵裕正㈱カスミ会長も、
わざわざご同席くださった。
ひとことでいえば、
「ポリティカル」な商人のあり方を、
岡田さんから直接、
ご教授いただいた。
このあとパレスホテル東京に移動して、
日本料理の和田倉で会食。
ここで加わってくれたのが、
日本小売業協会の高野秀夫専務理事。
ここでも岡田さんの講義は続いた。
93歳でありながら、
記憶力は驚くべきもので、
理論的、分析的な語り。
しかも、少しずつ日本酒を飲みながら、
和食コースをぺろりと平らげた。
本当に化け物級。
しかし実に貴重な時間だった。
先月の月刊商人舎8月号。
我ら、ポリティカル・マーチャンツ!
続編を企画しようかと思った。
さて、テニスの全米オープン。
ニューヨークで開催中。
女子シングルス準決勝は、
大坂なおみが勝利。
日本人初の決勝進出。
弱冠20歳の快挙。
うれしい限りだ。
北海道胆振東部地震も、
道内全域に及んだ停電が、
今日の午後6時現在、
6割弱が復旧した。
しかし正午時点で約3万3000戸で断水。
12人の方々が死亡。
5人が心肺停止、22人が安否不明。
北海道新幹線は回復しつつあるし、
札幌市営地下鉄3路線全線で運転再開。
新千歳空港も再開された。
経済産業省の発表では、
道内の小売業の中では、
コンビニと総合スーパーと、
スーパーマーケットが約3500店。
商品の供給が追いつかない。
だから品切れが発生。
停電によって物流センターがストップし、
商品の仕分けができない。
だから店舗配送は遅れている。
Facebookに報告あり。
足立幸一さんから。
立教大学大学院の結城ゼミ。
第5期のゼミ長。
結城先生、札幌より報告です。
9/5未明の台風21号通過による停電、
翌日9/6未明の北海道胆振東部地震から
連続停電で3日間被災しましたが、
スーパービバホーム白石本通店では、
蓄電された電源でなんとか、
朝一6:30から店舗営業させて、
3日間の停電、断水で、
お困りの地域のお客様に
無料で携帯充電サービス、
トイレの貸し出し、
水の供給を実施致しました。
まだ大きな余震が続いていますが、
結城先生の言葉、
「店を開けよう、売場に立とう、
元気を出そう、元気を売ろう」
の気持ちで、店に出て、
売場に立とうと思います!
頑張れ、足立君。
頑張れ、ゼミ長。
日経新聞巻頭コラム「春秋」
東日本大震災直後の2011年3月。
宮城県気仙沼市の階上中学校の卒業式。
男子生徒が読み上げた答辞。
「苦境にあっても天を恨まず、運命に耐え、
助け合って生きていくことが、
これからの私たちの使命です」
コラムニスト。
「地震も噴火も暴風雨も、
地球にとってみれば
地表でたまたま起きる
小さな変化にすぎないのだ。
それが大災害となって牙をむく」
その通り。
「人間が抗(あらが)えない大きな力が
天だとするなら、
なんと無慈悲で理不尽なものなのか」
「そのたびに私たちは立ち尽くし、
嘆き悲しむしかない」
「いたわり合い支え合う力だけが、
希望を与えてくれる」
私がいつも引用するのが、
新約聖書・ローマ人への手紙5章。
艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出す。
そして練達が希望を生み出す。
この希望は、
失望に終わることがない。
[注]「練達」とは「練られた品性」のことをいう。
階上中学校の男子生徒にも、
艱難と忍耐と練達があった。
足立幸一君と店の人たちにも、
艱難と忍耐と練達があるだろう。
おそらく全米オープン決勝に進む者にも、
艱難と忍耐と練達があるに違いない。
岡田さんが教えてくれた、
ポリティカル・マーチャントにも、
艱難と忍耐と練達が必須である。
そしていずれも練達は希望を生み出す。
その希望が失望に終わることはない。
〈結城義晴〉