[日曜漫歩]サンフランシスコのアメーバ・ミュージック
神は、一日目に、
天と地をつくった。
闇の中に光をつくって、
昼と夜ができた。
二日目に神は、
空をつくった。
三日目に海と地をつくって、
地に植物を茂らせた。
四日目に神は、
太陽と月と星をつくり、
五日目に、魚と鳥をつくった。
六日目には、動物をつくり、
この日、神は自分に似せて、
男と女を創造した。
名前をアダムとイブといった。
そして七日目に神は、休んだ。
だから日曜日は休息の日。
音楽は脳を休息させる。
だから今日の日曜漫歩は音楽の殿堂。
ところはサンフランシスコ、
ヘイト・アシュベリー地区。
1960年代には、
ヒッピー文化が発祥したところ。
サンフランシスコ半島の北側で、
ゴールデンゲートブリッジも近い。
ホールフーズの有名な小型店がある。
1万5000平方フィート。
それでもコンパクトにまとめて、
抜群の人気を誇る。
このヘイト・アシュベリーの一角に、
ホールフーズの隣に、
Amoeba Musicがある。
ウィンドーには音楽グッズ。
レコードとCDと音楽グッズの店。
トートバッグやリュックサックなど、
大きめの手荷物を持つ顧客には、
スタッフから声がかけられる。
そして万引き防止のために、
入口で荷物を預ける。
美術館や博物館のようだが、
もっとフランクでイージー。
入口を入ると全面に、
レコードとCDが陳列されている。
もともとボウリング場だったから、
そのボウリングのレーンのところに、
ズラリと商品が陳列されている。
右手にはこれも、
珍しいというか懐かしいというか、
グッズが並ぶ。
旧ボウリング場の反対側にも、
売場があって、スロープで降りる。
ここにも新しめのCDやレコード。
向こうには店舗のファサード。
元ボウリング場の売場に戻る。
手前のレジのところから、
売場が一望できる。
そこにウィンコフーズのように、
陳列台が横に並ぶ。
その横の陳列を見ると、
店の端から端までが見通せる。
天井には商品ジャンルごとに、
黒地に白字のサインがある。
右上の8aの通路はジャズのCD、
左上の8bのアイルはロックのCD。
壁面にはすき間なく、
ミュージシャンのポスターが、
貼られている。
古い古い店だが、
妙な趣があって、
レコードなど探し始めたら、
あっという間に時間は過ぎる。
サイモンとガーファンクル。
“Bridge Over Troubled Water”。
和名は「明日にかける橋」。
ボブ・ディランの”Another side”
1964年発表のアルバム。
The Beatles with Tony Sheridan。
1961年リリースの古いアルバム。
ビートルズとトニー・シェリダンの競演。
ドイツ・ハンブルグでの録音。
そしてもうこれは投げ売り。
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band。
1967年リリースのビートルズ8作目。
アルバム全体を通して、
ロールプレイが展開されるという名盤。
売場でLPレコードをめくっているだけで、
魂が癒される。
まさに日曜漫歩。
レジの横にTシャツをはじめ、
POP音楽グッズ売場がある。
アメーバ・ミュージックの店は、
ベイエリアではバークレーにあるし、
ロサンゼルスのハリウッドにもある。
心を休めたいときに訪れる。
まさに日曜漫歩には最適。
日本にもほしいなあ。
〈結城義晴〉