ロピアNYC研修「食べ歩きコンテスト」の好奇心と行動力
[Message of February]
時間よ、止まれ!
“Time is money”
〈アメリカ建国の父/ベンジャミン・フランクリン〉
「賢い人間は
時間を無駄にすることに
最も腹が立つ」
〈イタリアの詩人・哲学者/ダンテ・アリギエーリ〉
しかし、こんな言葉もある。
「珠玉の時間を無為に過ごさないようにと、
注意を受けたことがあるだろう。
そうなのだが、
無為に過ごすからこそ
珠玉の時間となるときもある」
〈イギリスの劇作家/ジェームス・マシュー・バリー〉
時間はなぜか二面性を持つ。
それが時間の特徴だ。
「労働は適時にはじめること。
享楽は適時に切り上げること」
〈ドイツの詩人/エマヌエル・ガイベル〉
「一番多忙な人間が、
一番多くの時間をもつ」
〈スイスの神学者/アレクサンドル・ビネ〉
これは真理だ。
私たちは誰もが、
「時間」の中で働き、学ぶ。
「時間」の中で休み、眠る。
「時間」で生きて、
「時間」で死ぬ。
「幻でかまわない
時間よ とまれ
生命のめまいの中で」
〈作詞家/山川啓介・作曲家/矢沢永吉〉
時間とは一生、付き合わねばならない。
その時間が止まった瞬間、
死が待っている。
だからこそ時間との向き合い方に、
ある種の決着をつけておきたい。
自分なりの羅針盤を携えておきたい。
仕事の時にもプライベートの時にも、
時間に対するマネジメント哲学をもって、
生きていきたい。
〈結城義晴〉
さて、ニューヨーク。
㈱ロピアの米国研修。
時間は止まらない。
2日目の夜に行われたイベント。
「食べ歩きコンテスト」
前回までは、
「調理コンテスト」をやっていた。
しかし今回はイノベーション。
メンバーが4人1組で10班に分かれて、
自分たちでコンセプトを決めて、
ニューヨークの食体験をした。
その体験を3日目の朝、発表。
全員が1票を投じて、
競い合うというイベント。
福島道夫社長の肝いり企画。
残念ながら福島さんはいないけれど。
真っ先に発表したのが、
Iチーム。
ハンバーガーショップめぐりがテーマ。
肉質やバンズ、味付けなどを比較報告。
5ガイズ、シェイクシャック、
そして5ナプキンズバーガー。
最後の5ナプキンズは満席で入店できず。
そこで締めに一風堂のラーメンを食べた。
よく食べるのがロピアの企業文化だ。
シェイクシャックを体験していない、
他のメンバーたちは、
食い入るように画面を見る。
Fチームも、
ファストフードとレストランの、
ハンバーガー比較。
I班とテーマが被った。
しかしアメリカ人の国民食を、
体験して食べ歩く。
いい試みだ。
こちらは5ナプキンズバーガーを体験。
もちろんシェイクシャックは外せない。
片言の英語で店員とも交流して、
記念写真。
会場後方では、
ロピア代表取締役の高木勇輔さんも、
体験報告を聞いている。
Bチームは、
肉文化のアメリカで、
最新トレンドのスモークBBQに挑戦した。
フィッテソウ(Fette Sau)BBQ。
地下鉄に乗って話題の店を探して、
3種類のスモーク肉を体験。
Eチームは、
ウーバーを使って著名レストランへ。
食事だけでなく、
接客の良さを実感したと報告。
ロピアの店舗でも、
ホスピタリティが大切だと強調した。
Gチームは、
ともえ寿司。
日本の寿司文化が、
どう根づいているかを検証体験。
顧客はニューヨーカーばかりだった。
店のオーナーとも意気投合して、
記念写真を撮ってきた。
Dチームは、
まずハラルフード。
アメリカでは2兆円産業にまで育った。
人気の屋台を探して、実食。
味はソースが辛すぎて、
今一つだったと報告。
しかしそのあとロブスターのルークス、
チーズケーキのジュニアーズ。
Hチームは、
積極的に店を巡った。
ステーキハウスのギャラガーズで、
プライムローストビーフを食べ、
ジャズクラブのバードランドで、
音楽を愉しみ、
最後にプラネットハリウッドで、
締めのハンバーガー。
なかなかいい体験報告だった。
Aチームは、
オイスターバーで、
シーフードレストランを体験。
発表が終わるごとに、
ほかのチームメンバーから、
次々に質問が飛ぶ。
Cチームは、
ザ・パーム(The Palm)。
人気のステーキハウスだが、
あえてシーフードを体験。
1人280ドルを使って、
イカのフリットをはじめ、
エビやカニの海鮮料理を堪能。
最後の報告は、
Jチーム。
マンハッタンで超人気の創作寿司店。
「sushi of gari」を選んだ。
3時間半をかけて、
お任せで高級寿司を食べ続け、
なんと、1人4万円、
4人で16万円を使った。
今回、欠けていた視点、
もっともっと挑戦すべき方向性。
本物の日本食がアメリカで成功した要因。
それらを講評した。
しかし食べて食べて食べる。
そして感じて、考える。
ロピアが目指す商売の方向性を、
実にわかりやすく説明した。
そのためには1人ひとりに、
「好奇心と行動力」が不可欠である。
研修参加者に強いメッセージを贈った。
イベントが終わると、
移動中の専用バスの車中で、
すぐに得票数を集計。
1位のリーダー賞、
2位のチャレンジャー賞が決定した。
さらに私が独断でニッチ賞を選んだ。
チャレンジャー賞とニッチ賞には、
1人200ドルの賞金。
リーダー賞には、
1人400ドルの賞金が手渡された。
もちろん、滞在中に、
食事や家族への土産購入に使ってほしい。
それが福島社長の意図だ。
ニッチ賞に輝いたHチーム。
ステーキとジャズとハンバーガー。
アメリカ人の大好きなメニューを、
見事にチョイスして体験した。
栄えある1位は、Jチーム。
16万円を投じて創作寿司を堪能した。
コロンブスの像を背景に1位の笑顔。
1位、2位ともに寿司体験だった。
値段の差が順位を分けた。
しかし全員の投票だから、
全員の関心がそこに集まったことになる。
賞金はぜひとも、
3日目、4日目の滞在中に使ってほしい。
さて、ロピアニューヨーク研修会も、
滞在4日目の朝。
ロピアが目指すべき競争戦略と、
店舗戦略、商品戦略を解説した。
一つひとつをロピアに当てはめて、
丁寧に解きほぐした。
商品のクオリティと価格、
コモディティとノンコモディティ。
60分という限られた時間だったが、
ロピアにとって大事な視点ばかりだ。
1人ひとりの部門チーフたちが、
それを理解してほしい。
そして好奇心と探究心、
行動力と実行力を持って、
仕事に取り組んでほしい。
皆に期待したい。
最後に、ロピアNYC研修テキストから。
行こう! 歩こう!! 見よう!!!
Amazon GoへGo!
Wal-Mart Supercenterへ行こう!
Trader Joe’sで買おう!
Eatalyで食べよう!
ストアウォッチング、
ストアコンパリゾン。
ストアクリニック。
マーケットリサーチ。
好奇心・探求心、
向学心・向上心。
新しいもの好き、
そして行動力・実行力。
虫の目で、
鳥の目・魚の目で。
そして心の目で。
行こう、歩こう、見よう。
店を訪れる。
売場を見る。
商品を買う。
サービスを味わう。
カスタマーを見る。
アソシエーツを観察する。
その交流と賑わいを感じとる。
繁盛の秘訣を見つける。
そして考える。
話し合う。
再び考える。
アイデアを出す。
紀元前47年のユリウス・カエサル。
小アジアのゼラの戦いを制して、
ローマへ手紙を送った。
「来た、見た、勝った」
まずは足を運ぶ。
そして目で見、耳で聞き、
五感で感じて、頭で考える。
そうすれば勝利することができる。
全米に材料が散らばっている。
すべての州や都市、その街角に、
意思決定に役立つものが眠っている。
イノベーションの源が息づいている。
虫の目で、
鳥の目・魚の目で。
そして心の目で。
行こう、歩こう、見よう。
(つづきます)
〈結城義晴〉