軸を定めて揺れない者だけに時代は見える。
2004年2月から3月への「20日〆行動日誌」
□自動車、家電などの製造業を中心にした業績のV字回復。その結果としての「春討」の満額回答、高額回答。その影響からの円高と小売業・チェーンストアの株価急上昇。売場の手ごたえや消費の感触を先取りしたかのような景気の振り子ですが、こんな時にも「軸を定めて自ら揺れない者だけ」が、顧客の心理を見抜くことが出来るのです□
□2月17日から第72回商業界ゼミナール。この総合ゼミは、3日間が原則です。50講座60人の講師が、商業・サービス業に関するあらゆる角度から研究成果を発表し、論じ、訴えるというものですが、同時に参加者同士の熱き交流が特徴でもあります。今回も、その意味で大きな収穫がありました。初日に東京・浜松町のメルパルクホールを借り切って、「縦のものを横にした総合講座」と『ミュージカル・パパの明日はわからない』を組み合わせたこともあって、今回から「1日コース」を設けたのですが、その参加者が400人。大変に満足していただきました。いわば「商業界ゼミナールの息吹を浴びるコース」ですが、お忙しい方々には絶好のゼミになったものと考えられます。それ以外の「商業界ゼミナールの真髄を極める本コース」は1000人。ミュージカルには、倉本初夫商業界主幹も出演、80歳にして意外な役者振りを披露したのでした。ミュージカルはカーテンコールが鳴り止まず、大きな感動をもたらしてくれました。53年に及ぶ商業界ゼミナール史上たった1回の冒険は、成功裏に終わりました。すべての人にありがとうを言いたい気持ちでいっぱいです。ミュージカルのあとは、1000人の大移動。バス22台で、千葉・舞浜のシェラトングランデトーキョーベイへ。夜は、24時近くまで渥美・石原・緒方・吉田・西村といった看板講師の「お悩み相談講座」□
□2日目は、朝9時から午前中の5本立てワイド講座。午後は、マーケット別・分野別の縦割り連続講座。夜は、個別問題解決のための小講座群。考え方は、カスタマイズをマスにする、すなわち『マスカスタマイズ・セミナー』なのです。同時並行で一日中行われた「倉本長治を極める」講座は、感動の連続でした。講師の皆さん、参加者の皆さん、そして商業界社員諸君、ありがとうございました。夜は車座での討論会や各地同友会の集い、各種グループの集会などが自主的に開催され、明け方まで話しこむ人もいたようです□
□最終日19日は、すかいらーくグループ最高顧問の横川竟(きわむ)さんの講演、良品計画社長・松井忠三さんと東京大学大学院教授・松原隆一郎さんの対談。私が総合司会。素晴らしい内容でした。すべての講座に今回のテーマ『まっ正直商法』が詰まっていました。しかし、『販売革新』4月号の巻頭言に書いておきましたが、まっ正直商法は「頭で知っていることを、心で実践し、体で実行し、組織で実現する」ものです。それが第72回商業界ゼミナールの総括となります。ありがとうございました。19日は午後帰社して、みんなで仕事□
□20日早朝から、お台場で、4人会。夕方、小社役員会□23日、一日中3連続の拡大媒体会議。『コンビニ』『商業界』『販売革新』。夜、三洋コマーシャル販売の阿久澤光明さん来社。24日午前中採用面接。午後、パチンコチェーンストア「ダイナム」の佐藤洋二会長来社。佐藤さんはNPOの「ワンアジアクラブ」の理事長を務めていらっしゃって、その上海交流団の打ち合わせ。わが社では倉本初夫主幹が参加することになりました。アジアを民間レベルで一つの世界として交流しようという趣旨のNPO。私も応援します。25日、恒例の部長会・編集長会議・新製品開発会議。夕方、鉢山町で渥美俊一先生と「2月ゼミナール総括会」。夜、採用面接。26日、朝、寺岡精工のビデオ撮り。午後、ジュエルベリテオオクボ訪問。大久保仁雄社長と「商業界商人大賞・大久保利春賞」の打ち合わせ。27日、朝、カメラのきむら訪問。木村迪夫会長にお礼。午後、磯見精祐さん来社。いつもの熱談。夕方、連続採用面接□
□3月に入って、1日。夜商業界トップマネジメントスクール懇親会。2日、出版合同会議。日本マーケティング協会からのインタビュー。機関誌『マーケティングホライズン』巻頭の社長インタビューシリーズに載ります。3日、午後、我孫子の小熊覚三郎さんの店コビアンを訪問。2月ゼミ運営委員長のお礼。4日、商業界岡山同友会、例会で講演。5日、津山へ。植田淳真エルダーのご案内で山田養蜂場訪問。感動。良い会社。ロイヤルゼリーに関して日本ナンバー1の企業。「小さく狭く濃く深く」を実践している□
□7日、少年ソフトボール白幡大会で、私のチーム「竹の子」優勝。万歳。10年間監督業をやってきましたが、最後の最後を、勝利と優勝で終わることができました。今後は、チーム代表として、子供たちと接してゆきます。これ、私のボランティア活動なのです。「学校でできない教育」を直接、子供たちと触れ合いながら続けていきたいと考えています。
□8日、『食品商業』媒体会議。9日、社労士の石澤清貴先生と熱談。10日、スーパーマーケットトレードショー開幕。共催セミナーで講演。三洋コマーシャル販売常務の大崎公司三と濃密な情報交換。夜、レセプションパーティ。11日、林薫さん来社。上梓された単行本を頂いた。私の『メッセージ』と物々交換。感謝。12日、ケルンメッセ宮崎征さん来社。ドイツの菓子卸売協会のハンス・ストローマイヤーさん同道。私たちが、6月、彼らの日本での研修をお手伝いします□15日、ペガサスビルで渥美俊一・吉田繁治面談の立会い。16日、名古屋へ。真宗大谷派名古屋東別院。ユニーの前身・西川屋創業者の西川義雄さんの告別式。数え年90歳。私と商業界への、最後までの特別のご配慮、ありがとうございました。合掌。その後、宮下晃エルダー、初夫主幹と来年の2月ゼミナールの骨子についての打ち合わせ。17日、『飲食店経営』媒体会議。18日、商業界全国同友会連合会正副会長会議で、挨拶に代えて巻頭言の朗読□黙祷して、この1カ月に感謝。私は果たして、自ら揺れていたのだろうか、揺れていなかったのだろうか。
〈結城義晴〉