ヨークベニマル大高善興社長の「大晦日のちょっと良い話」
昨2006年12月31日、大晦日。
東北のスーパーマーケットとして、
日本有数のクォリティとホスピタリティを誇るヨークベニマルの、
ある店の社員食堂でのこと。
ちょうどお昼を過ぎた時間帯。
パートタイマーさんが3人、遅い昼食休憩に入っていた。
ヨークベニマルでは、8割がたのパートタイマーが、
自分で弁当をこしらえて持ってくるという。
倹約のためだ。
忙しい年末の仕事の中の、ほっと一息つく瞬間。
突然、鉄腕アトムのテーマ音楽がかかった。
すると3人のパートさんが、誰言うとも無く、
静かに自分たちのお弁当箱にハンカチをかぶせて、
店に出て行った。
ヨークベニマルでは、お客さんがレジに並ぶと、
店内に、耳になじんだあの鉄腕アトムのテーマが流れる。
店員さんたちに知らせるためである。
大晦日だから、当然のことかもしれないが、
昼のピークタイムが終わったにもかかわらず、
このとき鉄腕アトムが鳴り響いたのだ。
パートさんたちは、レジに入るために昼食を中断したのである。
10分ほどしてから、彼女たちは帰ってきて、
またハンカチをとって、昼食の続きをとったというが、
このさりげない姿に、
偶然にもこの店に年末の激励に訪れていた同社大高善興社長は、
ひどく感動した。
もちろん心から感謝した。
小売業の店に、お客は、毎日のようにやってくる。
もちろん商品が確かだから、この店にやってくるのだろう。
良い品が安いから、やってくるのかもしれない。
しかし、こんなパートタイマーさんがレジで迎えてくれるからこそ、
この店が好きだと思ってくれる顧客は多い。
ヨークベニマルの高い支持率は、
こういった全従業員の日常の行動に支えられている。
私は、「弁当箱にハンカチをかぶせて、店に出て行くパートさん」の姿を、
想像するだけで、心がジンとしてくる。
私も心から、感謝。
<(株)商業界社長 結城義晴>