「グッド・マンデー」とアダム・スミスの『見えざる手』
どんな仕事も、重要です。
どんな役目も、必要です。
さあ、1週間のスタート。
「エブリボデー! グッド・マンデー!」
安倍晋三首相にとって、8月最終週の今日、月曜日は、
グッド・マンデーとなるのでしょうか。
参議院選で大敗した自民党政権、新内閣組閣の日。
夕方まで、目が話せない情勢です。
万一、安倍さんにとって不幸という結果が訪れる組閣だったとしたら、
私たち日本国民にとっても、決して幸福ではないはずなのに。
なぜか、マスコミも、私も、
もしかしたら、あなたも、
他人事のように、言ってしまう。
自民党支持であろうとも、
安倍不支持であろうとも、
私たちの国を、私たち国民が、
一応、選挙という制度にのっとって任せたのだから、
現時点でより良い閣僚を選んで、
一刻も無駄にすることなく、
イイクニツクロウ鎌倉幕府、と励んでほしい。
その意味で全国民が注目しているのです。
テレビのコメンテーターのように、受けることだけを狙い撃ちで発言して、
やがて自分が立候補するために、注目しているわけではない。
会社も店も、
その人事やマネジメントとは、
一刻の猶予もなく、
より良い組織をつくり、
顧客や社会に貢献するために、
素早く意思決定される。
駄目ならば、すぐに訂正される。
決まったことには従い、徹底的に努力する。
それと同じことが国政レベルで行われるべきです。
政治と同じことを、企業経営に持ち込んではいけない。
政治も、企業経営と同様の、スピードとミッションを持たねばならない。
この目的を喪失したマネジメントは、
それ自体、瓦解する。
私は、無宗教であるけれど、
そして宗教を信じている人に対して、
なんのわだかまりも抱いていないけれど、
アダム・スミスの「見えざる手」のような摂理は、
信じています。
「見えざる手」<Invisible hand>という言葉は、
『国富論』の第4編第2章で、たった1回しか使われていないそうです。
しかし、
「個人の利益追求が、社会公共の利益増進に貢献する」
という底抜けに明快なコンセプトが、
当時の人にも、現代の私たちにも、インパクトを与え続ける。
スミスは、初めて「分業」の概念を定義づけた人としても名高い。
「分業によって、イノベーションが行われ、
生産性が高まることによって、富が生まれる」
これも、痛快でしょう。
チェーンストアやスーパーマーケットをはじめとする先進商業も、
あらゆるホスピタリティ・ビジネスも、その仕事も、
アダム・スミスによって、動機付けされている。
だから、安部総理も、麻生太郎新自民党幹事長も、
分業の役割を、しっかりと果たしてほしい。
私たちは、あなたたちの、仕事ぶりを確認しながら、
今日の私たちの役目をしっかりと果たしましょう。
こんな対等な位置づけが、
安部さんと、私、
安部さんと、あなたとの間にあるのです。
どんな仕事も、重要です。
どんな役目も、必要です。
さあ、1週間のスタート。
お客様のために。
そして「見えざる手」に導かれた自分のために。
「エブリボデーッ! グッド・マンデー!」
<㈱商業界社長 結城義晴>
[写真は8月16日、「毎日新聞」より]
0 件のコメント
Posted by K at 2007年08月29日 01:03
読んでいてふと思ったのですが、なにをどうすれば、イオンの岡田会長が言われるように日本の士農工商の順序を変えていけるのか、またアメリカのように日本の小売業が働きたい企業ナンバー10に列挙されるようになるのでしょうか。
Posted by 結城義晴 at 2007年08月30日 02:45
ムム、難しい質問。
一言で述べよ、ということならば、
「店は客のためにある」の徹底です。
二言を許してもらえるならば、
「店員と共に栄える」の実現です。
しかしこれでは、8月30日のブログのごとく、
「身も蓋もない話」となってしまう。
本が何冊も書ける巨大なテーマ資源です。
結城義晴への宿題と受け止めておきましょう。