西端行雄の「ニチイの理念」がマイカルを再建させた!
「お客さま第一の精神のもと、
店舗・商品・接客応対を通して、
お客さまの願いを満たし、
幸せな生活をしていただくために
私たちが存在する」
「8月26日 忍耐は人間に与えられた特権でしょう」への投稿。
「昭和53年頃 日経の夕刊の一面の
人物紹介コナにニチイの西端行雄社長が朝夕お経を
あげている写真と 文が載っていました
それを全日食創業社長 故山田清之亮氏が
”立派な人だから 読んでおいたほうがいい”
といい 新聞を手渡されたのを思い出しました」
2007-08-28 19:49:58 天野
この投稿の西端行雄氏に関して、
きわめて重要なエピソードがあります。
この話は、2006年に、
イオン名誉会長岡田卓也さんとニチイ創業者夫人の西端春枝さんから、
私が直接、伺ったものです。
1963年、
ヤマト小林商店、セルフハトヤ、岡本商店、エルピスの4社合併によって、
ニチイは発足します。
西端行雄さんはセルフハトヤの社長で、
この合併の、熱きリーダーでした。
そして、ニチイの初代社長に就任します。
1982年、西端氏、ご逝去。
小林敏峯氏、二代目社長就任。
その後、1996年、ニチイからマイカルへ社名変更宣言。
2001年、残念ながらマイカルは破綻、
会社更生手続きに入ります。
結局、イオンが事業再建に乗り出すことになりますが、
そのときのこと。
事業管財人となったイオンの岡田卓也氏は、
マイカルを訪れるとまず、
「ニチイの経営理念」はどうしましたか?
と、聞いたそうです。
岡田氏は、商業界ゼミナールで、
西端氏とは机を並べて勉強した間柄。
岡田氏もジャスコを合併によって、誕生させていました。
だから、ニチイの理念に関しては、熟知していたのでした。
合併や再建において、理念がいかに重要かを知っていたのでした。
残念ながら、マイカルと名前を変えた企業内には、どこを探しても、
創業のニチイの経営理念は残っていませんでした。
八方手を尽くして、東京の出版社から見つけ出されて、
ニチイの理念が復活しました。
そこから、マイカルの再建は、スタートしたのでした。
マイカル再建に際しては、
イオンの理念が押し付けられたのではありませんでした。
もともと持っていたニチイの理念を甦らせるところから、
マイカルの再建は、始められました。
2005年12月31日、更生手続きは7年前倒しで終結します。
そしてニチイの理念は、
西端行雄氏が、
自らの魂によって生み出したものだったのです。
その理念とは、以下の信念に基づいたものでした。
「お客さま第一の精神のもと、
店舗・商品・接客応対を通して、
お客さまの願いを満たし、
幸せな生活をしていただくために
私たちが存在する」
自らの存在意義を、明確に規定したところに、
この理念の重みと、
西端行雄という人間の価値があります。
合掌。
<㈱商業界社長 結城義晴>