J・フロントリテイリング経営統合の成否を握るもの
アクセス数、激増です。
感謝します。
さて、昨日のつづきの情報と問題解決と、
J・フロントリテイリング経営統合に関して。
現在、ウォルマートは、
全米に約4000店を展開しています。
その全店および全ディストリビューションセンター、
全配送トラック等に、
さまざまな、膨大な情報が、
日々、発生しています。
これら、考えうるありとあらゆる情報が、
深夜の24時に一旦、締め切られ、
午前4時には、
すべて集計され、
使えるデータに加工されます。
翌朝には、これを活用して、
対策が練られ、
改善が実行に移されます。
米国国防総省ペンタゴンに次ぐ、
世界第2位の情報量といわれます。
店頭でも、
本部でも、
ディストリビューションセンターでも、
リテールリンク傘下のベンダーでも、
それが共有されて、
問題解決の原動力となります。
もちろん、創業者サム・ウォルトンが、
重視したのは、
コンピュータを最大活用したデジタル情報とともに、
人間の目で見、
耳で聞き、
肌で感じ、
頭で考えた
アナログの「事実」でした。
私は、情報に関しても、
「コモディティ情報」と
「ノンコモディティ情報」とに
分類して、
整理し、
考えることにしています。
このブログの8月1日付「オピニオン・世界的メディアのM&A」でも書きました。
コモディティ情報は、
速く、
安く、
大量に、
集められ、
処理され、
伝達され、
活用されるものです。
だからこれは、
どんどん寡占され、統合されていきます。
人々が「システム統合」と呼ぶものです。
昨9月3日、経営統合された「J・フロントリテイリング」も、まず、
「経営効率向上に向け、2008年度中に、
カードや商品政策などの基幹システムを統合する」
と方針を出しました。
これは「コモディティ情報」の統合です。
マス・プロダクトされ、
マス・ディストリビュートされる
「コモディティ情報」です。
大丸と松坂屋に働く
店員さん、店長さん、バイヤーさんの一人ひとりが持つ
「ノンコモディティ情報」は、
統合することは出来ない。
大丸と松坂屋の常連のお客様の、
すべての個別なライフスタイルや要望といった
「ノンコモディティ情報」は、
一括処理、一括対応することは出来ない。
統合の結果、
それらが、埋没してしまったり、
消耗してしまったり、
削除されてしまったら、
この企業統合は、
失敗となります。
もちろん「三越伊勢丹ホールディングス」も、
同様です。
<8月19日付『三越伊勢丹経営統合にクリティカルマスはない』にて既述>
セブン&アイホールディングスも、
イオンも、
同じです。
生きているサム・ウォルトンは、
世界のビジネス界で最大最高の情報システムを、
構想し、実現させた。
しかしその裏で、
「すぐやる全体会議」を徹底させていた。
これは、極めて重大な「商売成功」の鍵となる「事実」なのです。
そして、
徹底とは、
①詳細に、
②厳密に、
③継続すること<結城語録>
であります。
<結城義晴>
【予告】
今週中にこのブログ、
リニューアルとアドレスの移動をします。
乞うご期待。
移動先は、www.yuukiyoshiharu.com です。
ただし、まだ、工事中。