仕事の「お約束」をつくろう
Everybody! Good Monday!
商人の知恵比べの月。
こう位置づけて、スタートした2007年10月。
しかし喧伝されるのは、それに反することばかり。
ミートホープに端を発するかのように、
赤福、比内鶏など、続出。
でも先週、ある地方卸売業の社長に言われた。
「結城先生、
日本の流通業、
いったいどうなるのですか。
こんなに大手の横暴があっては、
私たち生きていけない」
「大手の横暴」
「優越的地位の乱用」
これはいけない。
具体的な事実が上がってきたら、
このブログでも、
問題にしましょう。
しかし自分のことを考えると、
「貧すれば、鈍す」になってはいけない。
「貧すれば、鈍す」
悲しいことです。
恐ろしいことです。
美しい知恵比べと醜い知恵比べ。
美しい知恵は、ジワーッと浮き上がってきて、
真のネットワークをつくっていく。
醜い知恵は、隠そうとしても、必ず、
いつか、表面化する。
隠している時間が長くなればなるほど、
判明したときには重大になる。
食品スーパーマーケットでも、
かねてから、生鮮食品の「リパック」が、
問題視された。
現在はそんなことはないだろうが、
「貧すれば、鈍す」になりかねない。
では、どうするか。
●
お約束することです。
小売業のお店ならば、お客様と。
卸売業や製造業ならば、お取引先と。
その先のお客様と。
社長ならば社員と、
部長ならば部員と。
店長ならば、店舗の仲間と。
アソシエーツと、
コリーグと、
フェローと。
お約束を、考える。
お約束を、箇条書きに文書化する。
お約束を、仲間に知らせ、納得してもらう。
お約束を、繰り返し、声に出す。
別に会社がやらなくとも、
自分の部署でやればいい。
自分がリーダーとなっているところで、
お約束を明文化する。
キャッチフレーズを考えれば、なお、気が利いている。
志を、定める。
志を、公開する。
志を、共有する。
これを、クレドをいう。
マニフェストという。
●
ウォルマートには独特のルールや標語があります。
例えば、有名な「サンダウンルール」
<日が暮れるまでに解決せよ>
そして「10フットルール」
<10フィート以内にお客様が近づかれたら、挨拶しよう>
こんなのもある。
「イート・ワット・ユア・クック」
<自分で調理したものは自分で食べよ>
⇒<自分で始めた仕事は、自分でやり遂げよ>
これらは決して、上の方から、
押し付けられたものではない。
下から、横から、
時には上からも、
湧き上がってきたものです。
サム・ウォルトンは、推奨しました。
“Force ideas to bubble up!”<アイデアを沸き立たせよ>
●
会社の中に、様々な、独特のお約束がある。
それらがすべて、会社の大方針とつながっている。
お約束が、「個」を守る。
お約束を「個」が守る。
お約束が、「全体」を守る。
お約束を「全体」が守る。
社会のルールと同じことです。
憲法と同様です。
私たちは、ルールや法律を守る。
だから私たちは、ルールや法律に守られている。
ここで私がお勧めする、私たちの「お約束」は、
自分でつくることが出来る。
ここがよいところ。
しかしこの「お約束」も、
美しい知恵であることに、
違いありません。
醜い知恵は、ご免です。
Everybody! Good Monday!
「お約束」をつくろう。
<結城義晴>
訃報です。
磯見精祐(いそみ まさすけ)さん。享年76。
経営評論家。㈱商業界『販売革新』『食品商業』常連執筆者。
10月20日午後11時25分、間質性肺炎のため、ご逝去。
通夜は、10月22日(月曜日)午後6~時7時。
告別式は、10月23日(火曜日)午後12時~1時。
喪主 磯見たま子(妻)さん。
通夜と告別式の場所は、長谷寺(鎌倉市長彌3-11-2、電話0467-22-6300)。
私は、故上野光平先生の流通産業研究所時代から、
磯見さんにお世話になりました。
グリーンスタンプ、西友、ユニーと参謀的なお仕事を重ねられ、
その後、経営評論家としてご活躍。
「マス・カスタマイゼーション」の概念や、
『商売十訓』の中の「イノベーション」は
「創意を尊びつつ良いことは真似よ」であることなど、
私は、得がたいご教授を受けました。
心より、ご冥福を祈ります。
合掌。