17日間あめりか漂流記⑦テスコ “fresh&easy”「来た、見た!」
11月8日、カリフォルニア、ロサンゼルス。
イギリス第1位の小売業「テスコ」の、
アメリカ合衆国での最初の店がグランドオープン。
9日、グランドオープンの喧騒が去った日。
私は、ノブ・ミゾグチさんと二人、
このテスコの店「フレッシュ&イージー」を訪れた。
やはり“fresh&easy”と書いたほうが断然、気分いい。
小文字の綴りを採用したところが洒落ている。
ミゾグチさんは、アメリカでの私のパートナー。
ダイエーのバイヤーご出身で、
アメリカの食品と店舗に関する超のつく専門家。
“fresh&easy”は8日、
ロサンゼルスとその近郊に、
一挙に6店をオープンさせた。
私たちは、そのうちの3店を回った。
最初の店は、ロスの中心からも最も近いフリースタンディング。
道路を隔てた反対側に、セブン‐イレブンが出ている。
コンビニエンスな店ということだ。
第二は、中心から東に行ったサバブの近隣型ショッピングセンターの店。
ショッピングセンターの名を「アップランド・ビレッジ」という。
“fresh&easy”の隣に、バラエティストアの「ダラー・ツリー」がある。
ダラー・ツリーは、6300店、63億ドルのバラエティストア第3位。
そして、四つ角の道路の斜め前に、これも近隣型SC。
核店舗はあの「トレーダー・ジョー」
そしてドラッグストアの「ロングス」、
衣料ディスカウントストア「マービンズ」。
第二の店は、郊外の小型スーパーマーケットの役目を果たす店。
第三の店は、オレンジ郡アナハイムのこれも近隣型SCに立地する。
この店は、おそらくバラエティストアの撤退跡に出たもの。
ミゾグチさんの読み。
核店舗が、結果的に“fresh&easy”しかない。
3店ともに、異なる立地への出店。
これ、優れた方針。
テスコは、今年中に30店規模に持っていくことを発表している。
すなわち、さまざまな立地に一挙に出店する。
そして、すぐに300店まで拡大する計画に違いない。
店舗面積は、第一と第二の店が、1万平方フィート、約300坪。
第3は、1万2000平方フィート、360坪。
3店ともに、品揃え、レイアウトともに、
完全に標準化されている。
それでなくては、一挙に6店、2カ月で30店も出すことはできない。
この8日、ロサンゼルスタイムスは、
ビジネス欄で“fresh&easy”を大きく取り上げた。
「トレーダー・ジョーとラルフをブレンドした店」
つまり、トレーダー・ジョーの
①小型
②グロサリーストア
③ヘルス志向
④ディスカウント
この4つの要素を持つ店。
同時に、このエリア地域一番シェアを有するクローガー傘下のラルフ。
オーソドックスで普通の店。
そのブレンド。
最も普通のスーパーマーケットと、
最も個性的な店の間を取って、
上手にポジションをつくったフォーマット。
これがロサンゼルスタイムスの見出しから私が読み取った内容。
実際に店を見ても、妥当な表現か。
小型のグロサリーストア。
もちろん生鮮も乳製品もデリもある。
フルラインのスーパーマーケットではあるが。
グロサリーは、 “fresh&easy”のプライベートブランドが目立つ。
圧倒的に目立つ。
そして、健康志向、環境対応。
これはトレーダー・ジョーのコンセプトに通じる。
さらにトレーダー・ジョー以上の価格競争力。
これに、低投資・低コストを付け加えると、
“fresh&easy”となる。
トレーダー・ジョーとの違いは、
第1に人件費コストが、断然低いこと。
第2に品揃えアイテムを、ぐっと絞り込んでいること。
最大の課題は、
この“fresh&easy”のプライベートブランドが、
この地の顧客から、
本当に受け入れられるかという点にある。
<この“fresh&easy”レポートはまだまだつづく、結城義晴>
0 件のコメント
お疲れ様です。ロスの青い空にFesh&easyのロゴは目立っていますが、健康を意識してグリーンなんでしょうか?(イギリスのテスコを知りません)店内に入りたくなりました。
これからの展開が楽しみです。
17日間のアメリカ漂流記ご苦労様です。これから時差との戦い移動時に身体を休めて後半も頑張ってください。
投稿感謝。
その通り、健康と環境をアピールしています。
ただし、安さも。
棚札のプライスカードに、
ラルフやボンズより、これだけ安い、
と書いてあるアイテムがあります。
今、ポーターハウスステーキを二人で、
食べ終わったところです。
部屋で。
ミスター・ミゾグチはグッド・シェフです。