2008年ペガサス新年度政策セミナーで得た「現場主義と意思疎通」
昨日に引き続いて、ペガサスクラブの政策セミナー。
ご存知、渥美俊一日本リテイリングセンターチーフコンサルタント主催。
なんとペガサスセミナー通算第2456回目。
渥美先生は、今年8月、81歳を迎えられて、
ますます、お元気。
今回も、2日間に、60分講義を6本。
360分、立って話すだけでも、相当の体力。
「化け物級」と私が、称する所以である。
渥美先生の講義は、6カテゴリーに分かれている。
①2007年ビッグストア統計と経営効率分析
②2007年下半期国内チェーン化企業経営傾向批判
③同営業傾向批判
④同店づくり批判
⑤2008年新年度政策提案<経営システム改革対策>
⑥同<2010年代対策としての新5カ年計画提案>
これ以外に今回、私が、良いレポートと思ったのは、実態調査の提案。
「品揃え現場実態調査」(桜井多恵子さん)
「客層実態調査」(梅村美由紀さん)
「流通業労務実態調査」(宮本田鶴子さん)
現場主義、実証主義。
これ、とても大切なこと。
ただし「現場主義」に対しても、渥美先生の解説がある。
「現場主義といっても、
現場にいる人の意見を聞くことに限定してはならない。
現場で、
①実物を見て、触って、読み取って、
②当事者に会って、
③質問して、答えを得てから、
検討すること」
「現場調査は、科学的思考・手順としては、「分析」段階である。
この後に「判断」と「実験」の順序を踏むべきである。
そして、技術的に難しいのは、現場の人とのコミュニケーションである」
そう、こうして、[結城義晴のBlog毎日更新宣言]は、
3日連続コミュニケーション論議となる。
Retail is Detail.
小売りの神は、現場に宿る。
ご存知、ウォルマートの合言葉。
このとき、サム・ウォルトンが言い続けた「小さく考える6つの方法」の、
<Communicate, Communicate, Communicate>
「意思疎通せよ!意思疎通せよ!意思疎通せよ!」
これが不可欠となる。
そして、コミュニケーションには4つの指摘がある。
①コミュニケーションは受け手の言葉を使わねば、成立しない。
あるいは、言葉の意味を、説明した上で、
コミュニケートしなければ、成立しない。
②人間は期待しているものしか、受け付けない。
読んでも、聞いても、自分が期待していたもの、
あるいは期待の延長線上で、期待を超えるものしか受け入れてもらえない。
③コミュニケーションは受け手に、何かを要求する。
したがって、受け手の価値観や要求と合致しない限り、
受け付けてもらえない。
抵抗にあうこともしばしばである。
④コミュニケーションの内容、中身は、
あらかじめ受け手との間に、何らかの了解がなければ、
受け入れてもらえない。
渥美先生の言う「技術的に難しい」のは、
ドラッカー先生の指摘したこの4点なのである。
ゴールドマン・サックス証券㈱諸江幸祐さんとも友好を深めた。
諸江さんは現在、戦略投資部マネージング・ディレクターとして活躍中。
ペガサスの政策セミナーでは、
多くのチェーンストアトップとお会いできる。
それが、私にとって、本当に有難い。
しかし740人も集まると、張り出された名簿で、
参加されていることは分かるが、
遭遇することが出来ないこともある。
吉野家D&C社長の安倍修仁さんには、
どういうわけか会えなかった。
平和堂社長・夏原平和さんには、
何度もお会いした。
ご長男を紹介していただいた。
多分、みんな、行動ルートが一緒で、
私のルートとかみ合う人、かみ合わない人がいるのだろう。
だから、同じ道ばかり歩いてはいけない。
これもコミュニケーションの、一つの重要な要素である。
<結城義晴>