「川上インフレ・川下デフレ」で小売業には厳しい一年になる
いよいよ、明日。
今年最初のセミナー、今年最初の講演です。
おいでくださる皆様。
楽しみにしています。
残念ながら、お会いできない皆様、
ブログで、その一端を、ご紹介します。
お楽しみに。
さて、アメリカのノブ・ミゾグチさんからの
ウィークリー・ニュース最新版。
12月のウォルマートの売上高は、
既存店ベースで2.7%増だったとか。
全体では8.4%増。
食品が大きく寄与しました。
ウォルマート・グループのメンバーシップホールセールクラブ
「サムズ・クラブ」も既存店ベースで3.4%増。
アメリカでは、ディスカウントフォーマットが、
強みを発揮したようです。
ウォルマートは健闘した方です。
同業のターゲットは、既存店でマイナス5.0%。
百貨店のメーシーズは、7.9%の減、
JCペニーもマイナス7.5%。
衣料品屋はみな悪い。
リミテッドが8.0%減、
ギャップが6.0%減。
今、大人気のアバクロですら、2.0%減。
一方、オフプライスストアのTJマックスは3.0%増。
家電のベストバイも1.5%。
サブプライムローン問題と原油値上げで、
アメリカ経済は縮小傾向です。
これに12月商戦が反応し、
消費も停滞傾向。
それが、年末商戦に出た。
消費者の財布のひもが固くなると、
食品が頑張る、
ディスカウント・フォーマットが堅調になる、
アパレル・ファッションが売れなくなる。
これが、アメリカの12月に顕著に表れた。
消費マインドが低調になると、
日本でも同様のトレンドが見られます。
そして、日本にも、その兆候が表れ始めています。
しかし、21世紀を迎えてから、
世界経済は毎年3.5%ずつ伸びています。
世界経済の7年間の年間平均成長率です。
中国・台湾・シンガポール・香港の大中華圏経済は、
好調そのもの。
日本の実質経済成長率は、
2008年2.0%とやや楽観的に予測されていますが、
暦年では、以下のようになります。
2001年 0.2%、
2002年 0.3%
2003年 1.4%
2004年 2.7%
2005年 1.9%
2006年 2.2%
2007年 1.4%
あくまでも感じですが、2.0%に達するというよりも、
1.5%に近づくというのが当たっているのでしょう。
しかも、もっとも顕著な日本の特徴は、
「川上インフレ・川下デフレ」です。
従って小売業全般の売上高は低調で、
原価は上がり、経費は増える。
すなわち、商業受難の年となる。
だから、今、プライベートブランド開発が盛んに言われている。
そしてそれには、「ソーシング活動」が必要になると言われている。
素材型企業が復権しているわけだから、
素材開発にかかわらねば、
「川上インフレ・川下デフレ」の影響を、
ダイレクトに受けてしまう。
こういうことになります。
小さな企業や小さな店でも、
共同でことに当たれば、
この「ソーシング活動」が可能になります。
国際的なIT化と物流化とは、
適正ロットでの適正物流・適正消費が、
国の垣根を外す形で、
可能になるということ
なのです。
世界に目を向けましょう。
誰でも、世界に目を向けることはできるのです。
自分が変わらなければ、
世界に目を向けることはできませんが。
<結城義晴>