「情報を集め、読み、伝える」ウォルマート ケビン・ターナーの場合
Everyone! Good Saturday!
組織には、「情報」の専門家が必要である。情報を集め、
情報を読み、
情報を伝える。
集め、読み、伝える。
収集し、
整理・分析・加工し、
伝達する。
その仕組みをつくり、
維持する。
総体的に、網羅的に、広範に、情報を収集し、
それを細かく仕分け・整理し、再構成し、内容を分析し、加工する。
そこに戦略という意思を盛り込む。
そして階層に応じて、的確に、スピーディに、伝達する。
そのシステムを構築し、
メンテナンスする。
小さな組織の場合、
たいていその役は、リーダーが担う。
「情報」の専門家がリーダーになる、といえるほどだ。
組織が少しずつ大きくなってくると、
「情報の専門家」はトップの懐刀だったり、
補佐役だったりする。
巨大な組織では、専門の部署を設ける。
大きな会社になると、情報担当取締役を置く。
けしてコンピュータ屋ではない。
むしろ戦略屋である。
ウォルマートには、CIOというポジションがある。
Chief Information Officerの略。
現在は、ローリン・フォードという人物がその地位にある。
ウォルマートの歴史の上で、有名なCIOは、
ケビン・ターナー。
私の『販売革新』編集長時代。
「全篇まるまるウォルマート」という特集号をつくったときのCIO。
そのターナーの最も有名な言葉。
「私たちは、
世界最大の会社を、
つくろうとはしていない。
地域の1店1店を、
最良の店にしようとしているだけである」
ターナーは、レジ係のアルバイトとしてウォルマートに入社。
1985年、イーストセントラル大学在学中であったという。
最初は店舗で、様々な仕事に従事し、
カスタマー・サービス・マネジャーなど経験。
本部に移り、ビジネス・アナリスト。
さらにストラテジー・マネジャーなどで飛び切りの実績をあげ、
ウォルマートの歴史上、最年少の取締役に就任。
肩書きは、アプリケーション開発担当。
何と29歳であった。
その後、西暦2000年、シニア・バイスプレジデント兼CIOに就任、
ウォルマートの情報戦略をイノベートし、リードした。
2002年、サムズ・クラブの社長兼CEOの地位に着き、
トップマネジメントを経験し、
そして2005年9月マイクロソフトのCOOに引き抜かれた。
ケビン・ターナーの持論。
まず「アソシエートやチームと上手に協力し合うこと」
「“成功”の定義を明確化し、
それを全員共通の達成目標として設定した」
目標管理である。
「チームでは規律を重視した」
情報を扱うからこそ、規律が大事だというのである。
その規律の内容は、
第1にカスタマー・サービスを徹底すること。
第2に、テストと検証を徹底すること。
第3に、バランスとコントロールを徹底すること。
どの部門にも必要なことだが、
「徹底」こそ情報部門に欠かせない。
そして第4に、
リターン・オン・インベストメント(ROI:投資回収率)の追求。
情報担当といいながら、経営者そのものの視点だ。
その上で、
「店舗や商品部、物流部門などとの間に良好な関係を築くこと」
「ITとビジネス現場の関係をつなぐこと」
「会社や業務の実態を役員レベルの視野で深く理解すること」
情報は、仕事の達成のためにある。
だから階層に応じて、情報は、
的確に、迅速に、もれなく、伝達されねばならない。
「CIOは、ITシステムを通して、
企業の業務を幅広い視点から観察できる立場にある」
ケビン・ターナーの言葉は、
情報時代に生きる私たち全員に、
鋭い行動提起をしている。
情報を集め、
情報を読み、
情報を伝える。
さあ週末。もう一息。
Everyone! Good Saturday!
私たちの会社発足まで、あと6日。
<結城義晴>
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結城先生の会社発足を待ちわびていました。
どのような社名なのでしょう。
本当に、楽しみです。
ありがとうございます。
楽しみにしてください。
普通であって普通でない。
古いようで新しい。
最近は、「オクシモロン」という二律背反の、
言葉ばかり考えています。
私たちの社名がそうなるかどうかは分かりませんが、
考えることばかりです。