小麦3度目の値上げ⇒「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」
私のパソコン、ハードディスクに障害が発生した。
本当に困った。
しかも今日から、石川県に出張。
単行本の締め切りが過ぎようとしている。
雑誌の締め切りも、待ってもらっている。
来週まで、立て続けに講演が3本。
4月17日の「商人舎発足の会」の準備も、
ピークを迎えている。
それらを済ませてから、3月22日、入院。
24日手術。
しかし、こんな状況でも、私は、
何とかなると思っている。
自分の力だけではない。
みんなの力を合わせて、
やれることだけやる。
ここまでもってくれば、
あとは本当に何とかなる。
さて、食品の原材料・小麦の3度目の値上げが、
日清製粉から発表された。
昨2007年の5月、11月に続いて、4月25日から。
これによって、小麦を原料とするコンシューマー商品が、
次々に値上げされる。
それでいて、消費者の感覚は、
値上げされると生活が苦しくなる。
だからそれを声に出す。
大手新聞やテレビなどのマスコミが、それを煽る。
そこで出てくる現象。
「川上インフレ・川下デフレ」
川上とは、製造業・生産地。
川下とは、小売業。
川中は、卸売業。
製造業は、インフレで、小麦は3度の値上げ。
小売業は、消費者・マスコミの声に煽られてデフレ。
それが「川上インフレ・川下デフレ」
そこで、この要請に真っ向から応えるのが、
「消費者代位機能」である、
それが本物の商人の仕事である、
という論理が出てくる。
これはこれで、正論だろう。
しかし、私は、「川下デフレ」は、
コモディティグッズの分野において、
大きな影響がもたらされると考えている。
コモディティは、消耗品で、毎日使うもので、
しかも価格が安いことに価値を有する商品だからである。
ガソリンなど、コモディティの典型である。
ノンコモディティグッズは、
川下の値上げが、
顧客によって許容される商品群である。
「価格=価値」ではない。
価値とは、価格と同列に並べて語られるものではない。
原材料が値上がりしたとき、
その原材料を使ってつくられる新しい価値が高まれば、
新しい価値には、新しい価格がつく。
新しい価値が生み出せない商品は、
原材料が上がるままに、価格が上がる。
「川上インフレ・川下インフレ」
しかしそれは消費者に許されない。
そんな商品は、「川下デフレ」に甘んじなければならない。
だから、俯瞰すると、こうなる。
「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」
大半の小売業の生きる道は、
従って、「ノンコモディティの経営戦略」となる。
ごく限られた、選ばれた小売企業が、
「川上インフレ・川下[コモディティ]デフレ」と、
消費者代位機能を果たしつつ、奮闘することとなる。
私は、どちらにもエールを送るものである。
<結城義晴>