結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年06月21日(土曜日)

アイダスグループ25周年を記念して頂いた「マイ箸」とコンビニCO2排出量削減のこと

親友・鈴木國朗さんの会社㈱アイダスグループが、
目出度く25周年を迎える。

昨20日は東京・お台場で、その鈴木さん、
そしてコンビニの専門家・小森勝さん、
電通消費者研究センターの土井弘さんと研究会。

アイダスグループは、
1984年2月の創業だから、私の『食品商業』編集記者時代。
スーパーマーケットのマーチャンダイジングとプロモーションが専門。
経営戦略、販売政策、商品政策、店舗レイアウトと棚割計画、
そして販売員のサービレベルアップの指導に関しては、日本有数。
メーカー、ベンダーへのコンサルティングも多い。

さてそのアイダスグループ25周年の記念品を頂戴した。
「マイ箸」
マイ箸1
左が男性用、右が女性用。

「携帯箸」と商品説明書には書いてある。

袋を開けると、写真の二本に分かれた箸が出てくる。
白鉄刀木(しろたがやきん)という堅い木が使われ、
生漆を何度も塗ってはふき取るという工程で仕上げられている。
マイ箸2

ネジでつなぐと、長めの、手になじむマイ箸となる。
マイ箸3
これを持ち歩いて、食堂やレストランでの外食のときに使う。
すると「割り箸を使わない」という環境配慮になる。

それこそ鈴木さんの配慮が染み込んだ記念品。

ありがたい。

最近、鈴木さんは、大好きな車にも乗らなくなった。
歩き、自転車、公共交通機関を使う。
タバコも止めた。

マイクロソフトのビル・ゲイツが、
正式に第一線から引退して、
慈善事業に軸足を移すという。
個人資産6兆円のほとんどを、
ビル&メリンダ・ゲイツ財団に寄付をして、
最貧層の人々の健康を脅かす問題の解決に邁進する。

鈴木さんは、ビル・ゲイツの一つ下。
ゲイツ世代だが、
そんな感慨もあるのだろうか。

さて、そんな20日、
日本フランチャイズチェーン協会が、記者会見。
会長の土方清さん(サークルKサンクス会長)らは語った。
「コンビニエンスストアが、
深夜営業を減らしても、
二酸化炭素の削減効果は小さい」

「全国のコンビニ約4万2000店が、
営業時間を7時から23時に短縮しても、
削減できる排出量は現在の4%程度にとどまり、
国全体の二酸化炭素排出量の0.009%にしかならない」

私はこの発言、朝日新聞で読んで、残念に思った。
土方さんご自身のことを言うのではないから、誤解のないように。

コンビニ業界全体に、
自分たちが悪者にされているという負い目が強すぎる。
だから0.009%などという。

いっそのこと「コンビ二は社会的必要悪です」くらいのこと、
言ってもよい。

「だが日本の社会のなかで、
コンビニはこれだけ大きな貢献をしている。
世の中を便利にしている。
そして今のところ、これくらいしか削減効果はないが、
先頭を切って、環境問題に努力する。
その決意である。
例えば、コンビニは最も近隣型の小売業であるから、
まず徒歩と自転車でのお客様を優先する。
お客様に徒歩と自転車来店を積極的に呼びかける。
それが二酸化炭素削減に寄与することになる」

 

このくらいの大見得の切り方があってよかった。

「目の前のゴミを、
私がここでひとつ拾うことで、
地球上から確実にゴミがひとつ減る。
そう思って、ゴミを拾う」

アイダスグループの「マイ箸」、
ビル・ゲイツの6兆円の慈善事業。
そしてコンビニのCO2削減。
姿勢という意味で、みんなつながっている。

<結城義晴>

 


0 件のコメント

  • 僕も、大好きな車に乗る回数が減りました。環境保護というょりゎ、ぉ財布保護ですが…(笑)

    ゥチ一軒だけが、節水、節電、節約してもたかがしれてるけど。

    それでも、やる。
    やれる事をやる。
    続けてやる。

    それで、周りも変わる。

    「自ら変われ!」

    ですね。

  •  私も非常に残念に思いました。コンビニがでは無く、あらゆる全ての排出要因に対して『見直し』を迫られている状況なのにも関わらずです。
     『売れればいいんだ』とも取られかねない傲慢な姿勢も見え隠れしてしまいました。
     『地域との共生』『環境との共生』が産業界全体での進めるべく最優先課題のはずなのに…。

  • >「コンビニエンスストアが、深夜営業を減らしても、
    二酸化炭素の削減効果は小さい」

    「全国のコンビニ約4万2000店が、
    営業時間を7時から23時に短縮しても、
    削減できる排出量は現在の4%程度にとどまり、
    国全体の二酸化炭素排出量の0.009%にしかならない」

    私はこの発言すごく情けないと思います。
    言いたいことは十分わかりますが

    それなら

    自分ひとりが環境を考えても意味が無い。
    政治家が悪い!国が悪い!大人たちが悪い!
    だから俺は車のエンジンをガンガン吹かしまくるんだ!
    と言っている暴走族となんら変わらないと思います。

    私たちサトーカメラ全社あげても
    0,00000000000001%も満たないですが
    18店舗全店店内のエアコン温度2度上げ
    制服のカメラマンベストを脱いで
    全アソシエイトはポロシャツ1枚になります。

    毎日の天候によって明るさが変わるので
    看板は毎日目視で日の暮れるころ手動で
    スイッチを入れています。

    自分たちのできることから
    アソシエイト達もみんなで
    少しでも改善に努めています。

    もちろん、これからもズーっと。

    ヨロシク

  •    ナンバさん、その通りです。
       「自分が変らなければ社会を変えることは出来ない」
       自分の行動は、他の行動を引き起こし、
       それがまた、他の行動につながる。
       そのための第一歩を、
       常に前向きに記すべきだと思います。
       

  •    ゴトさま、ありがとうございます。
       「共生」こそ、21世紀の基幹テーマです。
       だからいつも、業界内だけではなく、
       広く、外に向けた視点を持たねばなりません。
       

  •    佐藤勝人さま、いつもありがとうございます。
       サトーカメラのアソシエイトの皆さんのその姿勢、
       目に浮かんできます。良いですね。
       商売は、どんなときにも、
       自分たちが出来ることを、
       自分たちが出来るところから、です。
       その一つ一つが、商売そのものです。
       環境問題も、エネルギー問題も、
       草の根運動で取り組まねばならないところが、
       21世紀的であり、しかも商売的です。
       それが「21世紀が商業の時代だ」と、
       考えられる所以です。
       1店1店、1品1品というところが、
       環境問題と商業問題の共通項です。

  • 立教大学ビジネススクールのFuwawaです。

    コンビニの環境問題については、営業時間の短縮よりも優先的に片付けるべき問題が沢山あると思います。

    例えば3000種類を越える展示商品の約70%が毎年入れ替わる新商品開発競争は、環境にどれだけの負荷を与えているのか?

    また売れ残った弁当の処分もそうですね。。。

    私は23時以降スイッチを切れば二酸化炭素排出削減に貢献するといった議論より、セブンイレブンの鈴木敏文会長が物流、販売、教育制度改革など、それまで支配していた常識を打ち破る数多くのイノベーションを確立してコンビニの社会的地位を築いてきたわけですから、その流れを引き継ぎ環境問題についてもその視座で議論すべきであると思っています。

    >目の前のゴミを拾う…
    私は目の前のゴミがなぜできてしまったのか?を追求し、
    そのゴミを取扱わないコンビニに魅力を感じます。

    生意気なようですが、結城先生も講義を履修し、こうした考えができるようになりました。感謝しております。

  • 先ほどのコメント、1箇所訂正させてください。

    最終行
    >生意気なようですが、結城先生も講義を履修し、こうした考えができるようになりました。感謝しております。

    これを
    生意気なようですが、結城先生の講義を履修し、こうした考えができるようになりました。感謝しております。

    「結城先生も」ではなく「結城先生の」です。

    お詫びして訂正いたします(冷や汗)

  •  言える事は『人類は、地球上に生かされていること』なんですね。地球上にある全ての生物の拡大にはすべて限界が存在します。(海洋生物学上においても当たり前のこと)
     であれば…。限りある中で『減らす⇒やめる⇒差し替える』の流れは検討すべき課題になっているんじゃないでしょうか?コンビニのロス問題が解決すればもっと『安価な』商品が供給できませんか?そういった基本課題にもっと真摯に目を向けなければいけないんでは無いでしょうか?私は消費者視点で見ることを常に心がけていますが、『オーバーストア』でもあり必然的に『高コスト』が当たり前になってきている部分も見受けます。最低限、業界競争=顧客満足の集積+提供者の知恵 であって欲しいと思います。ドミナントは2の次であるべきであって欲しいですね

  •    Fuwawaさま、一度ゆっくりお話したいですね。
       ご投稿感謝します。
       投稿者が自分で投稿文を訂正できるような仕組みが、
       ありますので、それを検討します。ごめんなさい。
       さてコンビニに関して、商品の改廃の激しさと、
       ゴミの問題は、おそらく最大課題として、
       研究中であろうと思われます。
       そこで、セブン&アイ・ホールディングスは、
       千葉県・富里に農業生産法人をつくりました。
       イトーヨーカ堂亀井淳社長が、自ら、
       社長を兼務して、ゴミ処理を含めたの循環型農業を
       展開しようとしています。
       ただし、これも小さな一歩なのかもしれません。
       それでも、一歩踏み出そうとしていることは、
       率直に評価できるものです。
        
       私は、二酸化炭素排出削減に直結する問題として、
       車客のことを提案したらどうか、と、
       ひとつのたとえ話を出したのですが、
       Fuwawaさんの言うとおり、
       鈴木敏文さんをはじめとするセブン&アイの、
       イノベーション・パワーのベクトルを、
       この問題に振り向けてもらうことが、
       一番重要なポイントなんだと思います。

  •    ヒロセさま、ありがとうございます。
       21世紀の私たちの世界は、オクシモロンの問題に、
       直面しています。
       二律背反の課題。
       「減らす、やめる、差し替える」
       良いですね。
       「節約、倹約。もったいない」が、
       我が商人舎が発する今月の標語ですが、
       これも「今月の」ではなく、
       「永遠の」スローガンなのかもしれません。
       コンビニのロス問題だけではなく、
       スーパーマーケットや外食レストランのロスとゴミ、
       家庭や職場、工場のロスとゴミ、
       すべてにかかわってきます。
       「経済学は哲学」と、
       Fuwawaさんのブログに書いてありましたが、
       まさに哲学が問われています。
       消費者視点は常に大切です。
       「業界競争=顧客満足の集積+提供者の知恵」
       これもあるべき考え方ですが、
       「ブルーオーシャン戦略」では、
       業界競争を逸脱した「青い海」を目指せ、
       と主張します。
       環境問題やゴミ問題の解決を果たした小売業モデルが
       できるとしたら、それは確かに
       「ブルーオーシャン」でしょう。
       この時にも、オクシモロンの問題解決は、
       不可欠です。

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