結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年07月12日(土曜日)

[昨日の続き]コモディティ⇒工業型・買い手市場型、ノンコモディティ⇒農業型&情報型・売り手市場型という考察

今月の商人舎標語。
「Save Money! Live Better!」

Aiways Low Priceの次に考え出された
ウォルマートのキャッチフレーズ。
それを商人舎7月の標語に拝借しました。
「金を惜しんで、楽しく生きよ!」
お客様の今日の気分で翻訳すると、こんな感じになる。

仕事する側から考えると、
「節約しつつ、成果を上げよ!」
こんな感じにも、受け取ることが出来る。

販促をしようとすると、経費を使いたがる輩がいる。
新しい事業を考えよと命じると、調査費を要求する。

組織が官僚化すると、
そんな人間が増えてくる。

金を使わずとも、仕事は出来る。
経費を上手に切り盛りするだけでも、新しい試みは出来る。

それが、「Save Money! Live Better!」から、
連想されることだ。

さて、くり返しになるが、
コーネル大学リテールマネジメント・プログラム応募要項
応募の意思がある人は、
これも早めに、記入して、事務局に送ってください。
よろしくお願いします。

さて、一昨日のパネルディスカッションで、
付け加えておかねばならないこと。
日本スーパーマーケット協会総会後の正副会長討論会。
s
エコス会長平富郎さんの言葉。
「機械でつくるもの」
これはそのまま、「コモディティ」を意味する。
ヤオコー会長川野幸夫さんや私が言うことと同意。
素晴らしい。
私は、これを「工業型商品」と称している。

平さんは、対極にあるもうひとつの概念を披瀝した。
「水と太陽でつくるもの」
私は、コーディネーターとしてつけ加えた。
「水と太陽と土と人とでつくるもの」
これは、ノンコモディティの「農業型商品」である。

3年ほど前まで私は、
農業型商品を「コモディティ」に入れて、分類していた。

しかし現在は、訂正して、改めている。

工業型商品だけが、コモディティである。

だから、パネルディスカッションで、
平さんと川野さんが指摘した生鮮食品や惣菜は、
ノンコモディティの典型である。

ただし、生鮮にも惣菜にも、
機械でつくるものは、ある。

一般的な、カイワレやモヤシなどは、工業型であるし、
ブロイラーも工業型のコモディティである。
アメリカの牛肉産業の量産品は、
完全にコモディティである。

生鮮食品にも、コモディティはあるのだ。

惣菜も、工場で、量産される商品は、コモディティである。

コモディティとは、
市場にも家庭にも、溢れているもの。
マーケットで飽和しているもの。

しかしそれでも、消耗したり、
使い切られたり、
磨耗したりするもの。

だからまた、生活の上でも補充しなければならないもの。

それがコモディティである。

コモディティは、従って、
事業として考えると、
「1品当たりでは旨味が少ない商品群」となる。
だから量を扱わねば、利益が出にくい商品である。

それが、コモディティであり、
「工業型商品群」である。

しかし「機械でつくるもの」でも、
新しいコンセプトで、
新しい機能や新しい用途を提案する商品がある。
人が、その知識と知恵でつくるもの。
これはノンコモディティである。

ノンコモディティは、売り手市場を形成する。
これを私は、「情報型商品」と呼ぶ。

総整理すると、以下のようになる。

コモディティは、
買い手市場の商品。
工業型商品。
利幅の少ない商品。
市場全体で、低価格志向となる。

ノンコモディティは、
売り手市場の商品。
農業型商品と
情報型商品。
比較的利幅の大きな商品。
店ごとに、値ごろ志向となる。

だから、こうなる。
機械でつくるもの
⇒コモディティ

水と太陽と土でつくるもの、
および人がつくるもの
⇒ノンコモディティ

いかがだろうか。
太田さんにも、
分かってもらえただろうか。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 結城さん
     お久しぶりです。
     今年1月から20組以上のアテンド、NYC, Dallas, Austin, DC, SF, LA, Las Vegas を複数回以上店を案内、商品の説明で過ごしました。 最近気になること結城さんの言動がどうも生活者から離れて経営者からの見方になって言葉遊びになっています。 私みたいに現場からスタートし店長経験し更に生活者として米国のスーパーマーケットでほぼ毎日買物するものにとって段々結城さんが離れて行っている様で悲しい気がします。 大学も、小売業も消費者から離れてはいけません。 コンド皆さんに尋ねてください。
     あなたは先週何日買物に行きましたかと。 結城さんも含めて。

    失礼なこと書きましたが皆さん生活者から離れてきてますよ。

    Nobu Mizoguchi

  •    Mizoguchiさま、ありがとうございます。
       現場第一、忘れてはいけませんね。
       生活者としての現場、実務家としての現場、
       ものを考える人間としての現場。
       どれも大切にしたいと思っています。
       生活者、すなわちお客様の視点が薄くなり、
       経営者、すなわち販売者の視点に傾くと、
       顧客離れとなってしまいます。
       危険なことで、本当に自戒せねばなりません。
       ご忠告、ありがとうございます。
     
       「コモディティとノンコモディティ」
       今、最も重要な概念であると思っています。
       いかに、わかりやすく説明するか。
       いつも考えています。
       それが言葉遊びのように、感じられたら、
       やはりまだ、説明のし方として、
       完成されていないのでしょう。

       渥美俊一先生と議論しているとき、
       スーパーマーケットに必要な「品質」を、
       どう表現するかという話になったことがあります。
       先生は、「適切な品質」という言葉を使われます。
       「良い品質」とすると、個人差があり過ぎて、
       実務家のコミュニケーションには適さないのです。
       「適切な」となると、どんな状況に適切なのか、
       何の目的に対して適切なのか、 
       そんな条件が必要になり、
       自然にそれを突き詰める態度になってくる。
       だから「適切な」と表現するのだそうです。

       私はもともと、ジャーナリストで、
       言葉を、武器に生きてきました。
       これからも言葉を大切にしたいと考えています。 
       だから英語のキーワードなどは、特に、
       いかに上手に日本語にして、
       日本の商業者に説明するかは、       
       私の大事な仕事だと思っています。
       その言葉を、現場主義で、
       解説しなければならないことは、
       やはり絶対に忘れてはならないのだと思います。
       
       

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