食品メーカーの決算に明と暗⇒コモディティの値ごろをつかみ、ホームミール需要に応えよ
北京オリンピック、いよいよ開幕。
中国4千年の悠久の歴史を絵巻にした開会式は、
中華人民共和国の大プロモーション。
世界に、中国を知らしめた。
それにしても凄い花火。
中国の物量作戦主義が、よく表れていた。
最近は、「中国、中国」と言い慣れてきたが、
正式名称は「中華人民共和国」である。
「People’s Republic of China」
1949年に中国共産党によって建国された社会主義国家。
開会式の悠久の絵巻には、そのことは触れられていなかった。
地球環境に対する問題意識も表現されていたが、
エコロジーは自ら率先しなければ、表現の説得力は出ない。
朝日新聞も、日経新聞、読売新聞も、
天声人語、春秋、編集手帳の巻頭コラムでは、
戒厳下の開催を「皮肉まじり」の論調で伝えるが、
若者のスポーツ祭典自体は、無批判に露出する。
朝日、読売は、この間、完全にスポーツ新聞と化す。
私たちは、スポーツのエネルギーを感じ取りつつ、
「People’s Republic of China」という国で、
2008年に、壮大なオリンピックが開催されていることを、
考え続けておかねばならない。
そして自分たちの国、日本国についても、
考え続けねばならない。
さて、お盆商戦は今日からと心得るべし。
そのためには?
そう。
「失敗を恐れない!」
商人舎、今月の標語。
この標語は、
オリンピックに出場しているアスリートたちにも、
共通するマインドである。
「失敗を恐れない!」
オリンピック選手と同様の気分で、
オリンピック選手と同様の誇りを持って、
仕事に臨みたい。
勇気が出てくるというものだ。
と/ころで、
食品メーカーの中間決算、第一四半期決算。
本日付日経新聞で触れている。
「決算に明暗」と。
①プライベートブランドを、
積極化したメーカーは、好調。
オノエンホールディングスは、
チューハイのプライベートブランドが好調で、
中間決算の前年同期比売上高はなんと2.1倍。
これは「プライベートブランド」というよりも、
メーカーが製品を提供し、
小売業はラベルを自社仕様にする商品。
すなわち欧米で言うところの「プライベートレーベル」である。
プライベートレーベルを主導的に提案することで、
業績を伸ばしているメーカーは、現在、多い。
②コモディティ・グッズに、
値ごろで対応したメーカーも好調。
山崎製パンは昨年から二度の値上げを敢行したものの、
ハーフサイズにして容量を抑えて、値ごろ感をつくった。
日清食品は100円前後のチキンラーメンなどが貢献。
サントリーは値上げしないことで、サッポロビールを追い抜いた。
③「ホームミール需要」に、
応えた商品を持つメーカーも好調。
永谷園のお茶漬けは20%増、
ハウスのカレールーも売れた。
④コモディティでも、
値上げのタイミングをはずしたメーカーは不調。
メーカーにとって、今こそ、
コモディティとノンコモディティの、
見極めが大事になってきた。
そしてノンコモディティだと思っていた自社ブランドが、
この間の、値上げ潮流と不況マインドのなかで、
いつの間にかコモディティに変っていることにも、
気づかねばならない。
だから以前の意識で値上げすると、売れなくなる。
値上げが悪いわけではない。
値上げの仕方がよくないのだ。
これは、小売業にも言えること。
昨日のこと。
スーパーアルプス社長の松本清さんが言った。
「私たちの役割は、
良い商品をご提供し続けることですが、
それでも値上げの潮流の中で、
地域で一番最後に、
値上げする努力が必要です。
我慢比べですが」
コモディティの値ごろとホームミール需要。
スーパーマーケットという商売を考えると、
本来もっていた大衆性を、失敗を恐れずに、
いかに堅持するかにかかっている。
今月はとにかく、これだ。
「失敗を恐れない!」
<結城義晴>