結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年09月30日(火曜日)

西友支配人・故上野光平さんの「だからの論理」と「にもかかわらずの論理」

ウォルマートが、6年連続最終赤字の西友に、
また決断を下した。

20店の老朽店舗の閉鎖。
350人の早期退職による人員リストラ。

その西友が「東の雄」だったころのこと。

西友ストアー支配人の上野光平さんは、
社内通信に、「今月の言葉」という巻頭文を連載していた。

その中のひとつ。
「だからの論理」の話。

人間は「自分を一番よく知っているのは自分だ」と思っている。
しかし、その逆のことが多い。
「あなたをよく知っていないのはあなたですよ」
こう言ってやらねばならないことが非常に多い、
と上野さんは書く。

自分を客観的に見ることは、難しい。
いわゆる「自己誤解」。
これは、自分の行動を、
自分以外の他のものに原因づける論理によって生じる。
これを上野さんは「だからの論理」という。

すべてを「……だから」で説明して、自分自身を納得させ、
ごまかし、本当の自分の願いを分からなくさせ、
幸せへの途を閉ざしてしまう。

「だからの論理」による自己欺瞞から自己を解放し、
自分の人間らしい幸福をはっきりと見定めるためには、
「にもかかわらずの論理」が唯一の武器だ、という。

「だから」を
「にもかかわらず」に
置き換えてみよ。

上野さんは、こう問いかける。

「景気が悪い。だから、売り上げが上がらない」
これを、置き換える。
「景気が悪い。にもかかわらず」と置き換えると、
「利益は確保できた」となる。

「にもかかわらず」に置き換えると、
そこにはまったく新しい人間像が現れる。

上野さんは、最後に言う。
「人間は、
『にもかかわらずの論理』によってのみ、
人間としての自分を正しく理解できるのであり、
人間としての幸せを得ることができるのです」

「だからの論理」と「にもかかわらずの論理」。

今の西友では、どちらが勝っているのだろう。

さて、昨日は朝から横浜商人舎オフィス。
ニラク人資部統括マネジャー末次秀行さん、来社。

春のUSA研修会に参加してくださった商人舎ファミリー。
PCSA人事部会の改革など、様々な相談。
アイデアがどんどん湧いてくる。
いい感じ。

昼過ぎ、西新宿の伊藤園本社へ。
『食品商業』誌の「夏の大陳コンテスト」審査委員会。
このコンテスト、日本最大・最高のレベルと規模を誇る。
今回は8684店の参加。

企業賞のグランプリは賞金300万円。
店舗賞のグランプリは200万円。

審査の真剣度も、当然ながら、アップする。
審査委員は、
伊藤園代表取締役副社長・本庄大介さん、
同副社長・江島祥仁さん(写真左)、
常務取締役・本庄周介さん(写真右)、
そして『食品商業』編集長・山本恭広さんと私。
伊藤園2

今回は、ダノンウォーターズオブジャパン(株)社長が加わった。
ホール・リチャードさん(写真中央)。
伊藤園1
ダノンの日本支社は、エヴィアンとボルビックの会社。

伊藤園の商品ラインナップにエヴィアンが加わった。
それによって、ディスプレーも大きく幅をもった。

当然のように、プレゼンテーションは技術が向上した。

300万円獲得の企業さん、
ここでは書きたいのは山々なれど、書けない。
しかしおめでとう。
200万円獲得の店舗賞の皆さんも、おめでとう。

いい作品でした。

伊藤園本社を後に、横浜にとって返して、
深夜まで、コーネル大学RMPジャパンのシラバス作製。

シラバスとは、講義要綱をまとめたもの。

シラバスづくりも、久しぶりに雑誌づくりの現場を思い出し、
殺気立ってはいるものの、充実感あり。

何事も、根をつめて仕事するのは、楽しいこと。
付き合ってくれたみなさんに感謝。

良い学校をつくります。
日本初の業界内大学です。

明日から、10月。

とうとう、コーネルのスタートにこぎつけた。
「にもかかわらずの論理」によって。

上野さん、ありがとうございます。

<結城義晴>


2 件のコメント

  • おはようございます。「にもかかわらずの倫理」すばらしいですね。「だから」と責任を回避してしまう。「自己責任」 心の持ち方、考え方で結果も変わっていくのでしょうね。ありがとうございます。

  •    前田さん、おはようございます。
       上野さんは、この「にもかかわらずの論理」を、
       昭和43年に考え出して、書いています。
       今から、40年前。
       上野さんが、40代中ごろのことでした。
       ダイエー創業者の中内さんも、同年代。
       イオンの岡田卓也さんは少し年下。
       日本の小売業界に、エネルギーがあって、
       ビジョンとロマンを模索していました。
       そこから「にもかかわらずの論理」生まれました。

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