ウォルマートのボリューム陳列列伝「スピーディな5セントは、スローな1ドルより儲かる」
ウォルマートは進化している。
貨幣経済危機の時、
実体経済にも大きく影響が出ている。
しかし、ウォルマートは、
この危機をも自分のものとしている。
プラノ店コ・マネジャーのジェフさんが語る。
わが社にはいい言葉がある。
「スピーディな5セントの動きは、
スローな1ドルよりも儲かる」
利は売りにあり。
薄利多売説。
それが、「スピーディな5セント」を
「スローな1ドル」に優先する根拠だ。
ウォルマートでは、
最新のハイランドビレッジ店を訪れた。
アップスケール型であり環境対応型。
次に、有名なプラノ店。
こちらはアップスケールタイプの最初の実験店。
そしてマッキーニ店。
中身はレギュラータイプだが、環境対応の実験店。
すなわち、プラノ型とマッキーニ型の集大成が、
ハイランドビレッジ店というわけ。
さらにネイバーフッド・マーケットも。
一目瞭然で共通していたのは、陳列の見事さ。
今日は、それを一挙公開する。
眺めるだけでよい。
次々に見るだけでいい。
その裏に、
「5セントのスピーディさが、
1ドルのスローさに優先されている」様が、浮かべば。
まず、青果部門。
5色の缶飲料。
ケース入りコカコーラ。
現在は、エブリデー・ロープライスとも、
オールウェイズ・ロープライスとも、
表現しない。
「アンビータブル・プライス」
意味と趣旨は同じ。
ペットボトル飲料。
3色ケース入りバドワイザー。
単品のワイン。3ドル74セント。374円。
ペプシコーラ4SKU。
単品エンド。左ウィングのゴミ箱は必須。
左が「セイブ・イーブン・モア」。
ロールバックと同様の特売。
右が、「アンビータブル・プライス」。
ウォルマート流正札販売。
袋入りコーヒーの最売れ筋ダンキンドーナツ・コーヒー。
単品エンドで、7ドルから6ドルへのロールバック。
ワイン、9ドル28セント。
ゴミ袋、単品エンド。
衣料品の縦陳列。
4色炭酸飲料、これも縦陳列。
この店の実験。
ゴンドラアイルの中に、エンドのようなボリューム陳列。
隣り合った品目の関連性は全くない。
しかし顧客は、驚くし、新鮮に感じる。
同じくゴンドラアイル内のエンド型陳列。
ネイバーフッドマーケットの洗剤。
左がマンガ柄のパッケージ商品、
右がペットボトル。
タオル、ファブリックスのエンド2本。
いかがだろう。
ウォルマートは、価格志向の店だ。
しかし価格で顧客を釣ろうとはしていない。
陳列技術を駆使して、顧客を喜ばせようとしてる。
その根本にあるのは、
「スピーディな5セントの動きは、
スローな1ドルより儲かる」
この思想だ。
<結城義晴>