2008年師走、渥美俊一先生と語り合う
今日は、ブログアップの時間が遅れた。
今、立教大学大学院の授業が終わって、
やっと、このブログに取り掛かった。
毎週、土曜日、13時10分から、
90分の講義を2時限。
後期のテーマは、「サービス・マーケティング」。
学生の皆さんにじっくり話す。
意見や質問もすぐに受ける。
だから、私自身とても勉強になる。
「コモディティ」に関してなど、
先週は3時間、検討しつつ話した。
だからどこで講演するときよりも、
丁寧で、詳しい。
もちろん、アメリカ研修で、
日夜、1週間、話し続ける密度が一番だが。
この立教の講義から、
かつては商業界ゼミナールのメーンテーマも生まれた。
「千客万来」
ありがたいことだ。
人間は、教えつつ、教わる。
親子の関係、
師弟の関係。
すべて、教えつつ教わる。
孔子もプラトンも。
私は、この関係が大好きだ。
さて、イオンと三菱商事。
日本経済新聞の一面トップ記事。
一面記事に商業やホスピタリティビジネスが載る頻度は、
極めて高くなったが、
一面トップは、そうあるものではない。
日経のスクープといえよう。
朝日新聞の一面トップは、米国の失業率が6.7%に落ち込んだ記事。
読売新聞は千葉県東金の女児死体遺棄事件の容疑者の記事。
流通業界にとっては、
三菱商事がイオンの筆頭株主になるニュースは、大きい。
総合商社業界にとっても、
色分けが進むこの現象は、
社会的影響力の誇示になる。
しかし、筆頭株主になったからと言って、
商社機能が、小売業に好影響を与えるとばかりは、いえない。
ウォルマートがイオンを買いたいと考えていて、
それに対する防衛措置にはなっただろうが。
三菱商事は、商業に強い総合商社となった。
コンビニのローソン、
スーパーマーケットのライフコーポレーション、
食品卸の菱食、明治屋商事。
それにイオンという巨大グループの純粋持ち株会社。
私は、会社は、あくまでインディペンデントでなければ、
健全には成長できないという考えの持ち主だ。
資本関係はあっても、
その株主の意向が、顧客の満足より優先されてはならない。
それが三菱商事とイオンの両トップ、幹部に了解されていることこそ、
今、いちばん大切なことだ。
そう思う。
昨日は、東京・青山に渥美俊一先生を訪ねた。
6月に、㈱商人舎の特別研修会に出講していただいて以来。
1年のお礼と、コーネル大学RMPジャパンの報告。
いくつかの質問と、いくつかの注文、いくつかのアドバイス。
ありがたい。
そのあとで、私自身の仕事のやり方、私の生き方への、
いくつかのアドバイス。
これもありがたい。
埼玉の飯能で隠遁生活を送る杉山昭次郎先生とは、
また違ったアドバイス。
ありがたいことだ。
さらに、国内流通業の情勢。
アメリカの情勢。
私も意見を言う。
イオンのこと、岡田元也社長のこと。
セブン&アイのこと。
ユニクロのこと、柳井正会長兼社長のこと。
ニトリのこと、
ベイシアとカインズのこと。
スーパーマーケット産業のこと。
ライフコーポレーションのこと、
ヨークベニマルのこと。
サイゼリアとすかいらーくのこと。
さらに、ウォルマートのこと。
テスコとフレッシュ&イージーのこと。
コストコのこと。
いい勉強になる。
90分余り、お話しして、最後に、
本を頂いた。
11月28日と30日に発刊されたばかりの本2冊。
添え書きも頂いた。
『21世紀のチェーンストア』[実務教育出版]
添え書きには、
「結城義晴兄へ
なぜチェーンでなければならないかを
考える本です」
とある。
こちらの本は、私の、
コーネル大学や立教大学院のテキストの一部になる。
もちろん講義では、渥美先生の理論としてご紹介し、
私の考え方も十二分に展開するが。
もう一冊は、『チェーンストア組織の基本』
[ダイヤモンド社]。
こちらは、戦後、渥美先生が、
マネジメントを学び始めたころのことが、
「まえがき」に載っていて、
それ自体が、
日本のマネジメントの世界における貴重な発言事実となっている。
4月17日の商人舎発足の会では、
ビデオ出演という形だったが、
ますますお元気で何より。
私も、渥美先生の年までは、
頑張らねばと、
意を強くして、青山通りを歩いた。
横浜の商人舎に戻り、
夕方から、流通ニュース発行人の松見浩希さんと
会談、懇談。酔ってくるにしたがって、自慢話の相互披露。
松見さんは、ロジスティクス・パートナー代表取締役。
この流通ニュース、すごい情報量。
ウィークデーに毎日、20数本のニュースを発信している。
私、応援しています。
だから毎月1回、コラムを書いています。
今後、コラムの本数も増やしていきたい。
皆さんも、一度、のぞいてみてください。
よろしくお願いします。
<結城義晴>