イオン取締役会議長・原田昭彦さん、良品工房代表・白田典子さんと「質素な豊かさ」
日産自動車カルロス・ゴーン社長。
私も、ゴーン氏の企業再建の考え方に、
大いに勉強させてもらった。
かつては、実際に、私自身で、
「クロス・ファンクショナル・チーム」による改革を、
やってみた。
そのカルロス・ゴーン氏。
昨日、メディアとの懇談会で、
現在の日本経済の三つの危機を指摘。
①急激な信用収縮⇒資金繰りの危機
②深刻な需要減退⇒先行き不安から起こった
③急激な円高⇒日本製品の競争力低下
ゴーン氏の指摘は、
自動車産業だけのことではない。
自動車は高額品。
高額品は、とにかく売れない。
ルイ・ヴィトンが世界最大級の銀座店の出店を撤回していた。
しばらく、この傾向は続く。
それが、この年末商戦に色濃く反映される。
さて、昨日も、「師走」。
12月の予定は、比較的、ゆったりと組んだはずだが、
例月と変わらない。
むしろ、忙しいくらい。
不思議な感覚。
しかし、ありがたいこと。
千葉県幕張イオン・タワー。
イオン取締役会議長の原田昭彦さんを訪問。
原田さんは、マックスバリュ東北やマックスバリュ西日本の、
社長・会長を歴任された経営の専門家。
スーパーマーケット経営には精通されている。
現在は、イオン170社の執行役の管理監督をする立場。
私の商業界社長時代のアメリカ視察研修にご参加くださって、
団長を務めてもらった。
もちろん4月の商人舎発足の会の発起人で、
従って、商人舎ファミリーのおひとり。
1年間の活動のご報告とお礼。
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラムのこと、
アメリカ研修会のこと、
立教大学大学院のこと、
(株)商人舎の経営のことなど、
丁寧にご報告させていただいた。
原田さん、笑顔で聞いてくださった。
ありがたいこと。
そのあと、最近情勢について懇談。
「どの企業もトップで変わる」
これが原田さんの持論。
現在は、イオン全体の課題であり、
業界全体の課題でもあるGMSの改革に頭を痛めている。
GMSはSMに比べオペレーションが甘い。
縦割り組織の意識が強い。
それがハイコストの要因。
だから損益分岐点を下げて、改革を進める。
「ここには埋蔵金が眠っている」
そう言って、全国の店を回っている。
「選択と集中」も原田さんの持論。
シェア二番手、三番手の事業以外は、必要ない。
最後に一言。
「先を読む力とその判断(ジャッジ)力こそ、
トップに必要なもの」
原田さんの言葉、重い。
イオンタワーの1階までお送りくださって、
心から感謝。
次に向かったのは、東京・西荻窪の勤労福祉会館。
会議室で、「CDオーディオセミナー」の収録。
これは商人舎と商人ねっとの共同企画。
毎月、月刊雑誌のようにCDが送られてくる。
旬の経営者、業界のトップ、時流の人。
そんな人々と私が対談する。
60分から90分。
それを聞きやすく編集し、資料をつけて、
勉強の教材にする。
それが「声のセミナー」。
2009年の年初第一回のゲストは、
良品工房代表の白田典子さん。
1994年、白田さんは、
西荻窪の家の台所から事業をスタートさせた。
机一つに電話一台。
資本金300万円の天然の鮎を売る会社。
しかし思うように鮎は売れない。
だが、鮎を売り込みに行って、
さまざまなことに気づかされた。
メーカーには開発力があっても売る力がない。
小売りには売るものがない。
お客は買いたいものがない。
三方のギャップを埋める仕事、
三方をつなぐ仕事。
それを始めた。
三方良しを実現させる会社。
生産者やメーカーは、商品エントリーする。
それをモニターに食べてもらう。
買いたいと思ったモニターが70%を超えたら、
「いいものシール」を張ってバイヤーに推奨する。
主婦モニターは200数十名。
そのモニターからも、6000円のモニター料を払ってもらう。
モニターは知的好奇心を満たす。
商品の向こうにあるものを見たい、知りたい。
自分が感じたことに対して、
メーカーや店が喜ぶことがうれしい。
喜びという対価のために、モニターは、
6000円を払ってまで、参加してくれる。
今回の声のセミナーは、
白田さんに代表してもらって、
そんな主婦の声がストレートに語られた。
「安全安心」
「健康・環境」
「こだわり商品」
世間で言い古された言葉に、お客は率直に疑問を投げかける。
そして「かっこいい店」であってほしいと願う。
「不況はスマートコンシューマーをつくるに違いない。
シンプルな食材を、少し知恵を絞って贅沢な食卓にする」
「最低にして最高」
最小限で最高の豊かさをつくる。
私流にいえばオクシモロンの「質素な豊かさ」。
「お金をかけるのがご馳走ではない」
おもしろい90分だった。
スリリングな対談だった。
白田さんに心から感謝。
詳細は、「CDオーディオセミナー」、
および今年末リニューアル予定の本ホームページで。
収録が終わって、西荻窪のクィーンズ伊勢丹へ。
2階にユニクロがある。
さらにサミットへ。
こちらの2階には、コジマがある。
分厚い商圏だが、2店は競合している。
勝敗の行方は、黙して語らず。
両者ともに、いい商売をしている。
最後に吉祥寺駅前のイルミネーション。
いよいよ2008年もクライマックス。
クリスマスの雰囲気が盛り上がってきた。
今年は、質素なクリスマス。
馬小屋で生まれたイエス・キリスト。
質素なクリスマスこそ、
イエスの本望だったに違いない。
<結城義晴>
5 件のコメント
すみません…。
CDオーディオセミナーって、毎回、資料が付いてくるのですか?
自分のヤツにゎ、岩崎社長の時しか入ってなかったんですが…?
結城先生、あたたかなお言葉本当にありがとうございましたm(__)m
元気は、出るものじゃない、自分で出すものよ
と友人にいい続けて来ました。
でも…仕事中の元気は
お客様からいただいていると思っています。
お客様のご来店、
お客様の笑顔、
そして、お客様からのあたたかなご支持への感謝で…。
「いつも元気ね(元気だね)」
とよくお声をかけていただきますので当然この様に答えます。
「はい、お客様のおかげで私はいつも元気です」
ありがとうございました。
ナンバさん、ごめんなさい。
現在のCDオーディオセミナーには、
資料がついていません。
ナンバさんのだけではありません。
来年1月にお送りするものから、
そうして資料を付けていって、
教材になるようにしたいと話し合っています。
私の勇み足の発言、お許しください。
白田典子さんの巻から、資料を付けるようにします。
ご期待ください。
ありがとうございました。
追伸
ナンバさんのブログへの投稿100人。
おめでとう。
私が1号というのは、光栄です。
アルバイトさん、その通りですね。
元気は、お客様からいただいている。
お客様との元気のキャッチボールが繰り返されると、
どちらも元気になって、
お店も元気になります。
そうしたら、長い目で見ると必ず、
売上げも少しずつ、上がってきます。
売上げよりも、元気のキャッチボールのほうが、
大切なものです。
もちろん売上げや利益は、必要条件として、
不可欠のものですが。
元気のキャッチボール。
お願いします。
こちらこそ、結城先生からコメント頂けて光栄です。