「あなたは数字が好きですか」と言いつつリニューアル
本日、商人舎ホームページは、
リニューアルします。
お待たせいたしました。
もう、プレ・オープンしていますので、
そちらを覘いていただいた方もいらっしゃるとは思いますが、
いまご覧いただいている画面は、
本日をもって、消えます。
同時に本日をもって、
新しい画面になります。
私にとっても、一昨年、9月9日の結城義晴の個人ブログ開設、
そして昨年2月1日の、商人舎ホームページとの合体、
これらに続く第3弾のリニューアルです。
さまざまな試み、さまざまな方々のご協力を得て、
ユニークなスペシャルティ・ビジネス・サイトに変貌していきます。
まさしく、今年の漢字「化」の如く、
「化けていきます」。
よろしくお願いいたします。
新ホームページの解説は、
明日の巻頭ブログにて。
乞う、ご期待。
さて、昨日のこと。
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン。
その第4回講義の二日目。
朝9時から、会場は、東京都中央区の日本橋1丁目1番地。
国分株式会社の本社1階プレゼンルーム。
朝一番の講義は、副学長の私。
「スーパーマーケットの経営効率」
数字の面からスーパーマーケットの事業と企業をとらえる試み。
まずは、私の特異な世界から。
数字は好きですか
あなたは数字が好きですか。
実は私は大好きなのです。
数字の向う側の世界を、数字を通して垣間見る。
そして前向きに、肯定的に、モノを考える。
数字に媒介してもらうことによって、
雑念やしがらみや怨念が消える。
ゲーム感覚で、むしろ純粋な気分で、
状況が見えてくる。
数字はそういった浄化の機能を持っているのです。
想像力を刺激する要素をそなえているのです。
ただし、数字で人を縛ってはいけません。
せっかくの浄化作用や想像の力が、
いっぺんにかき消されてしまいます。
いちじく
にんじん
さんしょに
しいたけ
ごぼうに
むくろじゅ
ななくさ
はつたけ
きゅうりに
とうがん
数字と商品を素直に結びつけて、
商業ビジネスにかかわる私たちは、毎日、毎日、
夢を追いつづけています。
数字は清くて、正しくて、美しくて、しかしも現実的です。
数字と商品を愛でることこそ、私たちの仕事なのです。
さあ、あなたは数字が好きになりましたか。
私と同じように大好きになりましたか。
<『メッセージ』(結城義晴著)より>
日本伝統の「かぞえうた」から入ったら、
全く偶然のこと、日経新聞の夕刊の巻頭コラムに、
このかぞえうたが載った。
不思議な同期。
知識商人は、何といっても数字が好きにならねばいけない。
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんは、
「才覚と算盤」と言っている。
イオン名誉会長の岡田卓也さんは、戦後、
岡田屋伝来の「見競(みくらべ)勘定」からスタートした。
見競勘定とは、複式簿記の貸借対照表のこと。
いまも残っている企業は、いずれも、
「数字に強い」という社風をもっている。
さて、その上で、商売の数字を扱う第一歩は何か。
「実地棚卸し」である。
最近のスーパーマーケットやコンビニ、さまざまな企業には、
棚卸専門会社に委託している例が多い。
そして決算数値をつくる。
しかし実地棚卸しは、商品管理のためにも行う。
貸借対照表の資産の増減を、現場で把握し、
同時に損益計算書の売上総利益を、現場から確定する。
「現場主義」というからには、
実地棚卸しを正確にしなければいけない。
その上で、最重視すべ数値は、
①総資本経常利益率(ROA)
②利潤分配率
③単位面積当たり営業利益高
「才覚と算盤」を指標となる数値で表すと、こうなる。
私の次は、岩本浩二さん。
「セブン-イレブンの単品管理の実際」
コンビニのセブン-イレブンの単品管理のエッセンスを語ってもらった。
だからスーパーマーケットに「単品管理」の考え方を、
導入し、活用するには、
翻訳が必須となる。
それは第一期生の自身の仕事となる。
セブン-イレブンは、フランチャイズシステムである。
だから実地棚卸しは、業者が行う。
しかし単品管理とは、毎日、毎時間、
パートタイマーやアルバイトが、
自分の担当カテゴリーの在庫状況を、
単品(SKU)ごとに個数で把握しているから、
可能となる。
考えてみると、セブン-イレブンほど、
実地棚卸しが徹底されているチェーンストアはない。
そんな意味で、私の講義と同期していた。
午後からは、学習院大学教授の上田隆穂先生。
上田先生は、亡き田島義博先生のあとを継いで、
「学習院マネジメントスクール」のヘッドマスターを務めていらっしゃる。
「プライス・マネジメント」が専門で、
上田先生と矢作先生は、
小売業やスーパーマーケットを熟知した学者の双璧だと、
私は思っている。
その上田先生の持論を展開していただいた。
事例をふんだんに使っての見事なプレゼンテーションは、
2時限180分。
ここでも私は、講義を堪能した。
詳細は、近日公開予定のコーネル大学RMPジャパンの公式ホームページで。
事務局長の大高愛一郎さんがご報告します。
最後に、荒井伸也首席講師から、総評。
荒井先生は、ずっと学生諸君と一緒に受講してくださった。
荒井先生の総括によって、
大量の情報と知識が、すっきりと整理される。
その上で、受講生は、自分で考える。
これを続けて、知識商人としての段階を上っていく。
本当にうれしいこと。
私も一緒に勉強しています。
写真は、講義テキストを綴じておく特製ファイル。
この中に、講義のエッセンスが詰まっている。
来月は、いよいよマーチャンダイジング論。
ご期待下さい。
最後に、今日をもって姿を消すこのブログに、
お別れを。
デザインをつくってくれた大澤洋子さん、ありがとう。
ご協力してくださった皆さん、ありがとう。
このブログ画面にも、ありがとう。
一生、忘れません。
かくて、私たちは、一枚、
衣を脱ぎ捨てたのだった。
<結城義晴>