荒井伸也・野口悠紀雄、口をそろえて「未曾有の危機」
ほんとうに申し訳ありません。
結城義晴のBlog[毎日更新宣言]ご愛読者の中で、
携帯電話からアクセスしてくださる方が多数、あります。
そのうちauはいいらしいのですが、docomoなどからは、
どうやらこのホームページの本文が読めないようなのです。
現在、修正・検討中ですが、仕方がないので、しばらくは、
従来通り、blog.yuukiyoshiharu.com のブログと同時掲載することといたします。
ご愛読下さい。
さて、昨日は午前中、六本木ヒルズで、川勝利一さんとミーティング。
川勝さんは、昨年まで中央化学㈱の理事を務められ、秋、退社。
スーパーマーケット業界の見識あるサポーターとして、活躍されてきました。
コーネル大学リテール・マネジメント・オブ・ジャパンへ、
上田淳生先生が主任講師として、ご協力くださっていますが、
川勝さんは、そのご紹介者でもあって、私はたいへん、ご恩を感じています。
その川勝さんが、商人舎エグゼクティブ・コーディネーターにご就任くださる。
ありがたいことで、私との仕事上のコラボレーションが始まります。
川勝さんの言葉。
「インテリジェントに結びついた関係は、深くて、強い」
互いに、そのインテリジェンスを高めつつ、磨きつつ、
精進していきたいものです。
皆さんよろしくお願いします。
午後は、横浜みなとみらい、パンパシフィックホテル。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の新年トップ経営研修会。
荒井伸也会長のご挨拶は、いつも切れ味鋭い。
「人類が経験したことのない、初めてのことが起こっている。
今回の不況の正体を見極めねばならない。
しかしスーパーマーケットは実業であり、ありがたい商売。
いま、外食離れの中で内食が伸びている。
スーパーマーケットは、いい時に、とんでもなく儲かるわけではないが、
全体が悪いときにも、そう大きく悪くなることはない。
だから私たちスーパーマーケット経営者は、
内食提供業の本筋を外さずに営業していけばよい」
荒井さんは続ける。
「ただし、宅配業はスーパーマーケットの敵になる可能性がある。
もちろん宅配業がスーパーマーケットにとって代わることはないが、
機能の分担をされることになるかもしれない。
だから常に、宅配業をマークしておかねばならない」
荒井さんは、ご存知、コーネル大学リテール・マネジメント・オブ・ジャパンの首席講師。
スーパーマーケットに偏愛している荒井さんの、愛のこもった挨拶だった。
記念講演は、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄先生。
タイトルは、
「2009年『超』経済脳で展望する日本と世界」
難しいことを易しく語る。その達人。
『超・整理法』をはじめとするベストセラー作家でもある。
「現在は、未曽有の危機。100年に一度の危機。
実際に、今まで見たことのない数字、
桁を間違えたのではないかという数値が、
毎日のように提示される。
新しいデータが発表されるごとに深刻となる。
だから、この危機が終わったあと、
日本はなくなっているかもしれない。
本気でそう思わされるほどの危機。
しかし食品分野は日本経済の中で、最も影響が少ない。
なぜならば、食品は基礎的商品だから。負の部分が少ない。
ただし、国民の所得が減るから、それに相応した分だけ減る。
問題は輸出産業で、自動車・電気機械など、
存在することができるかどうかが、危ぶまれるほどだ。
輸出は、去年の秋から数%で落ち込みはじめ、
11月の貿易統計は3割を超える減少。
特にアメリカへの輸出が50%減、中国は2ケタの減少。
輸出の減少が2~3割で、それが今後も続く。
日本のGDPの15%が輸出だが、
それが3割落ちると 経済成長率は5%落ちる。
その影響で設備投資が減少し、所得が減少し、
全体では5%ですまないところまで経済が停滞する。
政府は2兆円の定額給付金を考えている。
日本のGDPは500兆円だから、定額給付金は0.4%ということになる。
輸出減少は5%だから、この0.4%は、焼け石に水。
海の向こうで津波が発生。
そこで堤防をつくった。
しかしその堤防の10倍の津波が来る」
野口先生の危機の解説は、まだまだ延々と、淡々と続いた。
それだけに、言いようのない怖さを、伴なっていた。
結論は、「日本の産業構造を変えること」
「危機こそチャンスと、逆説的にとらえること」
「輸出産業は危機的、だから輸出産業頼りではない経済構造をつくること」
私も、そう思う。
「小売流通業・サービス業が21世紀の日本を救う」
昨年の商人舎発足の会の私の講演テーマを、
再び思い出した。
夕方から、懇親会。
乾杯のご発声は、
スーパーアルプス社長の松本清さん。
そして中締めは、江崎グリコ㈱社長の江崎勝久さん。
懇親会のあとも、懇親に次ぐ懇親。
とりせん社長の前原章宏さん、
関西スーパー社長の井上保さん、
セイミヤ社長の加藤勝正さん、
田子重社長の曽根令三さん、
キョーエイ社長の埴渕一夫さん、
いちやまマート社長の三科雅嗣さん。
サミッ社長の田尻一さんが最後のお相手。
食品とスーパーマーケットは、この危機的不況の中で、
比較的に好調。
だからか、この会は、みんな元気で、盛り上がった。
私も、元気をもらった。
<結城義晴>
2 件のコメント
遅ればせながら
明けましておめでとうございます
RMLCで今年もお世話になりますので
宜しくお願い致します
サーバーの引越しお疲れ様です。
今回の未曾有のお話し、
毎度の事ながら分かり易く
ありがたく読ませていただきました。
私の思い描くこれからに対して
あとはどれだけ素早く対応しながら考動するか
元気をありがとうございました
旬さま、おめでとうございます。
新年の会合が続き、
謹賀新年の挨拶ばかりしている日々です。
今年もよろしくお願いします。
野口先生の講演は、もっと続きます。
「結城義晴の人、店、商品」で、
おいおい、少し詳しく紹介したいと考えています。
ご期待下さい。
しかし、トヨタもホンダも、パナソニックもソニーも、
生死をかけた企業経営に入ります。
私たち商業も、規模は小さくとも、そのくらいの覚悟をもって、
仕事しなければなりません。
それが、これから数年の心構えです。
だから「無茶はせず、無理をする」なのです。