ジジの安らぎ[日曜版]
今年にはいって三度目の日曜日。
ボクの出番の日です。
今日はゆったりしています。
ボクは、おちつくところを、さがします。
ユウキヨシハルのおとうさんも、
うちで、やすらいでいる。
でも、ゲンコーやってる。
いつも、ゲンコーかき。
おとうさんのゲンコーは、
セイカツのイチブみたいなもの。
ボクは、テレビのまえに、
こしをおちつけた。
でも、ボクは、いつも、
家の中に、やすらぎの場所をさがしています。
いまは、この箱の中。
いぜんは、家の中の家があった。
でも、お正月に、いつの間にか、
捨てられてしまった。
そういえば、キャットランドというのも、
いつのまにか、きえた。
ボクは、好きではなかったからいいけど。
で、家の中の家のダンボールがなくなったから、
このまえ来たこの箱にはいる。
いがいに、やすらぎます。
箱がないときには、
こんなところにも、はいる。
ビニールのふくろのなか。
きゅうくつそうにみえるかもしれませんが、
ここも、やすらぎます。
もちろん、チェンバロの上は、すきです。
サム君もいるし。
サム君は、お正月に、
ダイカツヤクしました。
お正月は、ゴミを集めに来ないからです。
お正月は、どこのうちにも、
ゴミがたまる。
でも、うちは、
サム君がぜんぶ食べるから、
ゴミがありませんでした。
しかも、カンキョーによい。
おとうさんも、感心していました。
で、ひさしぶりに、
サム君の上にのってみた。
あたまがつるつるしていて、すべる。
だからおとうさんにホジョしてもらいました。
でも、サム君、モンクもいいません。
いいやつです。
サム君には、仕事もあるし。
ほんとうにやすらぐには、
自分のやるべき仕事が、
なければならないのかもしれません。
その自分の仕事を、
一所懸命にやるから、
やすらぐことができるのかもしれません。
そうだとすると、
ボクの仕事ってなんだろう。
ちょっと、心配になります。
これはシンケンに、
考えなければならないことだとおもいます。
<『ジジの気分』(未刊)より>