農水省総合食料局流通課とミーティング
早稲田大学大学院の野口悠紀雄教授が言った。
「新しい数値が発表されるごとに深刻になる」
まさにその通り。
2008年度の上場製造業決算が、最終赤字に。
日経新聞の調査。
日本の製造業はGDPの20%を占める。
日本の経済を支えてきた。
それが赤字になったということは、
ますます商業や流通業の重要性が増してくるということ。
さらに日本の1月の輸出額が、なんと46.1%もの減少。
アメリカの1月の失業率は7.6%に悪化した。
そんな昨日、午前11時から、東京・神田の日本セルフ・サービス協会。
農林水産省総合食料局流通課の面々とミーティング。
写真右が課長の吉井巧さん。
左が同じく流通課卸売市場室長の池田一樹さん。
そして同課長補佐(流通企画班)の小林清史さん、
同商業調整官の山田啓二さん。
流通企画班の浦澤和宏さん。
こちらは、日本セルフ・サービス協会事務局長の島原康浩さんと私。
論点は、「将来の食品流通の基本的な方向について」
総合食料局から私の見解を聞きたいという要請があり、実現した。
食の安全・安心、少子高齢化、環境意識の高まり、
そして食品流通の効率化・多様化。
そういった問題への対応は、いかにあるべきか。
さらにアメリカの食品流通やオーガニック食品の状況に、
学ぶべきところはあるのか。
農林水産省は、そして総合食料局流通課の役目は、
ほんとうに重いし、期待も大きい。
私は、率直に、情報を提供し、意見を述べた。
「5年後、10年後を見つめて、
ビジョンを明らかにし、
グランドデザインをつくるための、
議論を進めること」
私のスタンスは、ずっと変わらない。
ミーティングは、あっという間に1時間40分ほど経過。
日本の食品流通機構は、明治以降、世界に類を見ない仕組みをつくってきた。
しかしそれにも、各所で制度疲労が起きている。
だからといって、破壊する必要はない。
日本特有のものとして、活かしつつ改革する必要がある。
そのためのビジョンとグランドデザイン。
重要な問題である。
さて、昼食もそこそこに、東京会館へ。
第49回寺岡メーカー賞表彰式記念講演へ。
私、このところ、毎年講演している。
テーマは「蛻変のすすめ――未曾有の危機への対策」
パラダイムの大転換の時代。
すべての事業活動が、サービス業かしてこなければならない。
そのためには、「自らの殻を破る」必要がある。
人間も企業も、節目節目に、
蛻変しなければならない。
そのために、イノベーションが求められる。
ドラッカー先生の7つのイノベーション。
アメリカの話も出てくる。
ウォルマートやコストコ。
コストコの話のときには、
寺岡精工社長の寺岡和治さんも、発言。
「コストコはわが社の顧客。
レジスターでの客待ち改善システムを提案している」
高野公幸専務は腕を組んで、うんうんと頷いていた。
2時間をちょっと超える講演。
私自身が、この1年「蛻変」した。
だから今日の講演は、今まで以上に、自信と確信に満ちていたはず。
気持ちよく話させていただいた。
ご清聴を、感謝したい。
窓の外には、皇居のお濠と東京の冬空。
記念講演が終了したら、記念写真。
寺岡社長とコストコへの改善提案の続き。
さらに懇親会の席では、
エコロジー問題の議論。
寺岡さんは、北ヨーロッパやドイツの「デポジット制」を採用すべきだという持論。
私も大賛成。
今度、エコストア研究会でレクチャーしてもらいたいとお願いした。
㈱寺岡北海道社長の佐藤佳邦さんと記念写真。
こちらは㈱九州テラオカ社長の川越純一さん(中央)と、
寺岡精工営業企画室室長の三木桂さん(左)。
川越さんはずっと営業企画室で私の担当をしてくれていた。
その意味で三木さんの先輩。
お二人には、特にお世話になっている。
コストコにも寺岡グループにも、
そして日本の食品流通にも、
蛻変とイノベーションが求められている。
そのことだけは確かだ。
<結城義晴>