豚インフル「フェーズ4宣言」とサトカメ佐藤勝人の一点突破
メキシコから始まった豚インフルエンザ。
北米大陸から、世界へ。
そして世界保健機構[WHO]が、
「フェーズ4宣言」。
新型インフルエンザの人への感染症が確認された。
今朝、舛添要一厚生労働大臣が緊急記者会見。
①うがい・手洗いの励行・徹底
②メキシコ等の発生国への渡航を中止
③マスクの準備と使用
国民に三つの要請を発表。
二番目の「メキシコ等」の表現が、私にとっては問題点。
「等」とはアメリカ、カナダを指していることは明らか。
実は私、5月8日から1週間の渡米を予定していた。
アリゾナ・テキサス。
メキシコに接しているエリア。
中止・延期するか、決行するか。
「フェーズ4」の宣言は重い。
ジャーナリストとしての結城義晴は、
行きたい考える。
事件が起こった時に、
その場にいることは、
ジャーナリストの原点。
いま、アメリカのスーパーマーケットや食品産業が、
どんなことを考え、どんなことを実行するか。
それを体験し、実感したい。
しかし、50名近くのチームを引率する立場としては、
団員の安全や、国内への感染への責任を負う。
私は2001年の9・11を思い出した。
商業界で編集・教育事業を担当する取締役をしていた。
北米ツアーを中止するか、行うか。
悩んだ。
最終的には、外務省の判断を重視することにした。
そしてこの秋のアメリカツアーは中止となった。
現在の豚インフルエンザに関しては、
日本でも、水際作戦が展開され、
インフルエンザの国内への感染を食い止める。
ただし、食用としての豚肉そのものは、
たとえメキシコ産でも、問題なし。
風評被害は、避けられないだろうが。
ゴールデンウィークを控えた今。
次々に、日本社会、人間社会に、問題が発生する。
「自分たちの力の及ばないところで大変化が起こる」
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんの予見。
しかし「何か」が起こることを、
私たちは運命的にとらえて、
逃げたり、あきらめたりしてはならない。
変化のときには、必ず、ビジネスチャンスがある。
それをいち早く受け止めるか否か。
[祈り]
変わるものを変えてゆく勇気と、
変わらぬものを受け止める心の静けさと、
それらを見分ける英知を、
お与え下さい。
さて、21世紀になって大変化に見舞われたカメラ写真業界。
その風雲児「サトカメ」こと、
サトーカメラ代表取締役専務・佐藤勝人。
日本販売促進研究所代表の経営コンサルタントでもあるし、
私とはブログ同志。
毎日「一刀両断」を書いている。。
昨日は、栃木県宇都宮市に佐藤さんを訪ねた。
東京から東北新幹線で43分。
雪がかぶった榛名山。
餃子の街・宇都宮駅からタクシーで1メーター。
栃木県内に集中的に18店を展開する地方の雄「サトーカメラ」。
その宇都宮本店。
佐藤勝人さんと結城義晴の対談。
「知識商人対談シリーズ」第9弾。
商人舎と商人ねっとのコラボレーション企画。
「CDオーディオセミナー」
絶好調の波乗りシンドバット。
さて対談の内容。
カメラ業界の大激変から始まった。
かつて、デジタルカメラが出てくる前。
サトカメは栃木県でフィルム販売量80%のシェアを占めていた。
しかしデジカメの登場。
フィルムは、ほとんど売れなくなった。
ピークには、日本のカメラ写真業界は小売り段階で1兆円産業だった。
現在、それが3000億円業界になった。
3分の1以下。
その中で、佐藤勝人とサトカメは、
どう判断し、どう成長してきたか。
佐藤勝人はいち早く、業界が激変することを読み取った。
どう考えても、デジカメのほうが顧客にとって便利である。
だから顧客は、デジカメに転換する。
サトカメも変わらなければならない。
そして社内の説得に明け暮れる。
150人のアソシエイツは、信じなかった。
取引先も信じなかった。
お客さんまで、「何、考えてるんだ」と信じなかった。
しかし、最後には信じてもらった。
そして、商売の転換に入る。
まず、第一に理念の確立。
「思い出を綺麗に一生残すために」
これを、会社のコンセプトにする。
思い出を綺麗に一生残すためなら、
フィルムか、デジタルかは、手段にすぎない。
そこからサトカメの再スタートが始まった。
第二に考えたこと。
「生まれ故郷の栃木県内に絞って、商売しよう」
そう考えた途端、自分の商売が楽しくてしかたなくなった。
「それまでは外に出よう外に出ようと思っていました」
ヨドバシカメラやビックカメラに、負けまいと焦っていた。
しかし栃木でやれることはないかと考えると、
実は多かった。
お客さんの喜ぶことは、
150人のアソシエイツと一緒に何でもやった。
お客さんの「思い出を、綺麗に、一生、残すために」
栃木県は人口200万人、60万世帯。
この60万世帯にデジカメは2万台しか売れていない。
あとの58万世帯をも相手にして、
客層を広げていった。
現在、デジタルカメラ一眼レフは、
栃木県内の60%の売り上げシェアを誇る。
そこまでやり遂げることができた。
カメラ業界の大変化を、いち早く、読み取り、
受け入れたからだ。
佐藤さんのコンサルタントとしての方針も、
ここにある。
まず、売ることの喜びを教える。
そして「1点突破全面展開」
コンサルティングにも全力投球。
1週間に4日間はサトカメ専務。
3日間はコンサルタント。
365日24時間、勉強しつつ、仕事する。
それ以外は何もしない、できない。
このエネルギーが、またサトカメという会社に好影響を与える。
「昔は二足のわらじといっていましたが、
それが一致してきた」
コンサルティングで学んだ他業界のことは、
サトカメの経営に活きる。
サトカメの経営改革は、
コンサルティングに活きる。
かくて、44歳の佐藤勝人、
わが道を、行く。
今を、生きる。
宇都宮本店の中は、元気いっぱい。
天井に鯉のぼりが泳ぎ、
アンパンマンが飛ぶ。
楽しさいっぱい。
店頭には
アイデアいっぱい。
佐藤勝人さんから、元気をもらった一日だった。
変わるものを変えてゆく勇気と、
変わらぬものを受け止める心の静けさと、
それらを見分ける英知を、
お与え下さい。
多謝。
<結城義晴>