新型インフル「フェーズ5宣言」とブータンの「国民総幸福量」
豚インフルエンザ、勢いは止まらない。
フェーズ5の警戒度5段階が宣言された。
いまや、「新型インフルエンザ」と呼ばれるようになったし、
アメリカではメキシコ人の男児が死亡したとの報告。
死亡したのは、テキサス州に旅行中の1歳11カ月の男児。
一方、ニューヨークのハイスクールは学校閉鎖。
これで日本の渡航制限領域の「メキシコ等」の表現が、
「北米」となりそう。
私たちの5月視察セミナー延期の判断は、
図らずも当たってしまった。
このセミナーは9月に延期になったが、
私自身それまでに6月、7月と渡米の予定がある。
6月は商人舎主催の定番視察研修会、
7月はコーネル大学ジャパンの卒業記念旅行。
6月の商人舎研修会開催に関しては、
連休明けに決断します。
何度も言いますが、私はジャーナリストとして、
新型インフルエンザが問題になっているときに、
アメリカを訪れることは、勉強になると思っています。
しかしツアー主催者としては、皆さんの安全を考える。
万が一、感染して戻ってくるという事件が発生したら、
これは、国家的危機管理の問題となる。
それらも全て私の責任。
だからぎりぎりまで、考えます。
考えさせて下さい。
豚インフルエンザがフェーズ5からフェーズ6へと、
猛威をふるうようになったら、
季節性のA香港型は、新型にその座を譲るそうだ。
一番危険なのが、豚新型インフルエンザウィルスと、
東南アジアの鳥インフルエンザウィルスとの合体。
それによるさらなる新型インフルエンザの登場だという。
心配な日々が続く。
さて今日で4月は終わり。
ゴールデンウィークの真っただ中。
昨日、話題にした「幸福のパラドックス」。
「国民の幸福感向上」を目標とする国がある。
「国民総幸福量」を政策の指標とする国、ブータン。
Gross National Happinessという。
このブログへの常連投稿者いまちゃんのご指摘にもある。
この提案は同国のジグミ・シンゲ・ワンチュク元国王からなされた。
「国の豊かさを測る上で国民総生産(GNP)よりも重要」と主張。
ブータンは現在、民主化への移行の途上にある。
そしてこの民主化の考え方を表わす憲法草案にも、
「国民総幸福量」の概念は盛り込まれている。
ブータンは人口約70万人の小国。
しかし最近の調査では、なんと68%の国民が幸福であると感じている。
しかし、大阪大学教授の筒井義郎先生は、主張する。
「一国の幸福度を見るとき、
主観的幸福感に頼るべきではない」
「経済学は人生は選択であると教える」
これも筒井先生の言葉。
幸福感の尺度を何にするか。
その選択。
しかしこの選択には、国家がする選択と個人がする選択がある。
個人の幸福感の選択は、個人がする。
私はそう思う。
これはこれで問題は解決される。
国家の幸福感の選択はいかにするか。
国家には様々な人が住んでいるからだ。
新型ウィルスを水際作戦で食い止めるのは国家の責任。
これは明確。
しかし幸福感はどう定めるか。
これは新型ウィルス対策より、はるかに難しい。
会社の幸福感や店の幸福感も、
指標にして総量を弾き出すとしたら、
これは、難しい問題ではある。
私は「ゲルソンズの幸せ」を学んで、
会社の「幸せ基準」をつくろうと呼びかけた。
しかし難しい。
指標や基準など考えずに、
まずは、自分の周りの人を幸福にしようと考える。
そして自分が幸福になろうと努力する。
お客さまの幸福も考える。
そう決意する。
決意するだけで、
幸福になれるから、
本当に不思議だ。
ゴールデンウィークは、
仕事に邁進しながら、
幸せに暮らそう。
<結城義晴>