荒井伸也さんと対談し大久保恒夫さんと熱談した幸せな日
昨夜は大変でした。
紙の媒体と違って、インターネットは、
とても便利である反面、
おおもとのシステムが故障したり壊れたりすると、
いっぺんに全体がストップしてしまいます。
だから二重三重の防御態勢を敷いておかねばなりません。
商人舎のホームページもすぐに復旧しましたが、
まだまだ復旧途中です。
ご不便をおかけします。
さて、昨日は、午後から、
東京・新宿のローズガーデンホテル。
商人舎と商人ねっとの共同企画。
CDオーディオセミナー「知識商人登場」の収録。
これほど「知識商人」の言葉がふさわしい人はいない。
荒井伸也さん。
ペンネームは、安土敏さん。
(もうおひとりあげるとしたら、故上野光平先生だろうか)
ご存知、サミット㈱の元社長・会長にして、
この会社の中興の祖。
住友商事からの出向社員時代から、
会社を立て直し、エクセレントカンパニーに育て上げた。
すごいのは、その荒井さんがサミットを去ってからも、
サミットは荒井イズムを貫いて、
エクセレントカンパニーの評価を続けていること。
現在の社長・田尻一さんももちろん荒井門下生。
田尻さんは、荒井イズムを進化させつつある。
このシリーズは12回終了して、
丸1年。
2年目に突入して、さらにパワーアップを願って、
ご登場いただいた。
テーマは、
「スーパーマーケットの社会的機能」
2時過ぎに始まって、90分。
休憩も取らず、一気に語りきってくださった。
今回の「知識商人登場」は、これまで以上に、
聴きものです。
何事にも、ハタラキとカタチがある。
スーパーマーケットというビジネスにもハタラキがあって、
だからカタチがある。
そのハタラキから、ビジネスを組み立て、
見直し、検証していけば、
カタチもはっきりしてくる。
そしてこのハタラキとカタチがしっかりしたビジネスは、
社会的機能が明確だから、
成長を続けることができる。
スーパーマーケットの社会的機能は、
内食材料提供業である。
荒井さんの話は、いつも筋が通っている。
日本人は、古くは中国から知識の体系として様々なことを学んだ。
明治維新以後は、欧米から学んだ。
だから知識を体系として取り入れ、
それをそっくり模倣することにたけている。
しかし、本来のハタラキからものを考えてみなければ、
日本の実情に合わないことが多い。
スーパーマーケットもその一つだった。
だから荒井さんはそれをした。
「知識商人」が「知識の体系」を否定するところが、
私にはとても面白かった。
全面否定ではない。
知識の体系といわれ、そう思い込まれているものをも、
疑ってかかれ、ということなのだ。
荒井さんは、小説家としても、評論家としても、
一流となった。
それはなぜか。
「いつも崖っぷちにいたから」
「良き誤解者に恵まれたから」
それが、荒井伸也であるとともに、
安土敏であるこの人をつくった。
私は、㈱商業界入社直後にお会いして、
一度で意気投合。
それ以来の32年のお付き合い。
「小説・スーパーマーケット」の初出「他人の城」の、
覆面作家と編集者としての関係、
サミットという企業の経営者と取材者としての関係、
人生の師匠と弟子としての関係、
最近ではゴルフの好敵手としての関係、
さらにコーネル大学ジャパンの副学長と首席講師としての関係。
これほど、私の人生に影響を与えた人はいない。
私が、商業ジャ-ナリストを続けてきたのは、
荒井さんが、「この世界に骨をうずめよう」との固い意志を持っていたからだ。
だから商人舎発足の会では、主催者代表としてご挨拶を頂いた。
そんな荒井さんとの対談。
心から、私は楽しんだ。
最後に荒井さんが言った言葉。
「商売十訓は、素晴らしい」。
「損得より先に善悪を考えよう」こそ、
最も大切な考え方です。
私は、本当にうれしかった。
荒井さんのスーパーマーケットに対する愛に溢れた対談だった。
心から感謝。
その後、急いで、品川へ。
㈱フランチャイズアドバンテージへ。
代表取締役社長の田嶋雅美さんはじめ幹部の皆さんと面談。
㈱成城石井社長の大久保恒夫さんのお引き合わせ。
この会社は「作業システムの改善」をコンサルティングテーマとしている。
私は、この切り口は、極めて重要だと考えている。
成城石井におけるオペレーション改革の実態を、
プレゼンテーションしていただいて、大いに感心。
その後、銀座で食事。
NHK製作局の末次徹さんが加わって、
銀座ブルガリの最上階のイタリアンレストラン。
大久保さんの行きつけのお店。
楽しいひと時。
大久保さんが、NHKの「プロフェッショナル」に出る。
10月下旬のこと。
末次さんはその取材。
私と田嶋さんは、取材のお手伝い。
おいしいシャンパン、おいしいワインが、
おいしい料理と相まって、
全員が饒舌。
楽しい夜だった。
大久保さんも、小売業の仕事を心から愛している。
私は、それが嬉しかった。
大久保さんは、コーネル・ジャパン第一期生。
だから「コーネリアン」と呼ばれる。
その大久保さんに、第二期の講師をお願いした。
もちろん快諾。
二講座を担当してくださる。
今日は、商業を愛する「知識商人」お二人と、
時間を楽しんだ。
「知識商人」が商業の現代化を成し遂げる。
私はますます、意を強くした。
<結城義晴>