市場を動かすために、損得の前に善悪で動け
ユニクロの8月の営業成績が、
2カ月ぶりに戻った。
既存店前年対比で5.6%プラス。
7月は、絶好調のユニクロとても、
天候不順に悩まされた。
これは、全国・全業態共通の現象。
それがたいていの場合、
8月にも持ち越された。
昨日のこのブログで指摘したが、
大手百貨店5社の8月の営業成績がそれを示す。
しかしユニクロは、すぐに立ち直った。
なぜか。
8月前半は、既存の「最良のベーシック」を徹底した。
その象徴は「ブラトップ」。
8月後半は、すぐに秋モノを投入。
これが牽引力となって、好調を取り戻した。
この9月でいえば、
夏休みが終わった現在のスローガンは、
「節約、倹約。もったいない」
そして、シルバーウィークのスローガンは、
「失敗を恐れない」
9月19日土曜日から、
20日日曜日。
21日は、敬老の日、
22日は、国民の休日。
23日は、秋分の日。
さらに24日、25日に休暇をとれば、
26日土曜日、27日日曜日までの、
何と9連休。
今日の日経新聞にこの指摘がある。
これは、消費マインドとして、妥当な認識。
だから8月のユニクロのように、
この時に何かをしかけなければならない。
意図する。
実行する。
効果をみる。
いま、意図が大切。
意図のない商売に、
顧客は反応してくれない。
Plan-Do-Check-Act
プランは多産多死。
意図がなければ動かない。
これがマーケティングの常道。
マーケティングとは、
市場を動かすことだ。
さて昨日は、電通の土井弘さん、
コンビニ経営の権威・小森勝さん、
スーパーマーケット現場指導の最高峰・鈴木國朗さんと、
名人会。
そこで出たこと。
民主党政権になって、
民主党が「官僚」を使いこなす、と言っている。
私は、日本の官僚機構には、
世界に誇るべき優秀な人材が集められていると思っている。
8月27日の日本セルフ・サービス協会臨時総会後の懇親会。
壇上に立って挨拶した名誉会長の清水信次さん。
「ニッポンの官僚は優秀だ。
少々、政治がふらついても、
まったく心配することはない」
私も同感。
だから民主党も、
官僚を使いこなすなど、考えない方がいい。
会社と同じだ。
省庁の大臣が社長。
高級官僚は、役員。
その下の官僚は、部長、課長、店長。
新任の社長が、
役員や部長を言いなりに使いこなそうとすれば、
反発する。
かといって、迎合すれば、
会社は変わらないし、うまくいかない。
まず、ビジョンを示す。
そしてそのビジョンを、
一緒になって達成する。
一緒になるためには、
ビジョンを共有する。
ビジョンを、共に、心から信じる。
そしてこのビジョンの根底にあるもの。
それは、今月の商人舎標語。
「損得の前に善悪で動け」
マックス・ウェーバーが言う。
「優れた官僚制は体制を問わず、公私を問わず必要」
そして、つづける。
「優れた官僚制を育てる意志のない独善は、
必ず批判の対象になる」
私の好きな日経新聞のコラム「大機小機」より。
すべてのもとにあるのは、
「損得の前に善悪で動け」
これだけは確かだ。
<結城義晴>