マクレガーのY理論とカーネギーの「人を変える9原則」
人間は誰でも、自分自身、
良くありたいと思っているはずだ。
それがなかなか貫けないのは、
人間が集団で生きるようになったからだと思う。
集団で生き、組織で仕事するようになると、
本来持っているものを、捨てなければならない場合が出てくる。
そして、人間は悪くもなる。
だから良い集団、良い組織とは、
一人ひとりが持っている良い面を、
捨てなくても済む人間関係をつくり出す存在である。
昨日は朝から、横浜の商人舎オフィスに、
㈱伊藤軒のお二人が訪れてくれた。
専務の中井としおさんと東京支店長の中村篤さん。
伊藤軒は、元治元年創業の京菓子の老舗。
中村さんが、10月の商人舎USA研修会に参加してくれるので、
その打ち合わせと顔合わせ。
アメリカ流通業のこと、
プライベートブランドのこと、
商品開発のこと、
そしてコーネル大学ジャパンのこと。
話題は展開し、拡大し、
マーケティング概念に至った。
中井さんと意見が一致したことは、
会社全体、店全体でマーケティングマインドを持つこと。
マーケティングマインドとは、
「お客様志向」ということ。
しかしそのお客様志向も、
ソーシャル・マーケティング・コンセプトとなってきた。
すなわち社会性を帯びてきた。
環境も、健康も、安全安心も、
社会性のあるマーケティング問題である。
午後は、東京・銀座へ。
パチンコ・チェーンストア協会で講義。
「一から始めるチェーンストア初級講座」
その6回目の最終回。
2時間ずつ6回で、12時間。
何度も延長したので、13時間を超えたか。
私自身、とても勉強になった。
今回は、特別に、
デール・カーネギーの『人を動かす』から引用して話した。
「人を動かす3原則」
①批判をしない。非難をしない。苦情を言わない。
②率直で、誠実な、評価を与える。
③強い欲求を起こさせる。
カーネギーの考え方は、
ダグラス・マクレガーの理論に基づいている。
マクレガーは、行動科学と人間行動理論の代表的学者。
著書『企業の人間的側面』で、有名なXY理論を提唱した。
X理論とは、「人間とは本来、怠け者である」と認識する。
だから「監督による管理」が必要と考える。
Y理論とは、「人間は自発的である」とする。
だから、「目標による管理」を優先する。
マクレガーはY理論に基づく「目標管理」の優位性を説いた。
私もカーネギー同様に、このマクレガーに賛同する。
もうひとつ、カーネギーの「人を変える9原則」
①まずほめる
②ポジティブに注意を与える
③自分の誤ちを話す
④命令せず、意見を求める
⑤顔を立てる
⑥わずかなことでも、ほめる
⑦期待をかける
⑧激励し自信を持たせる
⑨喜んで協力させる
①でまず、ほめる。
そして⑥でわずかなことでも、ほめる。
私は、「自ら、変われ」を説き続けている。
そんなイノベーターは、「人を変える」ことにも、
勤しまねばならない。
半年以上に及ぶ講義。
最後まで清聴してくださって、こころから感謝。
とりわけ人事部会担当理事の㈱アメニティーズ社長・金本朝樹さん、
人事部会リーダーの㈱ニラク人資部統括マネジャー・末次秀行さんには、
お世話になった。
お礼申し上げたい。
その後、ちょいと品川のパシフィックホテルへ。
ロビーには「秋」のデコレーションが。
中間徳子さんと待ち合わせて、打ち合わせ。
FMIジャパン事務局長であり、コーネル大学RMPジャパン事務局。
その後、ブルーチップ㈱常務の宮本洋一さん、
ブルーチップ総合研究所代表の山本義昭さんと打ち合わせ。
山本さんに、コーネル・ジャパンの第二期講師をお願いした。
即座に快諾いただいて、写真。
私はずっと、「性善説」で人に接してきた。
人間は、本来、自発的で、
自己実現の欲求を強くもつものだと考えている。
人によって程度の差はあるかもしれないが。
その自己実現を応援するのが、
私の役目だと思っている。
だから人を貶めることは、しない。
人をほめる。
ポジティブに注意を与える。
辛口であっても、悪口は言わない。
そうして、生きていきたいと思っている。
さて、突然だが、
明日からアメリカ。
<結城義晴>
1 件のコメント
伊藤軒の中井です。
ブログに載せて頂き恐縮です。長時間に渡ってお話有難うございます。私共のように、不勉強な人間でも分かりやすくお話して頂いた結城様の姿勢に感激を受けました。
マーケティングを語れる程理解しておりませんが、マーケティングを単なる販売活動程度でしか認識されていない企業が多きように感じます。もっと、マーケティングの重要度を理解するべきだと思います。
極論になりますが、経営があって、マーケティングがある訳ではなく、マーケティングがまずあり、これを組織的にサポートする体制を築くのが、経営だと考えております。
マーケティングをもっと深めて勉強して行きたいです。今後とも、ご指導ご鞭撻の程をお願い致します。