鹿島茂「最悪の政治は倫理で、最良の政治は健全な欲得で動く」
Everybody! Good Monday!
Good MornigやGood nightがあるのだから、
Good Mondayがあってもよろしい。
そういう趣旨で始めた月曜日だけの呼びかけ。
もう2年にもなります。
シルバーウィークの中の「敬老の日」
息子が父親を敬老する。
娘が母親を敬う。
これは、すんなりする。
しかし、当の老人。
敬老されて、納得するのは、
いくつくらいからだろう。
私も、今年に入ってから、
若者に電車の中で「優先席」を譲ってもらって、
不思議な気分になった。
60歳からか、65歳からか。
あるいは70歳からか。
いずれにしても赤の他人から譲られることは、
当の老人もよしとしない。
直接の行動は、
やはり身内にするべきだろう。
だから今日は、
父母に感謝する。
祖父祖母を敬う。
まず、そこから。
誰にでもできる自分の父母、自分の祖父母への、
心からの感謝を。
さて、今日、敬老の日、
明日は国民の祝日、
そして明後日は秋分の日。
今週は、一般のサラリーマンにとって、
木曜・金曜だけが仕事の日。
今日、鳩山由紀夫首相が訪米し、
明日、ニューヨークで国連気候変動サミットに出席。
「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減」の中期目標を表明する。
さらに、「鳩山イニシアチブ」も提唱。
これは途上国の温暖化防止対策を支援するもの。
「鳩山イニシアチブ」
鳩山首相、このあたりは巧い。
「政権交代」のシンプルな標語で、
政権交代してしまった巧みさがまた、出た。
今日の日本経済新聞「インタビュー領空侵犯」
フランス文学者の鹿島茂さん。
私は、鹿島さんの、ファン。
鹿島さんは言う。
「最悪の政治とは倫理観で動く政治です」
ヒットラーのファシズムは、最初は倫理観から登場し、
最後はホロコーストに至った。
「次に危険なのが今のようにイメージや人気で動く政治」
鳩山、小泉政治は、二番目に危険だという。
「一番良いのは欲得ずく、
それも先の先まで考えた健全な欲得で動く政治です」
「健全な欲得」
鹿島さんらしい表現の仕方で、
私、政治に対しては、同感。
しかし、政治における健全な欲得は、
無欲の倫理観に基づいていなければならない。
だから鹿島流の言い回しは、
循環していることになる。
今月の商人舎標語。
「損得の前に善悪で動け」
これは、商人に向けた標語。
知識商人は、「損得の前に善悪で動く」
結果として、利益に結びつく。
鹿島さんは続ける。
「政治家はプロフェッショナルな職業。
そう認識して国家的に養成するシステムをつくれ」
私は、職業人はプロフェッショナルでなければならないと考える。
とりわけ経営者は。
だから「養成のシステム」が不可欠。
コーネル大学リテイルマネジメント・プログラム・オブ・ジャパンは、
流通業・食品産業の経営者養成機関。
鹿島さんは、提案する。
「野球のメジャーリーグのように、
政治家を1部、2部、3部とリーグ制に分け、
段階的にキャリアを積ませる。
最初は市町村長を経験させる。
次は都道府県知事か政令指定都市の市長。
それから国会議員」
サラリーマンは、まさにこれ。
政治家もサラリーマンのように育成する。
小さな単位でのリーダーシップ。
中くらいの単位でのリーダーシップ。
しかし、最後の、たった一人のトップには、
また、特別の教育が必要だ。
鹿島さんは言う。
「フランスに国立行政学院という超エリート養成機関がある。
一流大学を出た人材が入る。
官僚として働いた人が経験を踏まえてもう一度、勉強する」
最後に、鹿島さん。
「市町村長から始めるのが一番いい」
経営者を育てるのには、
小さな会社の社長から始めさせるのが、一番いい。
ファーストリテイリングの柳井正さんは、
小郡商事という小さな店の社長から始めた。
「何でも、自分で、した。それがよかった」
こう述懐する。
鹿島茂の政治家養成システム。
私も大賛成。
ただし、すべての商人は、
「損得の前に善悪で動け」
今週も、
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>