ウォルマートが始めた「プロジェクト・インパクト」とさらに凄い事
9月の新車販売。
日本では、17カ月ぶりに増加し、プラス0.2%、
アメリカでは、22.7%のマイナス。
9月のカジュアル・ファッションの販売。
日本では、ユニクロ31.6%のプラス、
アメリカでは、ギャップ、リミテッド、アバクロ全滅。
総合スーパーとスーパーセンター。
日本のイトーヨーカ堂30店舗閉鎖の決定、
米国ウォルマートは「プロジェクト・インパクト」全面展開。
対比的な姿をみせる日米。
私は、いま、そのアメリカ・アリゾナ州。
ウォルマート改革の真っただ中にいる。
しかし、昨日は私の部屋のインターネットがつながらず、
携帯電話のメールからブログアップ。
体調も徐々に回復気味だが、全快まではほど遠く、
それでも、気力を振り絞って、局面に対応。
私は、追い詰められてからが、意外に、強い。
さて、現在を取り戻すために、
2日前に時間を戻す。
9月30日、成田国際空港。
商人舎第4回USA視察研修会の結団式。
最初に私から趣旨説明。
そして今回の団長さんのご挨拶。
坂野邦雄イオン㈱執行役SM事業最高経営責任者。
姫路のウェルマート常務時代から私、20数年のお付き合い。
出発直前に、全員で記念写真。
サッカーの試合前にイレブンで写真を撮る感じ。
そしてアメリカン・エアーラインで、11時間。
ダラスからフェニックスまで2時間30分。
気温35度のフリーウェイを走る。
一番初めにウォルマート・スーパーセンター。
最新タイプにリニューアルしたばかり。
400坪の小型店マーケットサイドのレディ・ミールが、
入り口わきでアイランド・ディスプレイされている。
この平ケースのトップに「Marketside」のロゴマーク。
何とウォルマートは、多種フォーマットの、
融合化戦略を取り始めている。
メンバーシップ・ホールセールクラブのサムズのPBを、
ウォルマートで売り込んできたし、
今回はマーケットサイドの肝の売場を持ってきた。
青果売り場の中に、米のバルク平ケース。
これも、まったく新しい。
そして、主通路上にあった「アクション・アレー」の全廃。
そう、あの100もあったアイランド・ディスプレーを、
すべて、除去しているのだ。
その結果、圧倒的に買物がしやすくなる。
そしてこのイノベーションを施した店は、
資本支出が36.7%減少し、
既存店の売上高は前年比3.2%増加し、
営業利益率は7.1%も増加した。
ウォルマート・スーパーセンターのこのエリアのシェア17.6%、
サムズ・クラブのシェア4.8%、
ネイバーフッドマーケットは1.9%、
トータル24.3%で、企業としてナンバーワン。
ウォルマートの攻勢に、
地元アリゾナのローカルチェーン・バシャスは、
連邦破産法11条適用申請。
しかしもちろん店舗は営業していて、
10,000品目のプライスカット政策を断行。
しかし、顧客は冷淡。
反応せず。ピクリとも。
バシャスはグループ158店で、シェア15.4%。
シェアはここ数年下がり続けている。
一方のアリゾナの雄・フライズのマーケットプレースというフォーマット。
全米小売業第二位・スーパーマーケット第一位のクローガー傘下。
このエリアに88店展開していて、
マーケット・シェア18.7%。
こちらもじりじりと下がっている。
「プライス・バスターズ」や、
「バリュー」という名のコンペティティブ・ブランドを前面に出して、
対抗する姿勢を見せるも、やはり遠く及ばない。
かつての両雄バシャスとフライズにぐっとプレッシャーをかけておいて、
ウォルマートは「プロジェクト・インパクト」を断行した。
しかし、それだけではなかった。
もっと凄いことが、このアリゾナで、
実験されていたのだ。
マーケットサイド以上に衝撃的な新フォーマット実験である。
私たちは、それに遭遇してしまったのだ。
詳細は、徐々に、報告の予定。
さて、ホテルに帰って、2時間の講義。
それから、サンプル試食会と懇親会。
全員に一言ずつ語ってもらった。
今回は、「小型店研究特別研修会」だけあって、
皆、自分の問題意識を明確に持っている。
それがとてもいい。
坂野団長と乾杯しながら、それを喜んだ。
しかし喜ぶのはまだ、序の口だった。
<つづきます。結城義晴>
2 件のコメント
お元気様です
いつもブログ拝見しております
ローカルスーパーで鮮魚を担当しております
昨今の不振を極める鮮魚をどうやってもり立てるか
悩み苦しむ日々ですが
結城さんのCDや先輩方のお話を聞き 勉強しながら
取り組んでおります
大変な時代ですが お客さまの幸せのため
みんなの幸せのため 地域の幸せのために
努力していきたいと思います
これからもさまざまな形でご指導賜りたいと
思っております よろしくお願い致します
宮澤賢治の故郷から様、
ありがとうございます。
お元気様です。
鮮魚部門は大変な時代です。
こちらでは、魚や寿司のコーナーが、
少しずつ充実を図っていますが、
世界一の日本では、今、低迷期に入っています。
一段のイノベーションが求められますが、
企業や店におけるシーフードの位置づけを今一度、
やり直さねばならないと思っています。
それから、魚に関する消費者への情報提供や消費者教育も、
必要と感じます。
頑張ってください。