「散弾銃の価格競争」から「ライフル銃の競争」へ
大企業の冬の賞与は、
前年比15.91%のマイナス。
日本経団連の調査と発表。
従業員500人以上の東証一部上場企業、
14業種99社の平均。
マイナス幅が16%に近づき、
1959年の調査開始以来最大。
しかし平均妥結額は74万7282円。
大幅減少しても、75万円は、でる。
これが中小企業となると、
軒並みボーナス無しレベルの会社となる。
だから今年の年末商戦、
「厳しくて、遅い」
ぎりぎりまで消費は動かない。
「節約、倹約。もったいない」のマインドが、
ぎりぎりまで続く。
その自分の顧客の気持ちに、
いかに同期できるか。
私は、ここにかかっていると思う。
さて先日の世界経営者会議の柳井正さんの発言。
ファーストリテイリング会長兼社長。
「経営をするなら、
いつも危機と思わなければいけない。
逆に本当の危機の時、
経営トップは『危機だ」などと言ってはいけない。
悠然と構えて、
『いや、自分たちの未来はこうするんだ』と社員に語り、
高い目標を掲げなければいけない」
そのとおりだと思う。
「商品を売る前に、
店を売り、企業を売る。
ブランド、イコール信用を、
つくっておくことが大事だ」
これにも、大賛成。
「企業ロイヤルティやストアロイヤルティは、
ブランドロイヤルティに優先される」
これは、結城義晴の持論。
さて、昨日は、東京・お台場。
ホテルグランパシフィック。
「全日食躍進チェーン大会」
地下1階のパレロワイヤルに3000人からの人々が集まった。
第1部は記念講演。
早稲田大学政治経済学術院の若田部昌澄教授が講演者。
テーマは「経済危機を克服する」
現在の経済危機の実態を明らかにし、
危機克服のヒントを歴史に学ぶ。
こういう構成。
ここでいう歴史とは、1929年の世界恐慌。
そこからの学習成果は、「金融緩和」。
だから若田部さんは、今、
金融大緩和が危機克服策だと主張する。
財政政策だけの片肺飛行は最悪だという。
私は、その先が聞きたかった。
その先どうするのか。
残念ながら、
それは皆さんが考えること、
皆さんがやること。
そんな風に聞えた。
講演会の次は、第2部・チェーン大会。
大会会長挨拶は、
全日本食品㈱代表取締役社長の齋藤充弘さん。
全日食チェーンのリーダー。
齋藤さんの話が面白かった。
現在の価格競争をたとえて、
「誰かが勝つ競争ではなくて、
誰も勝たない競争」という。
だからそこから脱しなくてはならない。
しかし、「価格競争に負けてはいけない」
そのとおり。
価格で勝つことは、できない。
たとえ価格で顧客を捕まえても、
価格でその顧客をとられる。
しかし価格競争で負けては、
「高売りの店」の烙印を押されてしまう。
齋藤さんは、どうすればいいといったか。
「現在は散弾銃の価格競争。
私たちは、ライフル銃の競争をする」
すなわちZFSPと呼ばれる技術の開発である。
FSPはフリークエント・ショッパーズ・プログラム。
その全日食チェーン版が、ZFSP。
新規顧客を上位顧客にする。
その上位顧客がスーパーマーケットの50%の売上げを占める。
上位顧客をライフル銃で狙う競争。
それが全日食チェーンの「新・商品政策」の次にくるもの。
いい話だった。
メーカーや卸売り業の人々にもよくわかるはず。
1時間の休憩の後は、祝賀会。
冒頭に、江刺公夫さんの挨拶。
全日食チェーン商業協同組合連合会副理事長。
そして衆議院議員・小泉進次郎さんの来賓祝辞。
こんなに人が集まって、写真。
人気は高い。
自民党代議士のなかで、恐らく人気だけはナンバーワン。
その後、経済産業省商務流通審議官の瀬戸比呂志さんの祝辞。
続いて、農林水産省からは、関東農政局長・皆川芳嗣さん。
そして乾杯。
乾杯の音頭とショートスピーチは、澤田浩さん。
日本製粉㈱代表取締役会長兼社長。
懇親会は、大盛況。
たくさんの人にお会いしたが、
ダイジェストで写真紹介。
まず、廣田正さん。
㈱菱食特別顧問。
コーネル大学RMPジャパンの11月に講師として、
ご出講いただく。
さらに㈱菱食会長の後藤雅治さん。
このブログのご愛読者。心から感謝。
国分㈱会長兼社長の國分勘兵衛さん。
デジカメについて、情報交換。
そして明治屋相談役の磯野計一さん。
磯野さんもお元気で、私、うれしい。
今週はよく会う伊藤園の本庄大介社長と本庄周介専務。
それに商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦。
ハウス食品㈱社長の浦上博史さんと会長の小瀬昉さん。
㈱ロッテ取締役副会長の重光宏之さん
寺岡精工㈱社長の寺岡和治さん。
その寺岡専務で、㈱テラオカ社長の高野公幸さん。
そして日本食糧新聞社社長の今野正義さん。
ジャーナリストの大先輩。
最後に、田中彰さん。
全日食チェーン商業協同組合連合会理事長。
田中さんは、現在、全日食チェーンの精神的支柱。
日本のボランタリーチェーンの精神的な柱といってもいい。
最後の最後はこの人、
全日本食品社長の齋藤充弘さん。
中締の挨拶と万歳三唱の音頭は、寺岡さん。
元気の良い万歳三唱だった。
番外で、内輪の紹介。
まず、コーネル・ジャパン第二期生から。
三井食品㈱執行役員量販営業本部本部長の稲田雄司さん。
もう一人、コーネル第二期生。
国分GMS事業部副部長の山崎佳介さん。
そして今週、何度も会っている㈱商業界の仲間。
山本恭広『食品商業』編集長と中嶋正樹取締役営業統括。
長い付き合いの仲間と歓談し、飲酒していると、
時間はすぐに過ぎる。
そしてこんな感じになる。
齋藤充弘さんの話と柳井正さんの言葉が、
頭に残った。
小売業にとって、
店のブランド化は、第一の条件。
Zチェーンもユニクロも。
これは間違いない。
人間にとっても、
自分のブランド化は,
もしかしたら第一の条件かもしれない。
<結城義晴>