小沢一郎・鳩山由紀夫の猿芝居と菅直人・竹中平蔵のテレビ番組型論争
小沢一郎と鳩山由紀夫。
菅直人と竹中平蔵。
鳩山内閣の方針転換。
主要マニフェストの転向。
小沢幹事長の民主党に寄せられた「国民の陳情」は2800件。
この「国民の意志」を盾に、マニフェストを変える。
「ガソリンなど暫定税率維持」
「子供手当・高校無償化」
「高速道路無料化」
「農業の戸別所得補償導入」
首相官邸に乗り込んだ小沢幹事長以下の面々。
まあ、猿芝居と国民の目に映ったことは確かだろうが、
私は、鳩山内閣と民主党の「豹変」は、
必ずやってくるし、それが必要だとも考えていた。
だから驚くことでも、怒ることでもない。
ただしこの猿芝居は、なんとかならぬものか。
もっと、スマートなやり方があるだろうに。
政府と党が議論し、意思決定し、
決然と国民に表明する。
その方が、いわゆる「カッコいい」。
一方、菅現経済財務大臣と竹中元経済財務大臣。
朝日新聞では、対立性を指摘。
「経済の供給側と需要側のどちらを優先するか」
そのとおりで、これは、意見の対峙。
これが鮮明になってきたことは、実によい。
そして国民は、「需要の優先」を選択した。
小泉&竹中以前の自民党は、
明らかに供給側優先。
そして小泉・竹中も供給側優先。
ただし、後者は規制緩和と改革政策によって、
供給側から立て直しを図ろうとした。
しかし実行が遅れた。
小泉も首相を降りた。
すなわち、「実行」はできなかった。
だから、国民が選択した。
「需要優先」を。
菅対竹中の新旧経済財務相論争は、
こちらはテレビ番組型。
言いたいことを言いあって、
論争に見えるが、
時間は限定されていて、
結論も実は明々白々。
ただし、小沢・鳩山の猿芝居と、
菅・竹中のテレビ番組は、
つながっていなければならない。
「需要優先」の実行という方向に。
一定レベルで、その結末を、
私たち国民に見せてほしい。
私たちがその道を選択したのだから。
私たちの責任として。
さて、今日のニュースからの発言。
日経新聞の今日の「人こと」。
ニチレイの村井利彰社長。
「食品メーカーとして、
原料をつくる農家を支えるのは使命だ」
謙虚さとミッションがこもった言葉。
良いし、正しい。
「原料から差異化を進めないと、
消費者から選ばれなくなる」
マニュファクチャーの社会的役割。
一方、今日の日経MJ「総合小売りページ」の囲み。
赤松広隆農林水産大臣がイオンの農場を視察。
「強いものがバンと現金持って、
何でも産地で買うのはいいのか」と、
発言していたが、
イオン岡田元也社長が、
「文字通り畑違いの我々の活動が刺激になり、
農業全体の活性化になれば」と発言し、
赤松視察につながったもの。
視察後の赤松発言は、
「他の企業にもこれくらいやってもらう(もらいたい?)ほど、
意義は大きい」と一変。
農業支援なのか、
農業支配なのか。
しかし、小売業は「工場を持たないメーカー」。
「農場を持たないメーカー」でもある。
私は、ニチレイ村井派である。
ときがそれを証明するに違いない。
もちろんイオンやイトーヨーカ堂の農場経営に、
水を差すつもりは全くないし、
農場の現場で奮闘する人々には、
心から応援のエールを送るものだ。
しかし、私には自信がある。
歴史がそれを語っている。
そして歴史に学ぶとは、
あくまでも謙虚になることだからである。
<結城義晴>