セブン&アイ鈴木さん、ユニクロ柳井さんから成城石井・大久保さん、サミット田尻さんまで。
今日は、日経新聞に鈴木敏文さん、
朝日新聞に柳井正さんが出た。
セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木さんは、
「そこが知りたい」という連載第一回目のインタビュー。
もちろん企業総合のページ。
一方、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井さんは、
なんと文化欄に登場。
デフレ経済下の成長戦略の進め方に関して、
鈴木さんの答え。
「従来のモノの消費だけでなく、
増え続けるサービス消費を取り込むこと」
「『新しさ』と『品質』を追求し、
顧客の利用頻度を高める」
総合スーパーのイトーヨーカ堂の立て直しについて。
「経営体質を変える」
「問屋に頼る商売を改め、
商品全体を見直す方針」
セブン-イレブンの既存店売上高前年割れが続く状況に関しては。
「従来の延長できたため曲がり角にあるが、
これを機会に新しい時代のコンビニに変わろうとしている」
ちょうど、日本フランチャイズチェーン協会が、
11月のコンビニ売上統計を発表。
既存店前年同月比は、マイナスの6.3%。
6カ月連続の前年割れ。
統計を取り始めて2番目の落ち込みとなった。
セブン-イレブンはマイナス5.4%、
ローソンがマイナス6.7%、
ファミリーマートはマイナス4.9%、
サークルKサンクスは、9.4%マイナス。
鈴木さんの冒頭のコメント通り、
セブン-イレブンは、
住民票と印鑑証明書受け取りサービスを開始する。
まずは来年2月、東京都渋谷区、三鷹市、千葉県市川市から。
5月には全1万2000店強の店舗群でこのサービスを展開。
総務省も全面協力で、各自治体に働きかける。
コンビニはもはや社会のインフラとして、
不可欠の存在となっている。
その機能は高まるばかり。
ただし手数料300円前後は、加盟店舗にとって、
どれだけのメリットになるのか。
鈴木さんの言う「サービス消費の取り込み」の方向に、
店舗が機能拡大していることは、はっきりと見える。
柳井さんは、意欲的だ。
「一企業の中に、
失われかけた『理想的な日本』を、
再建していきたい」
海外に店舗展開して気付いたことがある。
それは「日本の力」。
「日本の一流企業の工場には、
『つくらされている』と思って働く人は少ない。
全員がものすごく考えながら働いている。
この現場の力こそが日本の力でした」
だから柳井さんは、
「単純労働をするな」と強調している。
「我々が言う『日本』というのも、
現実には存在しない理想形です。
でも一企業の中でなら、
『理想的な日本』を再建することは可能です」
政治学者だったドラッカー先生は、かつて、
資本主義にも社会主義にも失望した。
そこで、組織で仕事をする社会の到来を予測し、
マネジメントの研究に入った。
ドラッカーのマネジメントは、政治哲学でもあるのだが、
柳井さんの経営は、どんどん哲学的になってきている。
混迷する日本社会の中に、
「会社というユートピア」を、
つくろうとしている。
ダイエーの中内功さん、
セブン-イレブンの鈴木敏文さん、
彼らに次ぐ柳井さんは、
新しいタイプの知識商人となりつつある。
さて昨日は、忙しかった。
午前中は横浜市西区北幸の町内移動。
㈱成城石井本部を訪問。
大久保恒夫社長と面会。
大久保さんは今年、コーネル・ジャパン第一期生として、
「伝説の一期生」の核となってくれた。
会社でも、1年間、教育に最重点の力を入れた。
だからデフレが進み、不況の真っただ中にある現在も、
成城石井の店舗は、絶好調。
大久保さん自身、NHK『プロフェッショナル』出演以来、
多忙を極めている。
その忙しい中で、来年は、
コーネル・ジャパン講師を引き受けてくださった。
しかし、経営の話になると、
「毎日のように店を回っています」
現場第一主義は変わらない。
そして、「最後は人が決め手です」
大久保さんに会っていると、
本当に心が和んでくる。
来年は「二人のビッグショー」を実施することを約して、
この場は、お別れ。
午後は、東京・西永福を訪問。
サミット㈱田尻一社長に面会。
今年もサミットにはお世話になった。
コーネル・ジャパンのオペレーション編では、
二日にわたって、松戸新田店をつぶさに視察させていただいたうえ、
工藤静夫常務はじめ店舗サポート部の面々には、
貴重なレクチャーをいただいた。
そのお礼と来年のお願い。
そのうえで、スーパーマーケット経営についてのディスカッション。
田尻さんとの会話はいつも、そこに行く。
現在、サミットがやろうとしていること、
その確かさを聞かされて、私、
納得しつつ、了解する。
いずれにしても
「異業態間競争」はどんどん激化していく。
強く意識しておかねばならない。
私は、そう考える。
玄関まで送っていただいて、恐縮。
その後、7時から築地。
USP研究所の忘年会出席。
當仲寛哲代表取締役所長の冒頭挨拶。
當仲さんは、コーネル・ジャパン講師であるし、
商人舎コンピュータ・リテラシー研究会座長。
大活躍の1年だった。
忘年会には90人を超える人々が集まって、
ふぐ料理を堪能しつつ、会話に花を咲かせた。
私は、大久保恒夫さんと並んで、
ビール、赤白ワインにヒレ酒を飲みすぎて、
宿酔い。
小林麻里さん、鹿野恵子さん、田中麻衣子さん。
商業界を卒業した才女たちが集まって、
これも、私は嬉しかった。
1年に一度くらいは、
こんな気分爽快の酔い方があってもよい。
かくて2009年末は、過ぎてゆく。
<結城義晴>
1 件のコメント
運用サイドからみれば大規模化、多様化、複雑化に拍車は掛かれど、挙句の果てに、サービスすらコモディティ化されて適正利潤すら生み出さない。
10年来の曲がり角も、とうに一周して円を描いてる。
生まれ変わる、、、本当の意味で生まれ変わる必要があるのですが、ここにいたっては誰も指摘できない。