2月の商人舎標語は「質の良い売上げ・質の良い仕事」
Everybody! Good Monday![vol5]
2010年2月第1週です。
私たち㈱商人舎がスタートしてから、
ちょうど2年が経過しました。
すべての人々に、心から感謝しつつ、
3年目の第一歩をを踏み出したいと思います。
「朝に希望、昼に努力、夜に感謝」
そのうえで、世の中に貢献できれば、
これ以上のことは望みませんし、
これ以上の喜びもありません。
商人舎のスローガン。
「自主独立、自己革新、社会貢献」
このことを確認しつつ、
「商業・サービス業の現代化」へ向けて、
地道な活動を続けたいと、
決意を新たにするものです。
よろしくお願いいたします。
さて、今年のスローガン。
“Practice comes first!”
[実践躬行・実行第一]
そのうえで、2月の商人舎標語を発表します。
「質(たち)の良い売上げ・質(しつ)の良い仕事」
不況になると、「質の悪い売上げ」が紛れ込んでしまいます。
特に、決算月の2月や3月には、気をつけねばなりません。
質の悪い売上げとは、一言でいえば、
「顧客の満足とは関係なく生じる売上げ」のこと。
もちろん現実的には、
質の悪い売上げが生まれることもあります。
全否定はしません。
しかし顧客満足をつくりだしたうえで、
それを売上げにすることは、
難しいし、しんどい。
質の悪い売上げのほうが、
易しいし、楽です。
「難しくて、しんどい仕事」が、
「質の良い仕事」です。
そして「質の良い仕事」は、
「質の良い売上げ」を生み出します。
「自然、必然、当然」(武者小路実篤)
一番怖いのは、
「質の悪い売上げ」が、
癖になり、習慣になり、習性になり、
やがて組織の風土になってしまうことです。
それだけは避けなければらない。
特に2月・3月の決算期には、
「質の悪い売上げと質の悪い仕事」を退けなければならない。
それが今月の商人舎標語の意味。
「質の良い売上げ・質の悪い売上げ」という概念や言葉は、
㈱東武ストア社長の玉置富貴雄さんに教えていただきました。
心より感謝いたします。
玉置さんとお話しているときに、
私はピーター・ドラッカー教授の「質の良い資金」のことを、
思い浮かべました。
ドラッカーは、「目標の8つの領域」を明らかにしています。
1.マーケティング
2.イノベーション
3.生産性
4.人
5.モノ
6.資金「たちのいいお金」
7.社会的責任
8.「必要条件」としての利益
この6番目の「たちのいいお金」は、
資金のことですが、
私の頭の中で、それが、
玉置さんの「質のいい売上げ」につながったのでした。
そしてそのためには「質の良い仕事」が不可欠です。
結果として「必要条件としての利益」が生まれます。
「売上げ至上主義の否定」が叫ばれます。
私も賛成です。
それは至上主義の売上げは、
「質の悪い売上げ」になりやすいからです。
2月・3月は、
「質の良い売上げ・質の良い仕事」
これが目標となります。
この標語は、既に、
先週1月29日付けの「毎日更新Review」の前づけレターで、
発表させていただいております。
ちなみに、今日2月1日の日経新聞の巻頭コラム「春秋」で、
偶然にも、「質」という言葉がテーマにされています。
白川静さんの『常用字解』から引いて、
「『質』という字は、
おのを表す2つの『斥』と『貝』から成る」
「質とは、鼎にふた振りのおので、
重要な約束を刻むこと」と、説明しています。
春秋は最後に、言います。
「『質』という漢字は、
企業に警鐘を鳴らしているようにみえる」
私も同感。まったくの偶然。
「質の良い売上げ・質の良い仕事」
よろしく。
さて、その日経新聞の一面トップ記事。
「流通・サービス業人材定着」の見出し。
その最大の理由は、不況だという。
不況で離職率が減って、
人材が定着したというわけ。
まだまだ、です。
不況が深刻化したり、失業率が高まったら、
人材の定着率は、どんな業種でも高まる。
それが去ると、流通・サービス業では、
人材が定着しなくなる。
この記事、この見出しは、そう言っています。
しかし、定着率は、企業自体の特有のものであるはず。
会社に入ってきた人材が、辞めない。
喜んで働き続ける。
そんな企業は、流通業・サービス業にも、多数存在します。
まだまだ全体として見ると、定着率が低い、離職率が高い。
これは「商業現代化」にとって、
越えなけらばならない大きな壁。
アメリカの『Fortune』誌の「働きたい企業100ランキング」は、
その意味で、凄いことです。
ウェグマンズもナゲット・マーケットも、
ホールフーズもノードストロームも、
凄い企業です。
私たちはそれを目指す。
そのためにも「質の良い売上げ・質の良い仕事」
最後に、2月のおさらい。
もう間近に迫った「節分」。
豆まきの風習よりも、
最近では「恵方巻き」のほうが、
商売になるのか、
スーパーマーケットもコンビニも、
太巻き寿司に力を入れる。
もちろんそれも大切。
しかし、節分は、季節の分け目。
翌日の「立春」の喜びを、確認する日。
「小さな喜び、ささやかな幸せ、明日への希望」
そのための古来からの風習。
このことを大切なお客様に伝えたい。
そして今年は日曜日になりますが、
14日のセントバレンタインデー。
これは、世界各地で「男女の愛の誓いの日」とされています。
女性から男性にチョコレートをプレゼントするだけの日ではありません。
「男女の愛の誓い」を大切なお客さまに訴えたい。
私は、こういった風習や習慣こそ、
人類の知恵だと思います。
自らを励まし、地域社会を活性化させる知恵。
だからその本来の精神を確認したいし、
広めたい。
それが商売にとっては、
「客層を広げる」という王道につながってきます。
王道といえば、
「質の良い売上げ・質の良い仕事」
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>