銀銅メダルの後ろに「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」の永守信条あり
バンクーバーの冬季オリンピック。
スピードスケート男子500mで二人のメダリストが出た。
銀メダルの長島圭一郎選手、
銅メダルの加藤条治選手。
二人は同じ会社・日本電産サンキョーに属する。
旧社名・三協精機製作所のほうが通りがいい。
日経新聞の一面巻頭コラム「春秋」が取り上げている。
2003年度まで3年連続赤字で、
日本電産に買収され、現在に至る。
その日本電産社長の永守重信さんの持論。
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
日本電産は30坪の工場から始まった。
ハードディスク駆動装置のモーターで世界首位の企業となった。
その永守さんの信条こそが、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
それが今回も、
長島、加藤両選手に貫かれていた。
旧三協精機買収後の再建の間も、
永守さんはスケート部を廃部にはしなかった。
そして永守さんは、
「金メダルをとってこいよ」と選手を送りだした。
だから、金メダルをとるまで、
スケート部は、あきらめないに違いない。
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
いい話だ。
私の本『メッセージ』の第7章[経営と組織]
「ウォルマートになぜ、大企業病がないのか」から。
そのためにウォルマートは三つの原則をもつ。
知らせる。すぐやる。徹底する。
ウォルマートには三つの鉄則がある。
知らせる。すぐやる。徹底する。
朝日新聞経済欄のコラム「経済気象」
「民を貴しとなす」のタイトル。
トヨタの大量リコール問題。
「運転者の感覚や反応への気配り」を欠いた。
コンピューター制御による最新技術ブレーキシステムを、
「誰もが当たり前に操作できるはず」と思い込んだ。
バーナンキ米連邦準備制度理事会議長。
米議会で辛くも再任承認。
オバマ民主党。
マサチューセッツ州で連邦上院補選に敗北。
日本政界では自民党の拙攻。
国民が何を切実に求めているかの理解がない。
だから鳩山政権の支持率が下がっても、
自民党の支持率は上がらない。
「グローバル化を背景に広がる『ポピュリズム』を、
経営者も政治家も官僚も理解できていない」。
ポピュリズムとは「大衆迎合主義」と訳される。
しかし「民を貴しとなす」に改めるべきだ。
私たちの日本国憲法。
「主権が国民に存することを宣言」する。
そのうえで、基本的人権の尊重と平和主義。
この三つの考え方を謳う。
すべての小売業・サービス業も、
この三つの考え方を基盤としている。
「ポピュリズム」に対して、
「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」
「民を貴しとなす」に対して、
「知らせる・すぐやる・徹底する」
政治家や役人だけではない。
実務家にこそ「ポピュリズム」は不可欠だ。
<結城義晴>
2 件のコメント
トヨタリコールで思うこと。
ハーバードビジネススクールのケーススタディで、日本からはトヨタの「カイゼン、ジャストインタイム」が取り上げらていると聞いたことがありました。
トヨタ関係者の「ブレーキ操作に違和感を覚えてもしょうが無い。」との発言は、最新のテクノロジーを過信するあまり、「機械に人間が合わす」との思想に思えてなりません。
「人間にあった機械」思想の本末転倒では?
との思いがしました。
いまちゃん、いつもありがとうございます。
人間の仕事の機械化、生鮮食品の工業化。
そういったものがインダストリアリズムの根本思想でした。
しかしそのことで、顧客の人間性を無視しては、
本末転倒となります。
現代化はそのことに対する反省からスタートします。
地球環境問題も、人間にとっての環境を考えることであって、
人間抜きの物理的環境問題を論じても意味はありません。
地球がモノを考えることができると仮定しても、
地球はそんな小さなことには目もくれないでしょう。
太陽との関係をいちばんに考えているはずです。
人間抜きの環境問題、
人間抜きの便利さ問題、
いったい何を目指しているのか、
本末転倒のおかしさに気づかねばなりません。