セブン-イレブンの「エコストア」と「ワンアジア財団」と『小売業界&物流業界大研究』
2010年桜シリーズ第6弾。
[これも姉ヶ崎]
「桜の森の満開の下」
坂口安吾だが、現在はネットで読むことができる。
変な時代だ。
安吾が生きていたら、
小躍りして喜ぶに違いないが。
今日の日経新聞一面トップ記事は、
「セブン-イレブン」省エネ店舗世界に2万店
同社が「環境配慮型店舗」すなわち「エコストア」の、
国際標準店を開発していることをスクープ。
5年後に世界全店の約40%、2万店をエコストア化する。
国内は5000店が目安。
このエコストアは現在の店舗投資額より20%ほど高くつくが、
店舗段階の消費電力を約30%削減し、
同時に内装・外装資材の一括購入で店舗コストを抑え、
現在の既存店と同等の投資で済むという設計思想をもつ。
LEDの看板・店内照明、
冷凍機の廃熱利用の給湯設備、
太陽光パネルによる発電、
一部店舗では電気自動車用の充電器も装備する。
もちろん二酸化炭素削減をはじめとした環境対策によって、
21世紀型の「エコ・コンビニ」が誕生することになる。
アメリカのウォルマートは、積極的にエコストアをつくっている。
それを企業のミッションにしている。
現在世界16カ国に3万7500店をネットワークするセブン-イレブンは、
世界最大のブランチを持つ企業。
私の単行本『小売業界大研究』のプロローグは、
ウォルマートとセブン-イレブンとウェグマンズで構成されているが、
前二者が「エコストア」開発の先鞭をつける。
業界発想だけではなく、
全産業を先導するくらいの視点で、
開発を進めてもらいたいものだ。
さて昨日は、午前中、
一般財団法人ワンアジア財団の理事会・評議員会。
私、昨年12月からこの財団の評議員に就任した。
一般財団法人ワンアジア財団
One Asia Foundation
この財団の理念は定款の第1条に記されている。
「この法人は、将来に向けたアジア共同体の創成に、
寄与することを目的とする」
「そのために、アジア各国の幅広い経済・教育・文化交流、
及び市民交流等を通じて、
共通の価値観を醸成するとともに、
アジア各国市民の相互理解及び交流促進に向けた活動を行う。」
「なお、この法人に参加するものは、
この法人の次の3つの活動原則を遵守するものとする。
①民族・国籍を問わない。
②思想・信仰・宗教を拘束しない。
③政治に介入しない。」
㈱ダイナムホールディングス社長の佐藤洋治さんが、
私財89億円分の株式を寄付して、
活動が開始された。
理事長は佐藤洋治さん。
アジア各国に共同体創成に寄与する団体が発足しつつある。
現在は、東京、大阪、ウランバートル、
ソウル、北京、バングラデッシュに、
それぞれワンアジアクラブが立ちあがって、
活動しつつ、互いに交流しているが、
この財団はまずこういった団体を、
アジア各国に発足させることを助成する。
さらにアジア各国の大学または担当教授への助成もする。
奨学金制度をつくり、
学術・芸術・スポーツ、文化交流の助成もする。
年間に2億5000万円強の予算を組んで、
積極的な活動に入る。
その後、横浜の商人舎オフィスに戻って、仕事。
間もなく、編集者の二宮護さん登場。
続いて、産学社の新垣宜樹さんも参上。
二宮さんは、3月に『物流業界大研究』を上梓した。
私は、4月に『小売業界大研究』。
ふたり並んで、セットです。
共に産学社刊。
担当編集者が新垣さん。
このブログでは何度も紹介しているが、
二宮さんは、私の大学時代からの親友。
一つ年下だが、
9月2日生まれと誕生日が一緒。
最初に会ったときから、予感がした。
「これは一生ものだ」
その通りになっている。
私の最初の単行本『メッセージ』の編集も二宮さんが担当。
今回の本も、二宮さんが編集してくれた。
そのうえで、自分でも書いてしまった。
『物流業界大研究』の章立て。
Chapter1 物流業界の基礎知識
Chapter2 物流業界の実力地図
Chapter3 物流業界の歴史
Chapter4 物流業界の最新動向
Chapter5 物流業界の主要企業
業界を牽引するリーディング・カンパニーのプロフィール
Chapter6 物流業界の仕事と採用
このうち第5章に登場する企業がすごい。
陸運は、日本通運(日通)、ヤマトホールディングス(ヤマト運輸ほか)、
SGホールディングス(佐川急便ほか)、セイノーホールディングス(西濃運輸ほか)。
鉄道輸送は、日本貨物鉄道(JR貨物)、
海運は、日本郵船(NYK)、商船三井(MOL)、川崎汽船(〝K〞ライン)。
そして倉庫は、三菱倉庫、住友倉庫、三井倉庫。
倉庫業界は財閥系が占めている。
その他として、山九と日立物流、近鉄エクスプレス。
地味な業界だが他産業のインフラを構築し、
同時に宅配便などは市民生活のインフラを形成している。
それが丁寧に丁寧に調べられ、書かれている。
この本も、書店の「業界もの」「就活もの」のコーナーに並んでいる。
是非の、ご愛読を。
もちろん『小売業界大研究』もお忘れなく。
その後、㈱ロジスティック・パートナー社長の松見浩希さんが加わって、
懇親会。
松見さんは「流通ニュース」および「Lニュース」の編集発行人。
「流通ニュース」はご存知、流通情報を発信するウェブサイトで、
現在、月間100万ページビューを超える業界最大サイト。
「Lニュース」のLは「ロジスティックス」の略。
すなわち「物流ニュース」のこと。
こちらも月間65万ページビューを超える最大サイト。
流通ニュースと物流ニュースを編集発行する松見さんと、
『小売業界大研究』の結城、『物流業界大研究』の二宮。
よくできた取り合わせ。
話もどんどん弾んだ。
特に松見さんが、うれしそうだった。
私との話は、「流通」に特化していくが、
二宮さんが入ると、「物流」にも話題が及ぶ。
もともと松見さんは、物流業界の専門ジャーナリスト。
そばで聞いていた新垣さんも、にんまり。
松見さんが昭和30年の早生まれ、
二宮さんは昭和28年9月2日生まれ、
私が昭和27年の9月2日生まれ。
学年でいえば、1年ずつ違う。
55歳、56歳、57歳。
だから、話題がことごとく噛み合う。
楽しい夜だった。
ありがとう。
<結城義晴>