ジジとマーガレット[2010日曜版⑰]
ボクのなまえは、ジジ。
ヨコハマにすんでいます。
ユウキヨシハルさんのカゾクです。
うしろむきでキョーシュク。
でも、よのなかは、
さむかったり、
あつかったり。
真夏のようにあつい日のつぎに、
真冬のようにさむい日がくる。
ふしぎなことです。
だんだんあたたかくなるのが、
春です。
でも、ことしは、
あつくなったり、
さむくなったり。
そんなテンキのなかで、
ナノ花はしっかり、
さいています。
ボクはいえネコなので、
そとにはでません。
それがフマンでは、ありません。
フヘイにも、おもいません。
ときどき、マドをあけてもらって、
そとのクウキをすいます。
それでマンゾクです。
さむかったり、
あつかったりするのに、
ベランダでは花がひらきました。
それをみるのが、
たのしみです。
なんだか、
ニンゲンの老人みたいですが、
それでも、マンゾク。
アメリカンブルー。
そしてマーガレット。
マーガレット♪
マーガレット♪
あの子の髪に
マーガレット さいた♪
おとうさんがつくった歌。
だからボクも、
マーガレットだいすき。
そんなマーガレットをみて、
そとのクウキをすって、
ボクはしあわせです。
「ねえ、おとうさん。
ボク、シアワセですよね」
「……うん」
そとのセカイをながめながら、
よのなかをかんじる。
さむかったり、
あつかったり。
それをかんじる。
<『ジジの気分』(未刊)より>