大正製薬イーグル研究会での特別講演「不況は商人をきたえる」
いい季節です。
日本のプロ野球では、
セントラルリーグとパシフィックリーグの、
交流戦が始まった。
これは面白い。
サッカーは、
ワールドカップ・モードが高まりつつある。
1カ月後、南アフリカ共和国で開催され、
ナショナリズムの高揚感が地球を包むに違いない。
政治やビジネスには低迷感、閉そく感が漂うが、
スポーツや文化には、高揚感、解放感が存在する。
仕事や商売に、
そんな高揚感、解放感を、
創り出したい。
きっと、それを、お客様は、
「店の元気」
と、受け取ってくれるのだと思う。
さて昨日は、
大正製薬の「イーグル研究会総会/セミナー」で講演。
東京の豊島区高田の大正製薬本社の「上原記念ホール」。
テレビカメラと大画面の前で、90分の講義。
テーマは「不況は商人をきたえる」。
そう、商業界主幹の故倉本長治先生の言葉。
私なりに、不況の時の経営の仕方、考え方を語った。
それを全国各地の会場に集まった481名が、
テレビ会議システムの大画面で、聴いてくれた。
過去5年間で最高の参加人数だった。
直接聴いてくれた皆さんはもとより、
大画面で聴講してくれた皆さんにも、
心からご清聴を感謝したい。
午後1時30分、開始。
まず、イーグル研究会会長の細井和宏さん。
ご挨拶をかねたスピーチ。
細井さんは、薬ほそい代表取締役。
細井さんは最後に「維新」という言葉を使って、
現在の薬局・薬店のおかれた状況打開の方針を語った。
次に、大正製薬㈱代表取締役会長兼社長の上原明さん。
ご挨拶と情勢分析・方針の提示。
社会情勢や経済環境の分析と、
製薬メーカーや薬局・薬店の経営環境の分析、
マーケットの分析。
そして、政策の提案。
パワーポイントの資料を使って、
堂々たるレクチャー。
私、上原さんの短いスピーチは、
日本チェーンストア協会の総会などで聴いていたが、
こんなに長い話は初めて聞いた。
そして、とてもびっくりした。
見事なスピーカー。
だからだろうか、
そのあとの私の特別講演も、
いつも以上に力がこもった。
私の講演のイントロダクション。
「売れないことを不況のせいにするのは、
よく売れる時代を自分の成果にする権利を放棄したことになる」
「不況期にこそ、消費者に得をさせ、
この店こそ私たちの店と信じられるようにする好機である」
「悩まなければ人間の魂は成長しない。
不況に遭わない店には、永遠に大成はない」
「艱難が人を磨くように、不況は商人をきたえる」
(倉本長治『商業界20年』より)
「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達(練られた品性)を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
(新約聖書・ローマ人への手紙5章)
そのあと、『商売十訓』とドラッカーの共通点。
それから「知識社会の知識商人」。
薬剤師、薬局・薬店の経営者、従業者は、
何よりも「ナレッジ・マーチャント」でなければならない。
サービス業化とサービス・マネジメント、
業態からフォーマットへの分化。
ロイヤルカスタマー論から人間力経営まで。
最後の最後は、
「元気を出そうよ」
「元気を売ろうよ」
中小の薬局・薬店の経営者に、
私が伝えたいことのエッセンスを、
網羅して語った。
大正製薬には「紳商」という言葉がある。
『大辞林』には「教養や品位のある大商人」とある。
講演の前に、上原さんからこの言葉を聞いて、
私の唱える「知識商人」と類似していることに驚いた。
この日の講演はなぜか、
いつも以上に疲労困憊した。
全力を挙げて語ったことで、
心の中には満足感がいっぱいだった。
多謝。
<結城義晴>
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