外食ビッグ3の三者三様政策と「むずかしいからおもしろい」
[お知らせとお詫び]
先週末から、この商人舎ホームページは、
サーバー移行と若干のリニューアルをしました。
その際、一部、アクセスできなくなるという不具合が生じました。
読者のみなさん、投稿しようという皆さんにご迷惑おかけしました。
心より、お詫びいたします。
Everybody! Good Monday! [vol20]
2010年第20週、5月第4週。
先週商業経営問題研究会で、
キングストアの臼井旬さんが5月の販促計画書を見せてくれた。
その計画書の今週版は「第20週」となっていた。
私は少し嬉しかった。
私の提案する「ウィークリーとクオーターをベースにしたマネジメントサイクル」を、
臼井さんが採用してくれていたからだ。
「ウィークリーは週間」
「クオーターは四半期」
マンスリーの月間は、やがて、
その中間的・過渡的なサイクルとして活用されるようになるに違いない。
今日からその第20週。
「52週マーチャンダイジング」は、
イトーヨーカ堂出身のコンサルタント鈴木哲男さんが提唱するもの。
極めて有効なマネジメントとオペレーション、
そしてプロモーションのノウハウである。
しかし、これは1年に52回の販促テーマを考え、
それを売り場に実践するということではない。
52週という区切りごとに、マーケットとカスタマーの生活をとらえ、
それを売り場に展開するもの。
したがって、時には、2週間のサイクルがいい場合もあるし、
ひとつのテーマが1カ月続く場合もある。
アメリカでは、10月31日にハロウィンがあり、
11月の下旬にサンクスギビングデーがあり、
12月の25日までクリスマス商戦が続く。
秋から冬にかけて、3つの大きなイベントがあり、
小売業やサービス業はピークに向けて店舗と売場を盛り上げていく。
しかしこの間も、数値と人員配置をはじめとしたすべてのマネジメント要素は、
ウィークリーとクオーターで管理され、実行される。
それが科学的で、実証的だからだ。
さて今週は、 ゴールデンウィークが終わり、母の日が終わり、
比較的に何もない1週間。
政治では、20日から第二弾の事業仕分けの後半が始まる。
公益法人などにメスが入れられ、
また、蓮舫議員など大活躍するのだろう。
スポーツは、プロ野球交流戦が本番に入り、
大相撲は今週最後に優勝が決まる。
朝青龍が引退したにもかかわらず、
次々にスターが登場し、
不思議なことに連綿とつづいていく。
今週から2月期決算企業の株主総会なども開催され始める。
そんな1週間。
盛り上がりがないから、難しい。
今月の標語ではないが、
「むずかしいからおもしろい」
私はもう、言い換えている。
「むずかしいほどおもしろい」
そんな気分で勉強や研究や仕事に勤しみたい。
さて、日経新聞調査のフードサービスの動向。
「第36回2009年度飲食業調査」
売上高ランキングのトップは、日本マクドナルド。
①日本マクドナルド 3623億円(前年度比マイナス10.8%)
②すかいらーく 3558億円(マイナス7.6%)
③ゼンショー 3342億円(プラス7.7%)
ビッグ3が3000億円超。
その中で前年から伸びたのは、「すき家」など展開するゼンショー。
2009年度は不況にもかかわらず、368店の出店攻勢。
ただしマクドナルドは直営店+フランチャイズ店の合計売上高は、
5319億円で、2.9%のプラス。
マクドナルドは直営店のフランチャイズ化を進めて、
経営を軽くする方策をとった。
すかいらーくは、158店の閉鎖をして、
とうとう「すかいらーく」のバナーを全面的にやめた。
④シダックス 2200億円(プラス0.7%)
⑤日清医療食品 2065億円(プラス2.7%)
2社が2000億円を超える。
そして、⑥吉野家ホールディングス 1796億円(プラス3.1%)
⑦エームサービス 1425億円(マイナス3.8%)
⑧モンテローザ 1397億円(プラス2.7%)
⑨プレナス 1176億円(マイナス1.8%)
最後に、⑩ワタミ 1154億円(3.7%)
ワタミは、前年の第13位から始めてトップテンに入ってきた。
上位100社のうち、62社が前年に比べて売上高を落としたことは、
覚えておかねばならない。
外食から内食・中食に、顧客が動いた結果だ。
こういった統計は、「身も蓋もない話」になることが多い。
しかし、それが大きな潮流であることは、
間違いない。
外食上位ビッグスリーが、三者三様の政策をとったことに、
時代が象徴されている。
自分の生き方を求める。
それが「むずかしい時代」の処し方である。
では、今週も「むずかしいからおもしろい」
Everybody! Good Monday!
<結城義晴>