13店を駆け回った「ダラスの熱い日」と「ロールバックの嵐」
今、ニューヨーク時間午前6時半。
このブログを書き終わったら、
セントラルパークでも散歩しようか。
とにかく疲れた。
万代ドライデイリー会の面々は、
帰国の日となってしまった。
テキサスからニューヨークにやってくると、
あっという間に時間は過ぎる。
ニューヨーク人は、こんなに、せっかちに動くのか。
こんなにスピーディな時間の中に身を置いているのか。
ここにやってくると私たちも、
ニューヨーク人と同じ感覚になってしまうのか。
それとも旅の終わりは、短く感じられるのか。
もし旅の終わりのほうだとすると、
人生の旅の終わりも、
こんなふうに疾風のように過ぎてゆくのか。
ニューヨークという街は、
そんなことを私に考えさせる。
さて、そのニューヨークを去る前に、
ブログはテキサス州ダラスでのエピソード紹介。
大事なこと、面白いことがたくさんあったが、
その一端をお披露目しておこう。
まず何と言っても、ウォルマート。
ロールバックの嵐。
ロールバック攻勢に出ている。
名づけて「Thousands of Rollbacks」
ウォルマートはエブリデーロープライスを基本とする。
その基本方針の上に、ハイ&ローを一部、混ぜる。
それがロールバック。
しかしいま、2か月にもわたって、
「ロールバックの嵐」を巻き起こしている。
当然ながら、周りには凄い影響が出ている。
その真相は、この旅の終わりに解明しよう。
さて、ウォルマートの環境対策店舗のマッキーニ店で、
佐藤雄介さん、32歳に出会った。
西友から出向で、研修に来ているとのこと。
㈱万代の黒田久徳さんと3人で写真。
佐藤さんは、㈱若菜に入社し、現在はウォルマートに出向中。
この店ではアシスタントマネジャーとして研修を受けている。
マネジャーは31歳のクリスさん。
佐藤さんは、他のアソシエーツから本当によく声をかけられるし、
自身も声をかける。
溶け込んでいる。
楽しみな人だ。
さて、そのウォルマートの攻勢に対して、
有力ナショナルチェーンはいかに。
スーパーマーケット業界第二位のセーフウェイ。
ダラス地区では「トムサム」が頑張っている。
ニューライフスタイルストア。
店舗入り口で、価格比較。
相手はアルバートソン。
同じ商品を同じ量買うと、
トムサムならばアルバートソンよりも、
「21ドル90セント」節約できる。
「Wow!」とある。
ウォルマートでなく、アルバートソンを狙い撃ちしているところが、
セーフウェイの現状を表している。
では、クローガーはどうか。
全米第二位の小売業でスーパーマーケット第1位。
これがひどい。
特にこのダラス・プラノ地区では。
「メイン・ストリーム」と呼ばれる主流の店づくりや営業政策は、
もう、消費者たちから無視され、拒否されてしまっている。
それに気づかぬはずはない。
気づいても、全軍を動かせないのだと思う。
「店が死んでいる」
死んだ店に「卵1パック88セント」の立て看板。
この卵だけが、唯一売れている。
しかし店は瀕死の状態。
「2年前から、まったく変わっていませんね」
万代の黒田さんがつぶやいた。
アルバートソンが三分割される寸前には、
こんな状態が続いた。
私はそれを『販売革新』誌に書いた。
いま、クローガーのこのエリアの店が、
あの時のアルバートソンのようになっている。
そこにウォルマートの「ロールバックの嵐」。
弱いところを叩きまくる。
それがアメリカのカットスロート・コンペティッション。
ただ単に競争が激しいのではない。
弱い企業、弱っている店を、徹底して叩く。
それが「喉をかき切る競争」の本質だ。
そうしなければ自分が生き残れないからである。
一方、サンアントニオからやってきたHEBセントラルマーケット。
「ラ・ボッカ」で迎えてくれた。
アルゼンチン大特集中。
店員さんも笑顔を投げかけてくれた。
「ノー・ピクチャー!」だけれど。
しかし屋外では「ピクチャー・オーケー」。
なぜかおそろいのポーズ。
カメラのレンズの先は、
「スプラウツ・ファーマーズマーケット」
ファ-マーズマーケットのフォーマットも完成されつつあって、
安定した顧客を確保している。
少なくともクローガーよりも確かだ。
考えされられることは、多い。
競争とは。
その中で自分のポジションを築き、確保することとは。
少なくとも、規模の大きさでないことははっきりしている。
こんなことを思いながら、
夜は「モートンズ」でステーキ。
お疲れ様。
我々よりも、この地の商業者のほうが疲れているに違いない。
何しろウォルマートの「ロールバックの嵐」の真っ只中で、
仕事しているのだから。
(明日に続きます)
<結城義晴>