菅直人内閣発足とコーネル・ジャパンのシミュレーション・ゲーム大展開
菅直人内閣発足。
基本は民主党・国民新党の連立内閣。
キャッチフレーズは、「最小不幸社会」。
「政治の役割は、貧困や戦争など、
国民や世界の人が不幸になる要素をいかに少なくしていくかだ」
菅新首相のメッセージ。
それが「最小不幸社会」。
鳩山由紀夫前首相とは、ずいぶん言葉遣いが違う。
ちょっと理屈っぽくて、硬派のイメージ。
目標は「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体として実現する」
そのための成長戦略は、環境分野や医療・介護分野への重点配分、
さらにアジアの成長を日本経済につなげるという考え方。
鳩山退陣のきっかけとなった米軍普天間飛行場移設問題に関しては、
「日米合意を踏まえるという原則」の遵守。
新政権では、普天間問題を専門に扱うチームが立ち上げられ、
一元的な対応が図られる。
この中で、「アジアの成長」に関連にして、凄いことが計画されている。
2011年から始まる中国政府の5カ年計画。
「所得倍増計画」が盛り込まれる。
具体的には最低賃金の引き上げ策などが実行される。
2008年の中国の年間平均賃金は2万9229元。これは約39万円。
「平均賃金を毎年15%以上のぺースで上げ続ければ、
5年で2倍になる」
それをやろうというもの。
「所得倍増計画」は1960年、
日本の池田勇人内閣の下で展開された長期経済計画。
1961年からの10年間に、
国民総生産を13兆円から26兆円に倍増させる目標をかかげた。
実質国民総生産は約6年で倍増を果たし、
国民1人当りの実質国民所得は7年で倍増を達成した。
中国は21世紀の現在、
13億3474万人の人口のもとで、
「所得倍増」をやろうとしている。
さて、流通業のニュース。
イオンが「みんなに値下げ」キャンペーンを展開する。
期間は、6月10日(木)から14日(月)までの5日間。
タイトルは「全国2万3000店からの贈り物 みんなに値下げの5日間」。
6月は、「子ども手当」の最初の支給月。
しかしこの「子ども手当」、
中学校を卒業するまでの子どもを育てている家族にしか支給されない。
そこでイオンは考えた。
「子ども手当」が支給される顧客にはその手当を有益に使ってもらう。
支給のない顧客にも「子ども手当」分のご利益を提供する。
「全国2万3000店からの贈り物」キャンペーンは、3回目。
第1回は昨年12月、第2回は今年3月。
イトーヨーカ堂の「キャッシュバックセール」のような恒例企画になってきた。
さて、 昨日から長野県の蓼科で、
コーネル大学RMPジャパンの6月講義が行われている。
講義は、蓼科フォーラムの階段教室。
ちょうど40人が入る研修室。
はじめの講義は、13時30分から、荒井伸也首席講師。
「意思決定方法論と会議の持ち方」
荒井先生の経験に裏打ちされた「意思決定」の考え方が語られた。
会議は、大きく分けると、
情報交換会議と意思決定会議に分けられる。
情報交換会議は「能率の原理」に従う。
意思決定会議は「有効性の原理」に従う。
そのうえで「よいコミュニケーション」とは何か。
荒井先生の90分の講義につづいて、
シミュレーション・ゲームのスタート。
15時15分から、副学長の趣旨説明。
そしてこのシミュレーション・ゲーム開発者のお二人。
今回の講師の紹介。
㈱リテール・マーケティング研究所所長の浅香健一先生。
リテール・マーケティング研究所客員研究員の森順治先生。
その森先生によるオリエンテーション。
真剣な聴講で、ゲームの趣旨を理解する第二期生。
その後、細かいところまで質疑応答。
今回は事務局も、とても楽しそう。
太田美和子さんと中間徳子さん。
第二期生は6つのグループに分かれる。
同じ条件のスーパーマーケット既存店舗がある。
この店舗を6つのグループごとに前任者から引き継いで、
経営方針や組織政策を討議し、立案し、改革の意思決定をしてゆく。
16時40分から17時30分までが最初のグループワークの時間。
それぞれのチームごとに個室、あるいは会議室が割り当てられ、
店長、店次長、営業担当、財務担当、人事担当など、
自分たちで役割を決めていく。
そしてグループワーク。
生鮮強化の「パワーズ生鮮」チーム。
人に優しい「東京マルシェ」チーム。
大きな夢を掲げる「ドリーム・ストア」チーム。
外資系を自認する「コーネル・マーケットプレイス」チーム。
オーソドックスな「たてしな3」チーム。
そして「Y’s MART」チーム。
各チームの検討中は、講師陣はそれぞれに仕事。
基本方針決定後は、
各チームの店長からプレゼンテーション。
まず東京マルシェ 谷康一店長。
圧倒的な地域一番店を目指すドリーム・ストアの夏原陽平店長。
たてしな3の伊藤彰浩店長。
生鮮食品強化型を打ち出した「パワーズ生鮮」水野實店長。
外資系のドライ経営を標榜するコーネル・マーケットプレイス、
佐々木寧店長。
そしてY’s MART 横山豊店長。
各チームが、自店の経営方針を模造紙に書き込んで、
プレゼンテーションを展開する。
これは公正な競争を前提としているため。
浅香先生の講評とまとめ。
そして18時30分から全員で夕食。
夕食の席で、お祝い事。
㈱ベルプラスの澤田司さんがこの5月28日に社長に就任した。
全員で祝福して、乾杯。
19時30分から本格的グループワーク。
第1回意思決定シート提出の期限は21時30分。
この2時間が重要な政策決定のとき。
隣の店をのぞきに来る忍者部隊も出現。
白版に数字を書き込んで、検討する。
この時、荒井首席講師の講義が生きてくる。
私は、そういうカリキュラムの設計にした。
浅香講師への質問が寄せられる。
浅香講師へのコンサルティングの要望が寄せられた。
5万円の経費で、これは店舗営業経費に計上される。
森講師への質問も細かい。
」
そして、21時30分、最後のチームが意思決定シートを提出。
無事、全チームの提出が終わると、
やっと懇親会。
蓼科フォーラム1階のホールが解放される。
何しろ、借り切り。
11時半には懇親会も終わる。
が、当然それで終わるわけはない。
今度は、各部屋にこもって、
思い思いの熱い懇親。
深夜2時だったか、3時だったか。
かくて、コーネル・ジャパンの夜は更けゆく。
(つづきます)
<結城義晴>