『日経ビジネス』特集「スーパー最終戦争」&『日経トップリーダー』取材と林廣美先生対談
昨日8月9日発売の『日経ビジネス』。
特集は「スーパー最終戦争」
サブタイトルは「ウォルマート急襲、迎え撃つ日本勢」。
先月の16日金曜日、コーネル・ジャパン卒業旅行の直前に、
小平和良記者からインタビューを受けた。
例によって、私は身も蓋もない話。
しかしそれが真実だと思うから仕方ない。
この特集、プロローグ「北海道、10年の興亡」から始まる。
アークス社長横山清の「クリティカルマス論」。
それにコープさっぽろ理事長・大見英明。
地元勢に後塵を拝するイオングループ。
特集の記事は、コストコとウォルマート西友、そしてメトロ、テスコの、
本格上陸をルポする。
一方、地方スーパーマーケットからの反抗。
スタディはヤオコー、ハローデイ、サンシャインチェーン。
さらに神戸物産、バロー。
そしてエピローグは、「さらば“2強”」
セブン&アイ・ホールディングスとイオンが、
ウォルマート、コストコ、テスコといった外資と、
ローカル・スーパーマーケット・チェーンに挟撃され、
「最終戦争」に突入するというSF仕立て。
これは私のプロットではない。
この特集の中で、私は、
「低価格を実現する仕組みを持たない企業は続かない」とのみ、
コメントしている。
私は「自然界の森のような小売業」をイメージしている。
巨木もあれば、雑木も雑草も、高値の花さえ、
共存する自然界の森。
ただしそこに生き抜くのは、
「自らのアイデンティティと自らの論理、
それに見合った自らの生存方法に徹した者だけである」
しかし、ビジネス週刊誌ナンバーワンの『日経ビジネス』の特集だけに、
今後、大いに波紋を呼びそうだ。
ご一読を、 お勧めしたい。
さて昨日正午、今度は、
『日経トップリーダー』記者の永井学さんが、
横浜の商人舎に来訪。
同誌は、『日経ビジネス』とおなじ発行元、すなわち日経BP社。
『日経トップリーダー』誌は、昨2009年4月、
『日経ベンチャー』から誌面刷新し、生れかわった雑誌。
この雑誌は、9月に渥美俊一先生の特集を企画している。
永井記者はチェーンストアの取材経験を持ち、
渥美先生にも興味を持った。
そこで私のところに、
「渥美俊一の本質と位置付け」をインタビューに来た。
故倉本長治商業界主幹が「商業近代化の理念」を確立し、
渥美俊一は「小売業・サービス業近代化の理論と実践」を果たした。
その理論の本質は何か。
経営戦略、財務戦略、商品戦略、営業戦略、
そして準備段階の「ビッグストアづくり」など、
1時間半はあっという間に過ぎた。
よく勉強している永井記者の聞き方も上手だったので、
私自身の整理にも、なった。
ピーター・ドラッカー先生も、
外山滋比古先生も、
「話すこと・喋ること」の効用を説いている。
私も、永井さんに話しつつ、
自分の考えをまとめた。
現在、渥美俊一先生に関する文章を、
3本ほど依頼されている。
そのことにも、役に立った。
もちろんすべて違う論調の文章にするつもりだが。
永井さんに、感謝しておきたい。
さて、午後3時、東京・曙橋。
日本フードサービス専門学院。
学院長の林廣美先生と対談。
商人舎と商人ねっとのコラボレーション企画、
CDオーディオセミナー『知識商人登場』の最終回。
林先生とは、もう28年のお付き合い。
和やかに、軽やかに始まった。
林先生は雑誌『魚菜』編集長から、惣菜コンサルタントに転身。
第一人者として、もう40年も活躍。
商業界の『食品商業』には、私が出会ってからの30年近く、
1号も欠かさず原稿を寄稿、執筆してくださっている。
商人舎のホームページでも、毎週金曜日に、
「林廣美の今週のお惣菜」を連載し、
先週末、目出度く「100回記念」となった。
私の標榜する言葉。
「難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く」
これは林先生からご教授いただいたものだ。
対談は、90分の予定が、
休みなく、よどみなく、
あっという間に95分経過。
その間、林先生、喋り詰め。
私は、インタビュアーに徹した。
「スーパーマーケットの惣菜とは、
限りなく本物に近い偽物をつくること」
これはパリコレ、ミラノコレクション、東京コレクションなどから、
プレタポルテの量販商品をつくるSPAの発想とまったく同じ。
つまり本物の日本料理、フランス料理、イタリア料理、中華料理に似せて、
「うまくて、安くて、でっかい商品」をつくること。
凄い。
さらに「1グラム1円」の商品づくり。
これまた、林流の凄いコンセプト。
しかし林先生のマーチャンダイジングは、
限りなく「顧客」から発想している。
それをバイヤー、パートタイマー、社長・専務に、
分かりやすく手ほどきし、
結果として生産性を上げさせる。
まさしくマーケティング&テクニカル・コンサルタントの真骨頂。
この秋の11月16日火曜日に、
「惣菜の年末・年始対策セミナー」を開催することが決まった。
講師は、林廣美&結城義晴二人のビッグセミナー。
乞う、ご期待。詳細は後日発表予定。
最後に、ツーショット写真。
林先生から料理の手ほどきを受ける結城義晴の図。
テレビ番組みたいで、ちょっと気恥ずかしかったが、
テレビには何度もレギュラー出演している林先生の隣に立つと、
なぜか、気持ちが落ち着いた。
いい対談だった。
そして、いいCDオーディオセミナーのシリーズだった。
全25回。
これにて打ち止め。
ご清聴に、心から感謝。
<結城義晴>
[追伸①]
CDオーディオセミナーは、
インタビュアーが代わって、
今後も継続の予定。
ご愛顧のほど、お願いします。
[追伸②]
先週金曜日・土曜日のRMLCクリニック報告&分析編は、
今週中に掲載予定。
悪しからず。