コンビニ7月売上高14カ月ぶりの増加と8月9月の連続伸長予測
7月のコンビニエンスストア販売統計。
昨日、日本フランチャイズチェーン協会から発表された。
「売上高は14カ月ぶりにプラス」。
既存店が前年同月比で0.5%の増加。
日経新聞は、第三面「総合欄」に特別の囲み記事で、
このニュースを載せた。
原因は、猛暑、酷暑、炎夏。
菱食社長の中野勘治さんいうところの「神風」の所為。
8月も、猛暑、酷暑、炎夏で、
不謹慎な言い方になるが、
これに台風でも直撃したら、
コンビニの売上げは確実に上がる。
日経記事では、セブン-イレブンからのコメントが載っている。
「今のところ7月を上回る伸び率で推移」
さらに、10月からはタバコが増税される。
9月には、その駆け込み・前倒し需要が発生する。
従って9月まで、3カ月連続のコンビニ売上げ前年比プラスは予測できるが、
タバコの値段が上がったあとの落ち込みは、予測できない。
なにしろ今や、セブン-イレブンで、
売上げの3割がタバコで占められている。
7月の統計はコンビニチェーン10社、4万2995店のもの。
既存店ベースの客数は、2カ月連続のプラスで2.3%増。
しかし、平均客単価は既存店で、マイナス1.8%。
20カ月連続減少と回復は見られない。
その既存店客単価は558.4円。
「日本のコンビニの客単価560円」と覚えておくとよい。
客単価を漸減させつつ、
日本の小売業を牽引したコンビニにも、
やや陰りが見えてきた。
コンビニ経営でも、この言葉は例外ではない。
「過去の成功体験を捨てよ」
そして商人舎8月の標語。
「現状を否定せよ」
さて昨日8月19日は、午前中に、
横浜の商人舎オフィスを、
鈴木國朗さんが訪問してくれた。
スーパーマーケット経営コンサルタント。
特にマーチャンダイジングとプロモーションに関しては、
今や日本の第一人者。
私はもう、20数年のお付き合い。
この間、㈱商業界の『食品商業』には1カ月も欠かさず、
記事を書き続け、提案を続けている。
この7月29日にダイヤモンド社から単行本を上梓した。
タイトルは『あと数%伸ばす食育スーパー』
サブタイトルに「お店の『機能』を高め続ける77のしかけ」とある。
ダイヤモンド社らしい丁寧で、使い勝手の良い本のつくり。
しかも鈴木さんらしい実務に徹した内容。
ご一読を。
今日20日は、東京・王子の㈱なとり本社。
「なとり経営塾」で講義。
この研修会は、5年後の本部長・執行役員を育成することを目的としている。
私のテーマは「製配販『流通の現状』と課題」
朝9時から12時まで。
間に10分の休憩をはさんだが、
12時半まで延長して、語りきった。
なとりの幹部候補生育成研修を、
学習院大学のマネジメント・スクールが請け負って、
今日は第4回目の「流通論」の巻。
午後には、上原征彦(うえはら ゆきひこ)先生の「流通概論」。
上原先生は、(財)流通経済研究所理事長で、
明治大学専門職大学院教授。
暑い暑い8月の土曜日の研修会。
本社社屋は閉鎖されていて、
森閑としていた。
そこに全国から集まった30人の幹部候補生。
熱心な聴講に感謝したい。
講義の中で紹介した言葉、
「今日も一日、慌てず急げ」
これは覚えておいてほしい。
「今日も一日、元気と勇気」
これは、なとりの幹部候補生には、
是非とも望みたい。
暑い夏も、タバコ増税の前後も、
「元気と勇気」で乗り切るしかないからだ。
今週も[結城義晴の毎日更新宣言]ご愛読くださって、
心から感謝。
皆さん、良い週末を。
<結城義晴>