「双方違う事実の比較作業に慣れてくると、 それらの合間に真相が見えてくる」[塩野七生]
気象庁の発表。
この真夏日の暑さ、
まだ2週間は続く。
しかし、朝夕は、ずいぶん涼しくなった。
昼間の暑さはどうしようもないが。
考えてみると、
店舗で働いている人は、
この暑さを感じることがない。
昼間に外歩きをする仕事よりも、
その面では幸せだ。
そんなことも考えてみるとよい。
他者のことを思ってみるのもよい。
昨日は円高が進み、1ドル83円台。
なんと15年ぶり。
しかし今朝は84円からスタート。
同時に日経平均株価も9000円を割った。
これは1年4カ月ぶり。
今朝は8904円から始まった。
ニューヨーク株も1万ドルを割り込んで、
日本株の一人負けと思いきや、二人負け。
日本経済、三流から五流に落ち込み、
先行き見えず。
なんとか我らの力で、
日本らしい社会、日本らしい経済、日本らしい文化を築きたい。
明日のために。
今は我慢の時。
日本のテレビ・新聞・雑誌はこぞって、
「小沢一郎民主党代表出馬か」と騒ぎつつ、
そんなこと言ってる場合じゃないだろう、と揶揄する。
マッチポンプ。
しかしそのマッチポンプに政治家も踊らされている。
世論は、マスメディアが誘導し、
劇場型社会を演出し、
そのこと自体が、
「じっくり考える」
「よく考える」
「客観的に考える」
といった姿勢を、日本社会から奪っている。
塩野七生さんが『日本人へ、国家と歴史編』(文春文庫)に書いている。
「双方で違う言い分を聴いて比較する作業に慣れてくると、
それらの合間に自然に浮かび上がってくる真相も、
見えてくるようになるから面白い」
私たちは今、
「双方で違う言い分を比較する作業」に慣れなくてはいけない。
だから対立する見解や対比的な意見に、
日常的に多数、触れなければいけない。
「何事も、
ひとつの手段、ひとつの方法に、
ゆだねたいという誘惑は、
これを退けねばならない」
だから外国のメディアにも時々、目を通す必要はある。
外国を訪れて、その国の人々の日本観を感じ取るのも重要なことだ。
塩野さんのようにイタリアに在住し、
ヨーロッパの観点から日本をみていると、
アメリカからだけの日本観には異次元の「真相」が見えてくる。
昨日は、10月に控えたヨーロッパ視察の詳細づくり。
イギリスとフランスの状況を調べた。
主にロンドンとパリの周辺、郊外の競争状況。
面白いことになっている。
例えば、米国ウォルマート傘下のアズダ。
既に25店舗のアズダ・ウォルマート・スーパーセンターをオープンさせ、
出店が、だんだんロンドン市街に迫ってきている。
カルフールも、ハイパーマーケットを、
パリの中心街近くのブーローニュの森のそばにつくった。
世界の大都市周辺で、
人口と商業施設の「都市集中化」が進んでいる。
明らかな共通トレンドは、
飽和化と都市化。
その面で、江戸時代から世界をリードしている日本は、
独自のセオリーを導き出し、
理論面で世界を先導することができる。
そんなことを考えた。
双方違う事実を比較する作業に慣れてくると、
それらの合間に浮かび上がってくる真相が見えてくる。
塩野さんの言うとおりだ。
さて昨日は、東京・日本橋あたり。
鍵を握る日本銀行。
「政府・日銀の無策」とひとからげに断定されている。
その向かいの三井本館。
由緒ある建造物。
神田駅前の社団法人日本セルフ・サービス協会。
9月1日から、協会名を変更する。
社団法人新日本スーパーマーケット協会。
その協会が50周年記念事業として始めたのが、
コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン。
昨日はその事務局会議。
写真左から、FMIジャパン事務局長の中間徳子さん。
今年7月のコーネル大学食品産業プログラムのサマースクール卒業生。
真ん中が、日本セルフ・サービス協会営業本部長・村尾芳久さん。
そして右が、コーネル・ジャパン事務局の太田美和子さん。
中間さんが、講師担当、太田さんが、受講生担当。
第三期のカリキュラムの最終検討。
講義内容の充実のためのアイデア討論。
10月の公開開講講座の企画調整。
レポートのこと、合宿のこと、
アンケートのこと、などなど。
第三期も充実した内容になります。
㈱カスミ会長の小濵裕正さんがご指摘くださったように、
業界初の多角的多面的構造的カリキュラム。
日本のスーパーマーケットと食品産業のための「産業内大学」。
10月から、いよいよ第三期がスタートします。
限定35名募集中。
既に20数名の申し込みあり。
お早めにお申し込みください。
よろしく。
<結城義晴>
4 件のコメント
結城先生へ
前回のTV番組「カンブリア宮殿」は「地方スーパーの逆襲」のタイトルの90分スペシャル番組でした。
柳川市のマルマツ(単独店:年商12億円)、ヤオコーの2社の特集です。
私が感動したのは、マルマツの社長が手書きで過去から収集した、客数、天候(お店周辺)、売れ数の膨大データー(今は息子さんがPCに蓄積)を元に、
その日の、商品の売れ数を見事に予測して、ロス率が平均SMの半分、何よりもお客様に欠品で迷惑をかけていないことです。
以下マルマツの戦略
①チラシを無くし(ハイ&ローの否定)、会員のお客様にEDLPでご奉仕、又チラシ代(年間数千万円)を、お客様対象のイベントで還元。
②一部の売り場をメーカーや問屋に売り貸し(渥美先生の教科書とおり)で、
お客様、メーカー、店が三方が得をする商売。
●MD戦略はマスから個人へフォーカスした、個店経営の良さ出ている企業を思いました。
いまちゃん、ありがとうございます。
『カンブリア宮殿』見損なってしまいました。
ヤオコーとマルマツ、それからNISIYAMAなどが、
とり上げられたようですね。
いまちゃんのご報告から察すると、
マルマツの経営のやり方は理にかなっています。
私は福岡出身なのですが、
残念ながらマルマツのお店、見たことがありません。
次は必ず行ってみましょう。
コーザルデータと言いますが、
様々な情報をトップ自ら収集整理し、
それを店づくりや経営管理に活かす。
素晴らしいことです。
そのうえ、エブリデーロープライス、
ベンダーストアの考え方、
さらにカスタマイズの手法。
私は、スーパーマーケットの世界は、
自然界の森のようなものだと考えていますが、
マルマツのような店はその代表でしょう。
アメリカのドロシー・レーンというスーパーマーケット。
とても優れた経営者、従業員、良い店。
そこで次々に支店をつくっていった。
そうして15店までになったら、経営が悪くなった。
今度は逆に店を売却したり、処分したりして、3店舗に減らした。
そしてとてもいい経営になった。
現在もその「身の丈」にあった経営をしています。
ベンダーストアはウォルマートのサム・ウォルトンが、
1989年にウイスコンシン州ジェーンズビルで実験しました。
取引先の力を借りて、それを最大限に活用し、
ウィンウィンの関係をつくる。
サム・ウォルトンは自分の商売の革新のためなら、
何にでも挑戦しました。
マルマツにもそんな姿勢が感じられますね。
ありがとうございました。
初めまして,私はアメリカの学生だった
私のお気に入りあなたのblogs,私の日本の教師は賛美私:
するのは失敗何もしないのは大失敗
私は非常に満足している (ーー゛)
HarMonica Tabsさま、
このブログをお気に入りに入れてくださって、
ありがとうございます。
「何もしないのは大失敗」
とのとおりです。
大賛成。